引っ越しました [日常のなかで(Diary)]
いつも(二杯目)しろたま さる1号の蕎麦と甘味の探求記録に訪問くださり有難うございます
ついに二杯目も10Gを使い切りましたので三杯目を開設することになりました
二杯目同様、三杯目もよろしくお願いいたします
三杯目は→ここ(https://sal1v3.blog.ss-blog.jp)
結納式 [日常のなかで(Diary)]
10月10日、上の娘からLINEが着信
婚姻届を開き持っての婿殿とのツーショット鏡写真
無事入籍を済ませたそうな
で、今日の記事は結納のこと
本当は奥さんと映画を観に行った前日のことですので記事の順序が入れ替わってしまっていますが、これは10日に入籍をすると梅の娘が言っていたからそれに合わせました
結納は顔合わせ会と同じく福島で行おうと先方さんが郡山で探していたそうですが候補だった式場の予約が取れず、結局宇都宮のHOTELで行うことになりました
新幹線で宇都宮へ(アルコール提供があるかもという淡い期待をもって新幹線で^^;)
タクシーでHOTELまで行きましたが、タクシーなんて乗ったの何年振りだろう
仕事だといつもレンタカー、タクシーは使わないからね(経理がなんだかんだとうるさいので でもタクシーよりコストがかかってもレンタカーを使うと何の文句がないのです 実に不思議)
結納式のリハーサルを行って、内容を頭に入れたら結納式
ずらり並んだ結納品
目録(もくろく)・長熨斗(ながのし)・金包(きんぽう)・勝男武士(かつおぶし)・寿留女(するめ)・子生婦(こんぶ)・友白髪(ともしらが)・末広(すえひろ)・家内喜多留(やなぎだる)
無事結納式が終わったら会食です
今回は中華でした
アルコールはやはり提供不可^^;
式場に良さげな椅子があったので記念撮影
婿殿初公開(いいのかな・・・サングラス書いたからいいよね^^;)
上の娘と同年齢
昨年の春にウチに挨拶に来た婿殿
卒業早々なので直ぐにはできないけれど何は結婚をという婿殿に
「わかった だが花(桜)が三度咲くまでにはちゃんとするように」
と言ったもののどうなるのかなと思っていたけれど(武漢肺炎こと新型コロナの影響もあったし)
ちゃんと花が三度咲く前に答えを出したわけで
まぁ、これなら卓袱台はひっくり返せない^^;
結婚式は新型コロナの状況が読めず未定ですが入籍は10月10日にすると
絶対忘れない(覚えやすい)日付ということで選んだようです
それは大事なこと、自分も4月1日にしたおかげで忘れずにいられますから
上の娘の振袖姿はこれが最後なんだなぁ (´ノω・`*)
じゃぁ最後に父ちゃんとツーショットな
で、奥さんに撮ってもらいました(マスクを外すのを忘れた・・・まぁマスクしていればそのままUPできるからいいか^^;)
結納式も終え、結納の品を持って帰らないといけません
風呂敷に包んでもらえたのですが、このトラディッショナルな柄に感激
色もいい
この柄にはこの色が一番しっくり来ます
(ウチで風呂敷を見た下の娘もこの柄の風呂敷を見たのは初めてだと感激していました)
HOTEL内はハロウィン一色でした
すっかり定着してしまいましたねぇ
宇都宮駅で新幹線を待つ間、お茶をすることに
駅ビルの中のカフェに入ります
いちごの里カフェですから苺がいいのですが残念ながら季節じゃない
でも奥さんが奢ってくれると言いますからお茶だけにするのは勿体無い
で、季節のフルーツパフェをオーダー^^
ドリンクはアールグレイで
特別なフルーツは無いですが、いろいろ乗っています
グラスの底にはフレークがたっぷりの普通なパフェ
10月10日は自分のブログ開設の日
2009年の10月10日に最初の記事を投稿したのです
12年も続いたんだ
2009年といえば上の娘も下の娘も小学生だったからなぁ
当初、上の娘が度々コメントに書き込んできたので
父ちゃんのブログに書き込んではいけないって言ったっけな==)トオイメ
昭和が香る横浜西口狸小路で落語会 はな家寄席 23 [日常のなかで(Diary)]
秋分の日のこと
横浜駅は西口の北出口に近いところにある昭和が香る”狸小路”に行ってきました
夜が賑わうこの小路に昼間に行ったその目的は落語
この狸小路にある居酒屋さん、”はな家”で居酒屋寄席があるのです
いつもは寄席が終わると普通に居酒屋さんとして営業が始まりますが今回は居酒屋さんとしてはお休み、つまり寄席だけの為に灯が入っています(看板の灯は消えてるけれどね^^;)
会場時刻丁度に到着、いい席を取ろうと二階に行くと・・・・横壁に凭れられる自分の好きな席は埋まっていました
椅子に背もたれがないから壁際の席がいいのです
後ろ壁に凭れられる席が一席空いていましたのでギリで壁際の席をGET
SSブロガーのよーちゃんさんも既に到着
この日は二つ目の金原亭小駒さんの独演会でしたが、真打の金原亭馬玉さんも出演することに
<かわりめ>金原亭小駒さん
いつもの居酒屋で看板まで粘り、ぐでんぐでんに酔っ払って歩く男
吠えられた犬に説教していると俥屋に呼び止められた
「大将、俥(くるま)差し上げましょうか」
「おまえはそんな力持ちか、頭の上まで差しあげてみせてくれい」
「いえ、そんなんじゃありません 帰り俥ですから、お安くしておきます 乗ってくださいよ」
「やだ」
「そんなこと言わないでお願いします 大将を男と見込んで頼みます」
「なにぃ、男と見込まれちゃしかたないな 俥もってこい」
俥に乗った酔っ払い、でも行き先を言わない
「何処に行きます?」
「お前が乗せたのだから、好きな所にやってくれ、そうだ、お前の家に行こう」
「あっしの家に来たって面白くはないですよ では、とりあえず真っ直ぐ行きましょうか」
「真っ直ぐいいねぇ、そこの家壊して真っ直ぐ行けぃ 取りあえずかじ棒上げてみてくれ おい、一寸待った あの家へ『こんばんは』と訪ねてくんねぇ」
「知ってる家ですか?こんな夜中に知らないウチにそんなことしたら怒られますよ」
大丈夫だと酔っ払いが言い張るので仕方なく俥屋は戸を叩き『こんばんは、こんばんは』
「はぁーい、開いてますよ どうぞ・・・・・あらまぁ、随分へべれけで」
「この親方がお宅によっていくと言うもんですから・・・」
「この酔っ払い、あたしんとこの人よ おいくら? 何処から乗せたの?」
「何処から・・・っていってもね、お宅の戸袋のところから まだ俥が動ていないんです」
「まぁいやだ この人ったら俥屋さんをからかって・・・お手数掛けましたね」
「だから俥賃はいいんです」
「そんなこと言わず、これ、取って下さい」
困惑する俥屋に、男の女房は迷惑賃を手渡し亭主を家に入れる
「どうして家の前から乗るの」
「男と見込まれたから乗ったんだ 俥賃いらないと言ったのになぜやるんだ 稼いでも金がないと思ったら、お前がみんな俥屋にやるな」
「ずいぶん酔ってるね お寝なさい」
「寝ない 一寸こんなことやりたい」
「これってな~に」
「わかんねーか、酒だよ」
「そんなに飲んできて、その上まだ飲むの? そんなに酔っていては飲ませません」
「おまえはなぜ何時もキーキー言っているんだ こういうのはだな言い方ってものがあるだろ 例えばな、俺がけぇってきたら『お帰りなさい ずいぶんお召し上がりですが、外は外、内は内、私のお酌では嫌でしょうけれど一杯召し上がりませんか』と訊かれてごらん、もうよそうよ、となるんだ それをキーキーと飲んじゃいけねぇって言うんだ、そんな言い方されたらよ、飲む~っと言っちまうんだ」
