隠れ家的蕎麦 秩父の蕎麦 蕎麦工房 そば福 [埼玉の蕎麦]
先日、秩父へバイクで行った時に見つけた隠れ家的蕎麦屋
R140からK37に入り、このまま進んで良いのか?と思ってしまうような隊道を過ぎて・・・
不安になるような細い道を進むと集落が。
ここに蕎麦屋の看板を見つけました。
それが そば工房 そば福
通りには面して無く、案内に従って奥に入ると・・・小さな蕎麦屋が現れます。
五匹の招き猫に招かれながら中に入ります。
嬉しい事に店内禁煙、埼玉県内は禁煙の店が多いですね。
店内は狭く、4卓のみ。
まさに隠れ家的規模。
隠れ家的店の発見は嬉しい気持ちになれます。
店内、店外には写真がいっぱい飾ってあります。
きっとご主人の趣味なのでしょうね。
品書きを確認しよう。
・・・・
ザルで決まりです。大盛りは210円増しだそう。
海苔の有無を聞くと乗っているとのこと。
海苔は外してもらいました。
海苔は香りや味が強く、蕎麦の香りを隠してしまいます。
海苔は確かに美味しいですが、海苔を味わいに来たのではありません。
あくまで蕎麦の香りと味を楽しみたいのです。
実に無味な品書きです、品書きといい、海苔がデフォルトで乗る事といい、正直言って期待値は下がりました。
お茶は・・・蕎麦茶ではありません。
そば工房を名乗るならば、お茶や品書きなど小さな事にも拘って欲しいですね。
室内はTVが無ければ良い雰囲気なんですが・・・・残念です。
何故TVが必要なのでしょうか・・・。
折角の隠れ家発見に喜んでいましたが気分を殺がれます。
(TVは気分を日常に引き戻してしまいますから隠れ家には不適格なのです)
尤も普通のお客さんは蕎麦屋に隠れ家的要素を求めたりしませんが。(笑)
尤も普通のお客さんは蕎麦屋に隠れ家的要素を求めたりしませんが。(笑)
蕎麦が運ばれてきました。
デフォルトで海苔が乗っていると聞いたとき、失望し期待していませんでしたが、なかなか良さそうな蕎麦です。
細打ちで透明感があり、喉越しと噛み応えが良さそうな事は見ただけで判ります。
ただ・・・蕎麦の幅が揃っていません。きしめん率(*)も2以上はありそう。
良さげな蕎麦ですが・・・実はこんな感じの蕎麦とは相性が悪いのです。
艶やかで透明感があって、きしめん率が高く、星が多い蕎麦。
このような感じの蕎麦で香りや甘味を満足した事がないのです。
また、きしめん率の高い蕎麦は水切りが悪い場合も多く、水っぽいと美味しく感じません。
さて、この蕎麦はどうか?蕎麦のみで啜ると・・・
やはり啜った時に香りは感じません。
しかし喉越しが良く、蕎麦の方から飛び込んでくる感じです。
噛み切った時に顎に伝わる感触もしっかりしていてコシも十分。
水切りもしっかりしてあるので味に水っぽさはありません。
が・・・香り甘味共に大人しい。
つまり、予想通り噛みしめて食べる蕎麦ではなく、喉で食べる蕎麦でした。
汁の味を確認してみましょう。
汁を口に含むと・・・・薄いですが美味しい。
そのまま飲んでいける程の薄さです。
薄くはありますが旨味はしっかりしていてコクが足らないとも思いません。
ダシの香りは強すぎずほのかに香ります。薄い汁ですからこれ位の香りで丁度いいのでしょう。
甘味や酸味が出しゃばる事無く控えめ、薄いながらも良いバランスです。
そば工房を名のるだけの事はあります。
蕎麦を汁に浸けて啜ります。
汁に浸けて啜った瞬間、ダシの旨味が広がります。が、残念ながら蕎麦の甘味が出てきません。
汁が薄いので蕎麦をどっぷり浸けて啜るのが一番美味しい食べ方でした。
汁をどっぷり浸けて喉で食べてゆきます。
大人しい蕎麦に薄めの汁、上手くバランスが取れています。
啜る音も気持ちの良い程、蕎麦の方から飛び込んで来る感じの蕎麦。
薬味は葱と山葵。
残念ながら山葵は香りがありませんでした。ただ辛いのみ。
値段や店の規模を考えれば山葵に贅沢は言えません。
一寸きしめん率が高いようです。2〜3位でしょうか。
厚みがある程度あるので噛み応えが良く感じるのでしょう。
薄かったら噛み切る時に歯先から顎に感じる感触も小さくなってしまいます。
それに奥歯で噛みしめる時も潰す食感が楽しめません。
蕎麦湯は茹で湯そのまま。さっぱりした湯です。
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*文中の”きしめん率”は蕎麦打ちを研究されているたーさんが提唱する蕎麦断面縦横比率の評価単位です。1を理想とします。