「そ~ぉ?、ずいぶんお召し上がりですが、外は外、内は内、私のお酌ではいやでしょうけれど一杯召し上がったらどぉ」
「じゃぁ、飲もうか」
「騙したわね、もう遅いから、何にもないよ」
「いいよ、何か摘むものはないか」
「鼻でも摘んだら?」
「納豆の残った35粒あっただろ」
「ありません 食べちゃった」
「顔が曲がっちゃうだろ その言い方は そーいう時は『いただきました』と言うんだ」
「佃煮」
「いただきました」
「干物」
「いただきました」
「・・・・」
「いただきました」
「まだ何にも言ってない 香香は?」
「漬けてないの」
「生でいい 後から糠を食べて頭に石乗っけておく」
「仕方ないわねぇ 横丁のおでんを買ってこようか?」
「いいねぇ 直ぐに行きなさい」
あまりの我儘に根負けした女房は屋台のおでんを買いに行こうと支度を始めた
そうするとまた亭主の小言が始まる
鏡台の前で何やってんだ?誰もお前なんか見ちゃいない、化粧なんかしなくていいから早く行け、など言いたい放題
やがて女房は鍋を抱えて出て行った
女房が出かけ、一人っきりになった男
ポロリと独り言が出る
「しかし、つくづくいい女房だなぁ こんな飲んだくれの世話してくれて、器量だって悪くないし、お前にはもったいない女房だって皆が言うのも分かるよ 俺もそう思うもんな
イイ女だな、と思うけれどそんなこと言ったらダメなんだ 脅かしたりするが、心の中では『すまないな』と思っているよ どうしてこんな美人がもらえたのかと思うけれど、口では反対のことを言ってしまう
口では悪く言ってしまうけど、陰では詫びてるんだよ おかみさん、すいません あなたみたいな良い女房を持てたなんて本当にもったいないくらいで・・・ん?」
ふと脇を見ると、外に出て行ったはずの女房がまだそこに立っていて、じっとこっちの言う事を聞いていた
「そこで何やってんだ!未だ行ってなかったのか さっさと行ってこい!・・・・いけねぇ、元帳を見られちまった」
女房が出かけた後、ふと卓袱台を見るとお銚子が用意してあった
「あいつ、ちゃんと用意して待っていてくれたんだなぁ・・・折角だから頂こう ん?ヒヤか 俺、熱燗がいいのだがなぁ」
そこに屋台の饂飩屋が通りかかった
「おーい、饂飩屋~来てくれぇ」
「へーい、お待ちどう様 何をさしあげましょう」
「その前にお前、湯は沸いてるか?沸いてるならこれ熱燗にしてくれ」
うどん屋を家に呼び込みお燗をさせ、うどん屋にも無理に一杯飲ませ、友達の左官の留三郎の娘の婚礼の話を始める
商売を邪魔され、しょうもない長話しに商売上がったりのうどん屋は家から脱出する
「行たらいかん お~い、ちょっ と待て、まだ話の途中や~ 行たらいかん、お~い泥棒~盗人、逮捕するぞ~!」
なんて大声で喚いている
そこへおでんを買った女房が帰って来た
酒を飲んでいる男を見て
「あら、お酒わかったの? でもヒヤよ? あんた燗酒しか飲まないのに?」
「饂飩屋に燗つけてもらった」
「あらそう、あら饂飩食べたの?」
饂飩屋に酒のお燗をさせただけで饂飩を食べていないと聞いた女房、饂飩屋が気の毒で自分が食べると言い、饂飩屋を探した
「饂飩屋さ~ん、饂飩屋さ~ん」
それを聞いた通行人、「おい、饂飩屋、呼んでるで」
「呼んでるて、どこです?」
「向こぉの家やないかい」
「えぇどこの~、だぁはぁ~、あそこへは行けません」
「何で?」
「 いま時分に行ったら、ちょうど銚子の替わり目でございます」
ヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
<抜け雀>金原亭馬玉さん
小田原宿に現れた若い男、色白で肥えているが、風体はというと、黒羽二重は日に焼けて赤羽二重
紋付も紋の白いところが真っ黒という姿
客引きが大勢出ていたが、薄汚れた着物では誰も呼び止めなかったが、宿も終わりの頃袖を引いたのが、夫婦二人だけの小さな旅籠の主人
男は悠然と「泊まってやる ただ俺は長逗留するかもしれないし、酒も朝昼晩に一升づつ飲む 内金に百両も預けておこうか」と言った
その言葉に安心した宿の主人、宿賃は出発時でイイと言い、そこに泊まることになった
綺麗ではないが静かな二階の部屋に通され、得に構われもしないのが居心地が良くて長逗留
一日3升の酒を飲み寝てるだけ
亭主は納得していたが、奥を預かる女将さんは黙っていない
この辺でひとまず精算して貰えと亭主に言う
渋る亭主に、お前さんはこの客の前に18人連続して無一文を連れてきた19人目になったらどうするんだと責める
せめて内金に5両もらって来るようにと言いつけた
亭主、仕方なく内金をお願いしに二階へゆく
ところが男、「金はない」
「だってあなた、百両預けようと言った」
「そうしたらいい気持ちだろうと」
男は金の入る当ても、宿賃の抵当に入れる物も皆無と言って悪びれた様子もない
呆れて困った亭主「・・・あんたの商売は何です」
男は絵師だと言う
「抵当に絵を描いてやろう」
「絵はわからないですからイヤです」
男は新しい衝立に目を止めて「あれに描いてやろう」
「それは、あなたのひとり前の無一文の江戸の経師屋の職人が抵当に置いていったもの だめです 絵が描いていなければ売れるかもしれないんです それに絵を書いてしまったら・・・・」
嫌がる亭主に硯を持ってこい、水を入れずに持ってきてどうする?、水を入れろ
と、アゴで使って墨をすらせ、一気に描き上げた
「どうだ」
「へえ、何です?」
「おまえの眉の下にピカッと光っているのは何だ」
「目です」
「見えないならくり抜いて、銀紙でも張っとけ 雀が五羽描いてある 一羽一両だ」
これは抵当に置くだけで、帰りに寄って金を払うまで売ってはならないと言い置き、男は出立した
とんだ客を泊めたと女房は亭主にぼやき、朝になっても機嫌悪く起きてこない
亭主が二階の戸を開けると朝日が差し込み雀が鳴きながら外に出て行った
「可哀想に閉じ込めちゃってたんだな・・・はて?変だ、昨晩は戸は開けてなかったはず?」
と、ヒョイと見ると、例の衝立が真っ白
不思議がっていると外から先程の雀が戻ってきて何と絵の中に納まった
これが小田原宿中の評判を呼び、泊まり客がひっきりなしで、大忙し
とうとう藩主・大久保加賀守まで現れて感嘆し、この絵を千両で買うとの仰せ
しかし絵師が現れないと売れない
そんなある日、是非絵を見たいと初老の武家が訪ねてきた。主人は案内すると、「未熟だな」と一言
「心が定まらないから、この様な雀を描く この雀はな、止まり木が描いていないから、自然に疲れて落ちて死ぬ」
「それは困ります」
「では、止まり木を書いてやろう」
「だめです このままだと千両で売れるかもしれないのに、あなたが余計なのを書いてしまったら・・・」
「死んでもいいのか?」
「止まり木だけですよ 隅っこに小さくお願いします 余計なもの書かないでくださいよ いいですね」
心配する主人に硯を出せだの、墨をすれだのとアゴでこき使って
「さぁ、書けたぞ これでもう安心だ」
「あーっ、これ、止まり木だけじゃないじゃないですか、余計なものを書かなくても・・・これは何ですか?
「お前の眉の下に二つ付いてるのは何だ?見えぬなら・・・」
「銀紙でも貼っておけでしょ 一度言われてますんで あー鳥かごですかこれは、なるほど・・・」
翌朝、雀は餌を求めて飛び立って、ちゃんと戻って鳥かごに収まった
これがまた評判になって、再びお殿様が二千両で売ってくれと言い出した
主人は売りたいのだが、約束がある為に売れないでいた
そんなある日、仙台平の袴に黒羽二重という立派な身なりの侍が「あー、許せ 一晩やっかいになるぞ」
見ると、あの時の絵師
話をすると、お殿様に衝立を売ってもいいとの事で主人は大喜び、しかし、初老の絵師が鳥かごを書いていったと言うと男の顔色がみるみる変わった
絵師は二階に上がり、衝立の前にひれ伏すと「いつもながらご壮健で 親不幸の段、お許しください」
「どうしたんです?」
「いや、この鳥かごを書いたのは私の父だ」
「へええっ、ご城主さんも、雀を描いたのも名人だが、鳥かごを描いたのも名人だと言ってました 親子二代で名人てえなあ、めでたい」
「なにが、めでたいものか あー、おれは親不孝をした」
「いや、でも親不孝ではないでしょう むしろ親孝行ですよ」
「いやいや、衝立を御覧なさい 親をかごかきにした」
(・0・。) ほほーっ
ここで中入
中入の後は金原亭小駒さんが再度登場
<淀五郎>金原亭小駒さん
「渋団」といわれた名人、四代目市川団蔵は目黒に住んでいたので目黒団蔵とも呼ばれ、意地悪団蔵、皮肉団蔵とも呼ばれていた
市村座の座頭をしていて、屋号を三河屋
名人でございました
ある年の暮れ、市村座で「仮名手本忠臣蔵」を上演することになった
由良之助と師直の二役は座頭役で決まりだが、当時、塩冶判官をさせたら並ぶものがないと言われていた紀の国屋・沢村宗十郎が急病で倒れてしまった
狂言を変えようかという話も出たが、団蔵は首を縦に振らない
代役を立てなければならないが、急なことで代役がいない
団蔵は仕方ないので空いている役者を探し、宗十郎の弟子の淀五郎に白羽の矢を立てた
その沢村淀五郎は芝居茶屋の息子で、相中といわれる下回り役者
歌舞伎の世界では階級制度が厳しく、判官の大役をさせられる身分ではない
そこで急遽、当人を名題に抜擢する
淀五郎、降って沸いた幸運に大張りきり
初日、三段目松の廊下の刃傷を無事終えて、いよいよ、出物止めの四段目、切腹の場
中央に判官
短刀を腹につきたて、苦しい息の下、由良之助を待ちます
そこへ花道より由良之助が駆けつけ、主君の前で平伏し、最後をみとどけ、仇討ちを誓うという前半最大の見せ場でございます
団蔵演じる由良之助は、パタパタと花道を駆けてきたものの、花道の途中でぱたっと平伏したまま、一向に判官の方に近づこうとしません
あまりの淀五郎の下手さに
「なっちゃいないね 役者も長くやってると、こういう下手くその相手をしなきゃならねえ 嫌だ嫌だ」
と、そのまま花道で動かない
淀五郎がしきりと「由良之助、待ちかねた、近う近う」と呼んでも、花道に座ったまま、「委細承知つかまつってござる」と動こうとしません
舞台も終わり、淀五郎が団蔵に挨拶に行くと、団蔵は淀五郎をしかりつけます
「なんだい、あの演技は ひどいね あんな腹の切り方があるかい」
「どのようにすればよろしいのでしょうか」
「そうさな、本当に切ってもらおうかね」
「死んじまいますが」
「下手な役者ァ、死んでもらった方がいい」
ひどい言われようですが、なにしろ相手は格が違う
淀五郎も自分の未熟は分かっているので、家に帰って、あれか、これかと工夫して二日目に挑みますが、やっぱり花道の途中で座ったまま、団蔵は舞台の方にやってきません
こうなると淀五郎、つくづく嫌になり
「そうだ、本当に腹ァ切れというんだから、切ってやろう その代わり、皮肉な三河屋(団蔵)も生かしちゃおかねえ」
物騒な決心をして、隣の中村座の前を通ると、日ごろ世話になっている、これも当時名人の中村仲蔵の評判で持ちきり
どうせ明日は死ぬ身だから、秀鶴(仲蔵)の親方に今生の別れのあいさつしておこうと、その足で仲蔵を訪ねる
仲蔵、悲壮感をみなぎらせて真っ青な顔で訪ねて来た淀五郎が芝居がまだ二日目というのに
「明日から西の方に旅に出ます」
などと妙なことを言うので、問いただすとかくかくしかじか
切腹の場の一件、なるほどその噂は聞いていたので、悪いところを直してやろうと、その場で切腹の型をやらせて見るが
「あたしが三河屋でも、これでは側に行かないよ」
と、苦笑い
「おまえさんの判官は、認められたいという淀五郎自身の欲が出ていて、五万三千石の大名の無念さが伝わらない 判官が刀を腹に当てるとき、膝頭から手を下ろすと品がない」
などと、心、型の両面から親切に助言し、励まして帰す
一晩みっちり稽古して、翌日、一番で小屋に入り、今日は団蔵を叩き斬って自分も死のうと気負っていた
三段目、高師直・団蔵を本当に斬ってしまおうと思った
団蔵は本当に斬られるかと二度も思ったほどである
「あの野郎 どうして急にああもよくなったか おらァ、本当に斬られるかと思った」
こうなると四段目が楽しみになる 出になって、花道から見ると
「うーん、いい こりゃあ、淀五郎だけの知恵じゃねえな あ、秀鶴(仲蔵)に聞いたか」
淀五郎演じる判官が苦しい息の下、由良之助を呼ぶ声に応じて、これぞ名人というにふさわしい演技で、つつつ~と傍に駆けつけます
「御前」
淀五郎、花道を見るといないから、今日は出てもこないかと、がっかり
それでも声がしたようだが、と見回すと、傍に来ている
「うっ、う~ 待ちかねた~ッ」
(・0・。) ほほーっ
寄席の後は懇親会
一旦外に出て会場を居酒屋レイアウトに戻したら再び入店
まずはビールで
^^)/▽ ( ^^)/▽ 乾杯!
名物のおでんが登場したら日本酒に切り替えます
なみなみ、表面張力〜♪
〆の素麺までしっかりいただきます
素麺が美味しくておかわりをしてしまった^^;
日本酒を三杯程度に抑えましたから帰りは乗り過ごすこともなく、無事飲み会アイスを買ってうちに戻りました
(酒を飲んで帰るときはアイスを買って帰るのが我が家のお約束で飲み会アイスと呼んでます^^;)
今日は8時前に出社
べすちゃんでオフィスに行ったけれど
朝はちょっと風が肌寒かったな
道には金木犀の香りが結構漂っていました
朝の涼しさと金木犀の香りが秋らしくていいね
昭和が香る横浜西口狸小路で落語会 はな家寄席 22 瀧川鯉丸独演会 [日常のなかで(Diary)]
この日、横浜駅西口にある昭和の香りいっぱいの狸小路に来たのはお昼過ぎ
狸小路にある居酒屋さん、”おでん はな家”の2Fで落語会が開催されるのです
前回、前々回と緊急事態宣言やら蔓延防止云々やらでアルコールの提供は無し
それもようやく解除となったのですが、またまた緊急事態宣言
オリンピックに合わせるかにょうに再びアルコールの提供がご法度に
そんなご緊急事態宣言と緊急事態宣言の間のわずかな隙間の土曜日のこと
第22回はな家寄席が開催されました
お店の2F席が急ごしらえの寄席会場になります
今回は瀧川鯉丸さんの独演会
木戸銭は2500円(前売りだと2000円)、飲みホの懇親会も2500円
<道具屋>
神田三河町の大家・杢兵衛の甥っ子の与太郎
もう二十歳にもなるのに、働かないで遊んでばかりいるため、叔父さんは常にハラハラさせられている
「お前のお袋がな、『何か商売を覚えさせてくれ』と言っていたが…何かやるか?」
叔父さんは自分が『副業』でやっている"あること"をやらないかと提案した
「叔父さんの仕事知ってるよ、アタマに『ド』の字のつくやつだろ?」
「何だ、知っていたのか」
「うん、泥棒!」
「道具屋だよ…」
元帳があるからそれを見て、いくらか掛け値をすれば儲けになるから、それで好きなものでも食いなと言われて与太郎早くも舌なめずり
しかし…その品物というのがガラクタばかり
「その鋸はな、火事場で拾ってきた奴なんだ。紙やすりで削って、柄を付け替えたんだよ」
股引は履いて"ヒョロッ"とよろけると"ビリッ"と破れちゃう『ヒョロビリ』だし、お雛様の首はグラグラで抜けてしまう
唐詩選は間がすっぽ抜けていて表紙だけ・・・・といったものばかり
「まぁ、置いとけば誰かが買ってくれるよ 場所は蔵前の伊勢屋っていう質屋の前だ 友蔵っていう人が采配をやっているから、訊けば色々教えてくれる」
いわれた場所へやってくると、煉瓦塀の前に、日向ぼっこしている間に売れるという通称『天道干し』の露天商が店を並べている
「おい、道具屋」
「へい、何か差し上げますか?」
「おもしれえな そこになる石をさしあげてみろい」
道具屋はビックリ
「友蔵っていう野郎はいるか?」
「それなら私だ」
友蔵さん度肝を抜かれたが、「ああ、あの話にきいている杢兵衛さんの甥で、馬…」…と言いかけて口を押さえ、商売のやり方を教えてくれた
商売の方法を教わった与太郎は空いている場所に店を出した
最初にやってきたのは、威勢のよさそうな大工の棟梁
「おい、その"ノコ"見せろ」
「のこ…ノコニある?」
「"ヤリトリ"だよ」
「命の?」
要は『鋸』の事だった
棟梁は鋸を手に取り
「(焼きが)甘そうだなぁ…」
「(味が)甘いの?」
勘違いして鋸をなめ、渋いと答える与太郎
「違うよ 焼きが甘いって言っているんだ」
「焼きは甘くない しっかり焼けてるよ だって叔父さんが火事場で拾ってきたから」
棟梁はあきれて帰ってしまった
「あーぁ、"ションベン"されちゃったな」 と、見ていた友蔵さん
「しょんべん? 何時の間に?どこにされた…?」
「違うよ! 道具屋の符丁で、【買わずに逃げられること】を言うんだ!」
次に来たのは車屋
「"タコ"見せろ」
「蛸? 魚屋はそこの角を曲がって六件目…」
「股引の事だ!」
手にとるとなかなかいい品物なので、買おうとした
で与太郎が一言
「あなた、断っときますが、これは小便はできませんよ」
「できないって? だって、割れてるじゃねえか」
「割れてたってできません」
「できないと困るから要らないや」
これでまた失敗…
次の客は刀を見せろと言う
刃を見ようとするが錆びついているのか、なかなか抜けない
「反対側から引っ張れ 抜くのを手伝っれくれ 一・二の…サン!! ぬーけーなーい!」
「木刀だからね!! 」
「木刀と知っていて抜くのを手伝ったのか?」
「間違って抜けるかもしれないと思って」
「"抜ける物"はないのか?」
「えーと…あ、お雛様の首!」
「それは抜けん方がいいな。じゃあ、その鉄砲を見せい」
手にとると、なかなかいい品物だ
「これはなんぼか?」
「一本です」
「代じゃ」
「樫です」
「金じゃ!」
「鉄です」
「値(ね)は!?」
「ズドーン!」
(≧▽≦) ァハハハッ!!
<池田大助>(お奉行が佐々木信濃守になると佐々木政談という噺になります)
嘉永年間に南の町奉行へ、大岡越前守と言う方が職につきましたが、調べの上手な誠に活発な方で、御非番の時には色々、姿を変えて町を見回っていた
今日も、田舎侍と言う出で立ちで小紋の短い羽織を召して、三蔵と言う伴を一人連れて役宅を出て町を見回った
歩いていると、手習いの帰りにそのまま遊んでいるのか子供が大勢で遊んでいた
面白いので見ていると、十二、三の子供が荒縄で縛られ、大勢手習い帰りの子が見物する中、さっそうと奉行役が登場
これも年齢は同じぐらいで、こともあろうに大岡越前守と名乗る
奉行ごっこなどとはけしからんと怒る三蔵に「まぁ、子供の遊びじゃ 腹をたてるでない」と、お奉行
もっと近くで見ようと近寄るが、見張り役の子供が邪魔だとその本人を追い立ててしまう
怒る三蔵を宥めてこのまま見ていようとお奉行
色は真っ黒けで髪ぼうぼう、水っぱなをすすりながらのお裁き
なんでも、勝ちゃんというのが「一から十まで、つがそろっているか」ともう一人に聞き、答えられないので殴った、という
贋大岡越前守はすまして、
「さような些細なことをもって、上に手数をわずらわすは不届きである」
セリフも堂にいったもので、二人を解き放つ
”つ”のことを改めて聞かれると、
「一から十まで、つはみなそろっておる」
「だって、十つとは申しません」
「だまれ 奉行の申すことにいつわりはない 中で一つ、つを盗んでいる者がある いつつのつを取って十に付けると、みなそろう」
その頓智に、本物はいたく舌を巻き、その子を親、町役人同道の上、奉行所に出頭させるよう、供の与力に申しつける
さて、子供は桶屋の綱五郎のせがれ、当年十三歳になる大助
何処に行っていたんだ、手習いから一度家に帰ってから遊びに行けと親父が叱っているところに奉行所から役人が来た
役人はその子供の親かと確かめ、親、町役同道で南町奉行に出頭しろと言いつけた
一体何をしていたんだと大助に問う網五郎に大助は「お奉行ごっこやってただけ」
とんでもねえ遊びをするから、とうとうお上のおとがめだと、おやじも町役一同も真っ青
その上、奉行ごっこの最中に、お忍びの本物のお奉行さまを、子供らが竹の棒で追い払ったらしいと聞いて、一同生きた心地もしないまま、お白州に出る
ところが、出てきたお奉行さま、至って上機嫌で、大助に向かい、「奉行のこれから尋ねること、答えることができるか?どうじゃ?」
大助は、「自分は砂利の上に座り下に控えている 上下に座っていたのでは位負けするので、そこに並んで座れば答えられる」と答え、許しが出たので遠慮なく上に上がってしまった
親父と町役一同は、気でも違ったかとぶるぶる震えているばかり
奉行、少しもかまわず、まず星の数を言ってみろと尋ねると、大助少しも慌てず、「それではお奉行さま、お白州の砂利の数は?」
手に取ることができるお白州の砂の数が分からぬのに手に取れぬ星の数はわからないと
これでまず一本
「しからば、天に昇って星の数を数えている間に、白州の砂の数を数えておくが、如何か」
「そんなのはおやすいご用、でも初めて行くので、宿屋切手と案内人を付けてください」
またまた技あり
褒美にと三方の上に饅頭を山積みして、食べても良いと差し出す
父と母のいずれが好きかと聞かれると、出された饅頭を二つに割り、どっちがうまいと思うかと、聞き返す
唸るお奉行
饅頭が三宝に乗っているので「四角くても三方とは?」
「一人でも与力と言うがごとし」
「では、与力の身分は」
懐から起きあがり小法師を出して「これです」
「これとは?」
「身分は軽いが、御上のご威勢を笠に着てピンしゃんピンしゃんと立ちます その上、腰の弱い者です」
与力は下を向いてイヤな顔をしている
「それでは与力の心はどうか」
「天保銭を貸してください」その銭を、起きあがり小法師にくくりつけて放り出した
「銭のある方に転がっている」
ひどいすっぱ抜きで、与力が驚いたり、怒ったり
「座興じゃ、怒るでない」と、お奉行は座を納める
「綱五郎そちは幸せ者である
これだけの能力を桶屋で果てさせるのは惜しい 15才までそちに預けるが後は私が召し抱えて近従にさせる」とお奉行
後に池田大助の名で大岡越前守の筆頭秘書官となったという出世噺
(・0・。) ほほーっ
ここで中入り
<明烏>
江戸は日本橋の田所町の大店の大旦那、日向屋半兵衛さん。
お金持ちには悩みはないように思いがちですが、半兵衛さんにも一つ悩みがありました
それは一人息子の時次郎のこと
息子が不良で手に負えないという理由で悩む親は多いのですが、半兵衛さんの場合は違います
一人息子の時次郎が、極端に真面目過ぎる・堅すぎるというのが悩みなのです
時次郎は毎日部屋にこもり難しい本ばかり読み漁るような若いくせに堅物な若旦那
酒も煙草も女にも興味なし
将来は店を任せる跡取り息子、世間の常識や了見を学ばなければお客の心を掴めません
今日は読書の息抜きにお稲荷さまの参詣に出かけ、町内の人と一緒になりお酒を勧められたが飲めませんと断って、代わりに赤飯を三杯ごちそうになり、そして子どもたちが遊んで欲しいというので一緒に太鼓を叩いて遊んで来たと、おやじの半兵衛に得意げに報告する
いい歳して何をやっているのだと呆れる半兵衛さん
怒るわけじゃないがと言いながら、子供じゃないんだからお酒を勧められたら一杯ぐらいは付き合わないといけないと一寸お小言
父親の半兵衛さんとしては堅すぎる一人息子が心配で仕方がありません
案じた半兵衛さんは町内の札付きの遊蕩コンビの「源兵衛・太助」に相談し、倅・時次郎を吉原に連れ出して廓遊びを教えてやって欲しいと頼んだ
お金は全て日向屋持ち、「源兵衛・太助」は、時次郎を吉原に連れて行くという任務を喜んで引き受けた
時次郎はかなりの堅物で当たり前の誘い方では乗ってきません
吉原なんて言ったら必ず拒絶され断られるのは眼に見えています
そこで源兵衛と太助は一計を案じ、「浅草観音の裏手にある霊験あらたかなるお稲荷さんで、ご利益絶大で大繁盛のお宮に参詣し、日帰りではなくお泊りでお籠りをしましょう」と時次郎に言葉巧みに声を掛けた
「源兵衛・太助さんに観音様も裏手にあるお稲荷さんにお籠りに行こうと誘われましたが行ってもよろしゅうございますか?」
「観音様の裏手にお稲荷様?そんなのあったかな?・・・・源兵衛・太助が誘った?・・あっ、ああ、あったあったお稲荷さんね、私も若い頃は毎日お籠りにいったもんだ^^」と、半兵衛さん
「あそこのお稲荷さんはナリが悪いとご利益が無いからいい着物に着替えて行きなさい それとお賽銭が少ないとご利益薄いから十分なお賽銭を用意してな」
苦労人で息子思いの父親・半兵衛は、極上の着物と十分すぎるお賽銭(軍資金)を持たせ
「お稲荷さんに行く前に一杯飲むのがお約束だが、その支払いはな、手を打ってお勘定って言うような野暮なことはしないで、手洗いに立つふりをして階段を降りたらそのまま源兵衛・太助の分も一緒に払ってしまいなさい」
「後で割り勘にするのですね」
「そんなことするんじゃないお前が全部持てばいいんだ お稲荷さんに着いたらお巫女さん方へのご祝儀はおまえが全部払ってしまえ」と忠告し時次郎を花の吉原・廓初買いへと送り出した
さて、待ち合わせ場所
「あんな堅物、来やあしねえよ」という太助
「それが来るってんだよ 息子を遊びに連れてってくれなんて、粋な旦那じゃねえか」と答える源兵衛
そこに「観音様の裏手にあるご利益高いお稲荷様」へお籠りにと、時次郎がやって来た
いよいよ、堅物若旦那を大人にさせるべく、観音様の裏手、つまりは吉原の大門を潜るのだが・・・
大門を見た時次郎、ちょっと不審を抱きこれは何かと尋ねた
「この黒い門はこのお稲荷さんの鳥居です」と誤魔化す源兵衛
大門をくぐって吉原遊郭へ入った時次郎、周辺の様子を見て異常さに気が付き駄々をこねはじめた
源兵衛と太助はバレたら大変と思い、遊郭を「神主の家」、お茶屋を「巫女の家」、女主人を「お巫女頭」、見返えり柳は「ご神木」、と言いくるめ、世間知らずの堅物時次郎は、素直にお茶屋の二階へあがってしまった
お茶屋にあがったはよかったが、そのうち遊女たちが廊下を草履でパタパタと歩いているのを見てしまった
いくら堅物のウブでも、ここがどこで、何をする所くらいは書物で知っているので理解した
お篭りは嘘だという事に気づいた時次郎、泣いて駄々をこね帰ろうとする
源兵衛と太助は「大門には見張りがいて、入った人数と出る人数を帳面に書きとめている 三人連れなのに一人で帰ろうとすると怪しいやつだと止められる 勝手に逃げようとすると袋たたきにされますよ」と嘘を教えて怯えさせ逃げるのを諦めさせた
逃げることを諦めた時次郎
でも時次郎だけ座敷の隅で、メソメソそっぽを向いて俯いている
芸者連が来て賑やかな酒の座敷のはずが、お通夜みたいな空間になってしまった
こともあろうに、時次郎は「女郎なんか買うと瘡をかく」なんて場所柄をわきまえない禁句まで口走る始末
白けてしまう
で、早いことお引けと、いやがる時次郎をお巫女頭こと女主人が敵娼(あいかた)の待つ部屋へ引きずり押し込む
時次郎は、泣く泣く花魁と一夜を共にすることに
時次郎のお相手は今年18になる絶世の美女、全盛の花魁である浦里
そんな若旦那なら私がと浦里の方からのお見立て
(吉原初回に関わらず全盛花魁の浦里が相手に付くなんて日向屋って凄い大店なんですねぇ そんじょそこらの町人の息子にいきなり浦里クラスの花魁が付くことはないからね)
最初は嫌がり泣き叫び、花魁を近づけなかった時次郎、二度の大きな叫び声が聞こえた夜でしたが、海千山千の経験豊富な花魁が時次郎を上手に説得、自分のペースに引き込んで・・・・(以下自粛)
烏、カァで夜が明けて、「振られた者の起し番」で敵娼に振られた源兵衛と太助はぶつぶつ言いながら甘納豆をやけ食い
「そろそろ若旦那を起こしに行こうか、どうせ泣いているだろう」と太助が言うと、源次郎は「若旦那には花魁と過ごしたそうだ 昨晩、二度ほど男の悲鳴が廓中に響きわたったそうだぜ」
「へぇ~、そいつは面白い 冷やかしがてら起こしに行こう」
部屋に着いた2人、襖を開け衝立を退けるとそこには顔を真っ赤にして布団に潜ってしまう若旦那
花魁の魅力に若旦那はすっかり骨抜き
「結構なお籠りでした」なんて言う始末
そろそろ帰りましょうと言っても帰らない、「花魁、帰るように言ってやってください」
「若旦那、早く起きなんし」花魁がそろそろ帰るように言っても布団から出るそぶりがない
「若旦那、いけませんぜ 花魁も帰るように言っているのに、野暮ですよ」
「花魁は、口では起きろ起きろと言いますが、足であたしの体をぐっと押さえて・・・・」とノロケまで飛び出すほどの遊びの上達ぶりだ
「じゃあ、若旦那は暇な体、ゆっくり遊んでらっしゃい あたしたちは仕事があるので先に帰りますから」
「あなた方、先へ帰れるものなら帰ってごらんなさい 大門で止められます」
(≧▽≦) ァハハハッ!! (≧▽≦) ァハハハッ!!
寄席の後は懇親会
まずはドリンクを選びます
暑いですからまずはビール
(* ̄0 ̄*)ノ口 乾杯!
ビールを飲み干した後は日本酒です
なみなみ表面張力が素敵です
後は好きなだけどうぞと一升瓶を置かれたけれど、そんなに強くはありません^^;
昭和22年から続くおでん屋さんですから、まずはおでんから
皿によって中身が違うのが面白い
何れがいいかなぁ〜・・・・
まぁ、自分は卵さえ入っていれば文句はありません^^
欲を言えばあとガンモも欲しいな
この日の品々
最初に自分の大っ嫌いな落橋が いきなり現れて震えました
落橋、ダメなんですよ
キムチと一位を争うぐらい苦手なのです
あっ、三番手はモヤシね^^;
ここの煮込みは好物
醤油、塩、など味が日替わりなのですが、自分が一番好きなのはカレー味(カレー風味の塩って感じです)
これに巡り会いたくて偶に飲みに来るのですが今迄一度しか当たったことはありません
自分にとって幻の味
デザートはメロン
メロンで日本酒ってものオツですね
久しぶりにお店で飲んだものですから過ごしてしまいました
帰りはまっすぐ歩けないし・・・ 由\(@_+ ) ヒック!
ウチまでは横浜から東横に乗って1区
座っても1区だから寝る前に着くし大丈夫と座ったら・・・・気が付いたら1区乗り過ごし^^;
慌てて反対側ホームに行き戻ります
今度は座らないで立ったまま
腰もだいぶ良くなったので
今日は久々に鎌倉散歩に行こうかな
緊急事態宣言下で県境越え自粛ですが県内だから問題ありません
でも朝イチで出られず、ウチを出たのは10時
出た瞬間、あまりの暑さに立ち眩み
駅まで行きましたが暑さに挫折、Uターン^^;
暑さにめげるだなんて・・・今迄無かった事なのに
外出自粛が続いてウチに籠ってばかりでしたから暑さへの耐性が無くなったようです
でも、昼を過ぎたら少し風が出てきましたから鎌倉散歩にGO!
昭和が香る狸小路で居酒屋寄席 はな家寄席 番外編 [日常のなかで(Diary)]
横浜は西口にある狸小路
この狸小路にある居酒屋さん(おでん屋さん)”はな家”で奇数月に落語会が開催されます
前回の開催は5月でしたので次は7月なのですが、6月に番外編が開催されました
武漢肺炎こと新型コロナが蔓延し、緊急事態宣言が出される状況の中、居酒屋さんはアルコールの提供ができなくなりました
飲めない居酒屋さんに来る物好きなお客さんは世の中にそんなには居ません
なのでお客さんゼロの日も多いとか
そんな状態ですので景気付けに臨時で落語会を開催しようと話がまとまったのは前回のはな家寄席でのこと
6月19日、緊急事態宣言が解除される1日前のこと
昭和が香る狸小路に行ってきました
実はこの日、SSブロガーのよーちゃんさんの出演する蒔田寄席も開催されていて、どちらに行くか迷いましたが・・・お客さんゼロの日が続いていると言う涙なしでは聞けない状況に応援の意味もあって”はな家寄席”の方に顔を出しました
2Fの客席が寄席会場になります
この日は5月の会に引き続いて雷門音助さんの独演会
木戸銭は2000円で懇親会は2500円
当然ながら懇親会はノンアルのみ
お客さんは特に宣伝もしなかったのもあって6名のみ(蒔田寄席は7名だったそう・・・負けた//orz)
さて演目
この日は続き物をやってみようという話に
寄席の演目は他と被らないように決めるのが普通
でもとある寄席で、前半の部に”竹の水仙”が出ていたのに、某師匠は後半の部で”ねずみ”を
(両方とも甚五郎モノで)被ってますね?と訊いたら「話が続きだからいいんだ」と誤魔化されたと
でもそれって何だか面白いから一度やってみたいと思っていたそう
今回は番外編だし、お客さんも馴染みさんばかりだからやってみたいなと
甚五郎モノだと、京都から江戸に下る途中の宿場での”竹の水仙”→江戸に入って”三井の大黒”→江戸から奥州仙台に入って”ねずみ”となります
じゃぁ甚五郎モノで3席聴けるんだ
って声をかけたら”ねずみ”は未だ覚えていないと^^;
で、この日は”竹の水仙”と”三井の大黒”の二席と中入り後は寄席踊りという事に
<竹の水仙>
甚五郎は師匠の所で充分力を付けて、京の玉園に預けられた
京の御所から変わった物を彫るように依頼があり甚五郎がその時彫った物が「竹の水仙」
それが大層お褒めを得て、「左」官を許され日本全国に名が広まった
が、そんな事を自慢するような男でなく、京でブラブラしていた
江戸は駿河町の三井から運慶作の恵比寿様に対になるような大国の彫り物の依頼を受け100両で引き受け30両の前金を受け取った
しかし、仕上がり日は約束できなかった
玉園の許しを得て、見聞を広めることは良いことだと、30両の金を持って、寄り道回り道をしながら江戸に向かう
だが江戸の手前、東海道は神奈川宿に着いたときには無一文になってしまう
客引きが大勢出ていたが、薄汚れた着物では誰も呼び止めなかったが、宿も終わりの頃大黒屋金兵衛が呼び止めた
宿賃は出発時でイイというので大黒屋金兵衛の宿に決めた
綺麗ではないが静かな二階の部屋に通され、得に構われもしないのが居心地が良くて長逗留
一日3升の酒を飲み旨い物をいっぱい食べた
亭主は納得していたが、奥を預かる女将さんは黙っていない
この辺でひとまず精算して貰えと亭主に言う
渋る亭主に、お前さんはこの客の前に18人連続して無一文を連れてきた19人目になったらどうするんだと責める
亭主、仕方なく清算をお願いしに二階へゆく
勘定書きを見せると2両3分3朱、あれだけ飲み食いしてこの値段は安いと甚五郎、1朱足して3両にして渡すと言う
だが、掛け声ばかりで、現金が出る気配がない
出ないはずで金は無い
亭主、怒ったが無い袖は振れない
あああ、19人目かぁ・・・と半泣き
甚五郎は支払いの算段はついているので裏の立派な竹藪に切れるノコギリを持って一緒に来るようにと亭主に言い、そして孟宗竹をいくつか切り、それを持って二階に篭って「竹の水仙」を彫った
夜の夜中に出来上がり亭主を呼んだ
宿は朝が早いもの、亭主は夜中に起こされ不機嫌に上がってきた
見ると竹っぺらの先に丸い物が付いている
何だと訊くと「竹の水仙」だと言う
でもそれは蕾、どうせなら咲いた水仙を彫ればいいのにと亭主
甚五郎はそれには答えず、寸胴の竹の花生けに水をイッパイ入れてこれをさしておいて、宿の目立つところに掛けて売り物と紙に書いておくと買い手が付くからそれで宿代を払うと言う
亭主、騙されたような気持ちになるが言われた通りにした
朝日が差してきて、竹の水仙の蕾に日が差すと、蕾が開いて立派な花になった
香りも回り中に広がり何とも良い香り
早朝に、熊本藩主細川越中守の行列が通ったが、水仙の香りに殿様の駕籠が大黒屋の前で止まって竹の水仙を眺めていた
殿様は御側用人の大槻刑部を呼び、あの水仙を求めてこいと言い付けて、行列は本陣へ
残された刑部は硬いだけで世事が分からない
大黒屋に入り亭主に竹の水仙を売ってくれと値段交渉をする
亭主は2階に上がって値段をいくらにするのか聞くと甚五郎は2文や2朱では渡せない、指二本出して、200両だと言う
そんな値段を言ったら侍が激怒して何をするかわからないと怖がる亭主に、なに、怒ったって殴られるぐらいだから大丈夫だと言う
殴られるのは痛いし嫌な亭主、下に降りて刑部に正面切って言えないので、指二本出した
「2両か?、違う?20両か?」
200両だと言ったら「足元見るのもいい加減にしろ」と亭主を殴って怒って出て行ってしまった
二階に来て文句を言う亭主に甚五郎は「表に立っていろ あの御用人は、すぐに顔を真っ青にして戻ってくるから安心しろ 戻ってきて、頭を下げて『売ってくれ』と言うから」
「ホントかな~」
でも言われた通り表で立つ亭主
こちらは本陣
刑部は、本陣で休んでいた越中守に「買わずに戻ってまいりました」と報告した
「それほどに高価であったか で、いくらであった」
刑部が指を二本出すと「2万両か?」と話が合わない
200両だと言うと越中守は「200両なら安い あれだけの彫り物、あの竹の水仙は今世に名を轟かせる名人の左甚五郎が創った貴重なもので間違い無い 左甚五郎の竹の水仙はあの宿のものの他には京の御所にしかない また甚五郎は、いくら金を積まれても、気が向いた時にしか創らない」と言う
それを刑部が「200両は高い」として帰ってきたことに越中守は激怒し、「もう一度宿屋に行き、もし買えなかった場合は切腹、お家断絶を命ずる」と言ったため、刑部は大慌てで大黒屋へ駆け戻ってきた
表に立っていた大黒屋の亭主、大慌てでこちらに向かってくる刑部を見て驚く
殴られた腹いせでちょっと意地悪をする
亭主は戻ってきた刑部に売り切れの紙を出して、「もう売れてしまったから無い、300両払ってくれるなら売った先から買い戻して渡す」と言い、それでも買いたいと言うので驚いて刑部に訳を尋ねた
「お主も知らないのか? あの人は甚五郎先生である」と、言い300両払って竹の水仙を持って帰っていった
驚いたのは宿屋の夫婦
二人で甚五郎に謝りに行った
「あの竹の水仙は300両で売れました」
「?200両と言ったはずだが・・・そうか亭主は商売人、200両で仕入れて300両で売るのは商い人の常識 100両はそちらに こちらから50両は宿賃と迷惑料です」
「お願いがあるのですが・・・」
神奈川中の竹を仕入れるから竹の水仙をいっぱい創ってくださいと言う亭主を甚五郎軽くいなして
「竹に花を咲かせると、寿命が縮まる」
(・0・。) ほほーっ
<三井の大黒>
飛騨の名工・左甚五郎
伏見に滞在中に、江戸の三井(越後屋)の使いが来て、運慶作の恵比寿と一対にする大黒を彫ってほしいと100両で依頼される
何時できるかはわからないが催促はなし、出来上がったら連絡するという約束で受けた
手付に三十両も持って甚五郎は江戸に向けて出立した
ぶらりぶらりと東海道を江戸へ下る途中の某宿(神奈川宿だったり三島宿だったりします)で”竹の水仙”を彫り、やっと多摩川を渡り江戸に入った
江戸の神田八丁堀(八丁堀は日本橋だが昔は神田にも八丁堀があった)に来ると板囲いの普請場で、数人の大工が仕事をしている
のぞいてみると、あまり仕事がまずいので「へたで、ぞんざいだ」とつい口から出てしまった
これを聞きつけて怒ったのが、血の気の多い大工連中、寄ってたかって袋だたき
そこに棟梁の政五郎が来て収めてくれた
政五郎に職業を訊かれ、「上方の番匠(ばんじょう=大工)」と答えると、他の職業の人なら地面に頭を擦り付けてでも謝らなくちゃいけないところだが、ウチの若いのも悪いが、同業を悪く言ったおまえさんもよくないと、たしなめられた
「うん、そりゃよくない だから黙って殴られてた」と甚五郎
呑気な人だと呆れる政五郎
まだ居場所が定まらないなら、何かの縁だからあっしの家においでなさいと、勧められた甚五郎
「かみさんが居たら先に相談した方が良いし、結果離縁話しになるよ」と言う
「絶対そんな口は聞かせない、そんなこと言いやがったら叩き出す」と威勢のいいことを言う政五郎に甚五郎しきりに感心する
そんなこんなでその日から日本橋橘町の政五郎宅に居候することになった
ウチに連れて帰ってカミさんにも紹介
とにかく口が悪いので、政五郎夫婦は面食らうが、当人は平気な顔
出身地を聞くと生国は飛騨の高山だと言う
「飛騨の高山は腕の立つ大工の多くが居る所で、そのうちでも有名な日本一の名人、我々の世界では神様とも言われる甚五郎先生のところだ 同郷なので知っているだろう」と政五郎が尋ねるのに「会ったことは・・・あるかな^^;」と甚五郎
「どんなお人だ?」
「まぁ、大したことない」
「身近にいるとそんなふうに思ってしまうものなのかな・・・そういえばお前の名前は何だい?」
名前を聞かれたが、名人だの神様だのと言われて自分が甚五郎だとは言いづらくなった甚五郎、「さっき頭を殴られた時に忘れてしまった」と、誤魔化した
名無しでは困るので政五郎は若い衆に名前をつけさせた
若い衆は、名前を忘れるような間抜けじゃぁしょうがないと、ちょっと間抜けた感じの名前の”ぽんしゅう”と名付ける
其れはいくら何でも酷い名だと言う政五郎に「わし、”ぽんしゅう”好きだ 一度”ぽんしゅう”になりたかった」と甚五郎
「おい本当かよ この野郎ぽんしゅうでいいとよ じゃあおい、ぽんしゅう!」
「あいよ」
「あ、返事してやがる」
翌朝、ぽんしゅう(甚五郎)は政五郎に借りた道具箱を小僧に担がせ昨日の藍染川の仕事場に出向いた
小僧に「何をやれは良いのか聞いてこい」と聞きにやらせると若い衆は「名前を忘れるようなあんにゃもんにゃには下見板を削らしておけ」
これは小僧上がりの仕事なので、大工の作法を知らないと、むっとしたが、棟梁への義理から腹に納めた
板を削る下働きを担当することになったぽんしゅう(甚五郎)は、3時間ずっと鉋を砥いでいた ようやく削った2枚の板を重ねると、「おい、これを剥がしてみろ」
板はぴったりと重なり、力自慢の大工が満身の力を込めても一向に剥がれない
「剥がれないよ 髪の毛ほどのムラも無いからな どうしても剥がしたいのなら凄い力のある人が拝むようにずらしながらやれば何とか剥がれるかもしれないが、間から火が出て火傷をするよ」
驚く大工たちを尻目に、ぽんしゅう(甚五郎)は棟梁の家に帰ってしまった
若い衆から話を聞いた政五郎、ぽんしゅうに小僧の仕事、板削りをさせたとは生意気だと怒鳴りつけた
誰だってそんな仕事はいやだから、具合が悪いと口実付けて帰ってくるのは当たり前だと、若い者の無作法をしかり、「離れないのは板にムラがないからで、これは相当な名人に違いない」と悟った
ぽんしゅうに若い者の無礼を詫び、気が向くまで2階で、寝ていて良いと言った
寝ているのは大好きだとぽんしゅう(甚五郎)、何もしないでずっとゴロゴロ
起きてくるのはご飯の時だけ
「おかずは何だ?今日も鮭か?鰤は無いのか?富山の鰤は美味いぞ」
食事ごとにこんな調子
そうなると、女房は愚痴りだし、ぽんしゅうを追い出さないのなら離縁してほしいと言い出した
やはり、そうなったかと精五郎
女房に納得してもらい、ぽんしゅうに2階から降りて来てもらった
「お前さんも分かったと思うが、江戸では表向き100人の職人の手が掛かっていると思っても80人しか掛かっていない 反対に上方では100人の所150人掛かっている 江戸は火事早いから手が掛けられない 三年に一度建て替えるつもりで建てるような始末だ 丁寧さよりも早い仕事が求められるから腕ある人が更に腕を磨ける場所じゃ無い 腕を磨くなら上方で仕事をした方が良いのじゃないかな」と勧めた
「ただ今直ぐだと手が足らない状態なので辛い 春までは居て欲しい」と言うことで春まで居ることになった
しかし春まで遊んでも居られないので、暮れの市用にアルバイトで、踏み台、ゴミとり、など作ったらと勧めたがぽんしゅう(甚五郎)は乗り気にならない
「それでは彫り物が出来るだろうから、恵比寿・大黒等はどうか」と言われて甚五郎は三井との約束を思い出した
ぽんと手を打ち「やらしてもらいたい」と、ぽんしゅう(甚五郎)
それから細工場に二階を借り、備州檜のいいのを選ぶと、さっそくこもって仕事にかかる
二階で食事も睡眠も取らず、一心不乱に何かを作っていた
数日後、ぽんしゅう(甚五郎)は小僧に仕事を頼みたいと政五郎に言い、小僧に手紙を持たせてどこかに使いにやらせた
そして湯に行ってくると出かけた
甚五郎が風呂へ行っている間に政五郎は数多く彫りあがっているだろうと部屋をのぞいてみたが、何処にも無い
あるのは風呂敷に包まれたものがたった一つ
開けてみると3寸(9cm位)近い大きさの大黒様
素晴らしい出来栄えに目を見張る「これは・・・ぽんしゅうは只者じゃ無いな」
丁度日が差してきて日に当たったその大黒が目を開けニャっと笑ったように思えた
そして政五郎は訳もなく涙が溢れてきた
そのとき、下から呼ぶ声
出てみると、駿河町の三井からの使いが来たと
「こちらにご逗留の甚五郎先生から手紙で、大黒さまができたと知らせを受けました」
政五郎、やっと腑に落ち
「なるほど、大智は愚者に似るというが」
と感心しているところへ、当人が帰ってくる
風呂から帰った甚五郎に、水くさいというと、甚五郎も日本一だの神様だのと言われたので、名乗る事が出来なくなってしまい、申し訳ないと詫びた
甚五郎、代金の残り70両から、お礼にと、政五郎に50両渡した
甚五郎は「恵比寿さまになにか歌があったと聞いたが」と三井からの使いに尋ねると
三井の使いは「阿波の雲慶先生には恵比寿さまに『商いは濡れ手であわのひとつかみ』という句をいただきました(「濡れ手で粟」とは苦せず利益を得るという意味のことわざ そして「粟」と「阿波」、「一掴み」と「一つ神」がかかっている) つきましては先生の大黒さまにも下の句をつけていただけませんでしょうか」と願うので、甚五郎がすらすらと「守らせたまえ二つかみたち(恵比寿に大黒が加わるので「二つ神」 上の句と同じ掛け方で「二掴み」とし、さらなる商売繁盛の祈願ともなる)」
と短冊に書き添えると、いっしょに三井に贈ったという、甚五郎伝の一節
(・0・。) ほほーっ
この後の噺の”ねずみ”によると甚五郎、春になっても上方に行かず政五郎のところにずっと居候していたようですね
2代目の政五郎と一緒に仙台の鼠屋にも行っているし
落語の後は懇親会
何時もは2F席を元に戻して懇親会会場にするのですが、この日は1F席が懇親会会場
どうせOPENしていてもお客さん来ないからね^^;
(通常は1Fが禁煙席、2Fが喫煙席となります)
ノンアルだけれど
( ・∀・)っ凵凵c(・∀・ ) カンパーイ
う巻きに鰻ざく、蒲焼と鰻づくしは嬉しいけれどノンアルなのが。。。。
おでん屋さんではおでんを食べないとね^^
ミニサイズのおでんの盛り合わせ
おでんには熱燗が欲しいよね
ご飯は刺身をおかずにして
食べ終えたら京急に乗って黄金町へ
伊勢佐木町のライブハウスにやってきました
SSブロガーのよーちゃんさんは蒔田の演芸会で落語を一席やった後はここでライブだそう
何とハードなスケジュール
蒔田演芸会の方に行っていたkinkinさん、まこさん、Rchoose19さんとも合流しました
ライブの後は隣の中華屋さんで晩御飯
そんなに食べられないって^^;
朝、目覚めたはいいけれど起きられない
こっ、腰がぁ〜><
寝るときは何ともなかったのに・・・
寝ている間にぎっくりをやらかしたらしい
我ながらなんて器用な
しかもかなり酷いレベル
歩くのも連続10歩が限界
仕事、できるかなぁ・・・
この日も出張
とてもまともに仕事ができそうもない
予定を延期して休みたい
でも延期するのはいいけれど代わりに何時にするかが問題
この先、予定はびっしり詰まっていて二ヶ月先じゃないと入れられない
今迄三ヶ月も待ってもらっていて更に二ヶ月なんてとても言えない^^;
で、頑張って行ってきました(電車なんて無理だから車でね)
出張先が近場で八王子だったのはラッキー
見るに見かねたお客さん、鞄を持ってくれたりとVIP待遇^^;
来週もハードだけれど大丈夫かなぁ
昭和が香る横浜西口狸小路で落語会 はな家寄席 21 [日常のなかで(Diary)]
横浜西口の狸小路にある居酒屋さんの2Fで落語会が開催されるのですが・・・
開催のチラシは路地の入り口にずっと貼ってありましたが、緊急事態宣言が延長となってしまうような状況で中止になるんじゃないかと心配しました
オフィスに出社した帰りに寄って開催か否か確認したぐらい^^;
(この時は飲んで帰るつもりでしたがノンアルしか無いとのことで焼きトンと煮込みをお持ち帰りに)
無事開催ということで、この日はランチを済ませたら狸小路へ
会場は1947年からのおでん屋さん、”はな家”です
この日は雷門音助独演会
木戸銭は2000円で懇親会は2500円
ノンアルしか出せない懇親会なのですが、それはそれでブログネタになりそうですから懇親会も参加することに
2F席がこのように寄席になるのです
武漢肺炎こと新型コロナの感染防止対策で席の間隔は広めで窓は解放
開場時刻と同時に来て壁際の席をGETしました(もたれられて楽だからね)
そしてSSブロガーのよーちゃんさんも合流
<高砂や>
八五郎が、質両替屋・伊勢久の婚礼に仲人役を仰せつかった
伊勢久と言えば財産家
長屋住まいの八五郎が仲人とはちと不釣り合い
でもこれには、訳がある
若旦那のお供で深川不動に参詣の帰り、木場の材木町辺を寄り道した
若旦那、とある材木屋の娘にひとめぼれ
八五郎が一緒にいて娘との恋の橋渡し、仲を取り持った八五郎が婚礼の仲人を頼まれたという訳
一旦は断ったがどうしてもと言われ引き受けるも、よくよく考えてみると羽織袴なんて持っていない
そこで八五郎、隠居の所に羽織袴を借りにきた
「お前が仲人かい それは目出度い で、婚礼はいつだい?」
「それが今晩で」
隠居から羽織袴に草履まで貸してもらい、さらには奥さん用に婆さんの若い時の着物も貸してもらった
借りたついでに仲人の心得を教えてもらった
「婚礼が終わってお開きの時、ご祝儀をやらなきゃいけない」
「幾らほど包めばいいんで?」
「そうじゃない、謡だ 仲人ともなればご祝儀に『高砂やこの浦舟に帆をあげて』ぐらいはやらなくてはいけない」
と隠居にさとされる
謡などとは、無縁の八五郎はびっくり
隠居に教えてもらうことに
「”高砂やこの浦舟に帆を上げて、月もろともにに出で潮の・・・、だが婚礼の席で出るはいけないから、入潮の・・・・・早や、住吉(すみのえ)に着きにけり”だな、謡うとこうだ」
隠居は親切にも稽古をつけてくれる
「♪たあかぁさぁごやぁ~このうらふねにい~ほをあげてぇ~・・・」
謡の調子がおかしくて笑っている八五郎に、隠居は「お前のため、お前が恥を掻かないようやってるのに笑うやつがあるか やって見ろ」
まことにごもっともで、八五郎さは挑戦するが、「た、た、た、た、た、たか、たか、たか、高砂や・・・」
声は出ないし覚えられない八五郎
「たか、たか、かた、かた、かた・・・」、啄木鳥が木をつついているようになったり、都都逸風になったり、突然、大声を張り上げて婆さんがびっくりして表へ飛び出しそうになったり、と、全く声が出ない
困った隠居は、「豆腐屋の売り声のような調子やってみな」とアドバイス
「とーふー」と声の調子を試した八五郎、その後は何とか声が出た
「高砂や この浦舟に 帆を上げて」まではやれたが後が覚えられない
隠居は「ほんの頭だけうたえば、あとはご親類方がつけるからそこまで謡えればいい」と八五郎を送り出した
さて本番
仲人はしっかり者の八五郎のかみさんが仕切って滞りなく進み披露宴も終盤
「お仲人様、今晩はご苦労さまでございます お開きにいたしますので、恐れ入りますが、どうか一つご祝儀を」と言われた
婚礼中はかみさんが上手く立ち回って、八五郎は恥を掻くこともなかったが、出番がなく手持ち無沙汰
なので待ってましたとばかり八五郎は立ち上がって、「ではやらせていただきます」
大丈夫なのかと心配するかみさんをよそに「♪とぉふぅ~」と声の調子を試した後
「高砂やぁ~この浦舟に帆を上げてぇ~」とやった
しばらく待つが誰もあとをつけてくれない
仕方なくもう一度「高砂やぁ~この浦舟に帆を上げてぇ~」とやった
親戚方から「どうぞお先を」と言われ
「あとはご親類方で」と言うと
「親類一同不調子で、仲人さんどうぞお先に」と言われてしまった
焦る八五郎、この後は知らない、どうしようもなくなって
「高砂やぁ~この浦舟に帆を上げてぇ~」
「上げっぱなしじゃ困りますよ」
「高砂やぁ~この浦舟に帆を下げてぇ~」
「下げちゃ、だめですよ」
「高砂やぁ~この浦舟に帆をまた上げてぇ~」
すっかり半泣きの八五郎
「高砂や~、この浦舟に・・・助け舟ぇ~」
ヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
<星野屋>
星野屋の旦那は弁天山の下の茶店「すずし野」のお花を囲っていた
ある日のこと、旦那がお花のところに現れ今日限りに別れてくれと言う
「で、ここにな、まぁ手切れと言ぅては何やけれども、五十両といぅ金があるさかい、これでわしとキッパリとこぉ切れてもらいたいんや」
「んまぁ~、どぉあそばしたんでございます? 急にお越しになられて、何の話かいなぁと思たら別れ話どすか? 何で? はっはぁ~、そぉか、先の御寮人さんがお亡くなりになられて、七回忌も済まされて、いよいよ新しぃお嫁さんをお貰いになる で、わたしのことが邪魔になるさかい別れよと、こぉいぅわけ? それで手切れに・・・」
「いや、そうやない 昨夜帳簿を改めていたら知らぬうちに家も店屋敷も一切が他人の手に渡ることになったんや うちの番頭な、あいつの仕業や わしが彼奴のことを信じて任せっきりにしていたのが悪いのだが まぁこうしたわけでわしは来月には一文無しや お前を囲い続けられなくなった この金は何とか持ち出したものや」
「あらまぁ・・・それで旦那さんはどうなさる」
「若ければやり直すこともできようが、もうこの年齢では気力もないわ かといって世間様から”あれが星野屋の成れの果て”と後ろ指さされるのも辛い 潔くこのまま大川に飛び込もうと思ってな」
「わたしはこんなお金が欲しぃて、旦那のお世話になってきたんやございません 旦那に心底惚れてりゃこそ、今日までお世話になってきたんやございませんか こんなお金で別れてくれやなんて水臭い、いっそのこと一緒に死んでくれと言ってください 私も旦那なしでは生きれいられませんから一緒に死にます」
そんなこんなで心中する約束をしたお花に旦那は死ぬ前に片付けておくこともあるだろうからと八つ頃にまた来るからと言い残して帰った
勢いで心中すると言ったものの死にたくはないお花だが八つに迎えにきた旦那と一緒に身投げの名所、吾妻橋まで来た
二人して橋の上から川を覗いている
「深そう、飛び込んだら死んじゃいそうだから浅瀬で飛びこみましょうよ」と、ぐずるお花を横目に「あっ、人が来た 先に行くぞ」と、旦那はドブンと飛び込んでしまった
「旦那ぁ~、気が早いんだからぁ」
川底を眺めるお花、大川に浮かぶ屋形舟から「さりとは狭いご料簡、死んで花実が咲くかいなぁ 楽しむも恋、苦しむも恋、恋という字に二つはない」と一中節の「小春」の一節が聞こえてきた
お花、途端に死ぬのが嫌になってしまった
「そうだよね、死んで花が咲かないよね 旦那~、おっかさんもいるんで、ここで失礼しま~す」と、こんな失礼な事はない
一時の感情の高ぶりで一緒に死ぬと切り出したものの、お花の方は恐くなって家に帰って来て、タバコを一服していると、重吉が尋ねてきた
「星野屋の旦那が来なかったか」
「いいえ」と知らん顔を決め込もうとするお花に重吉は言う
「知らないならいいんだよ ただね、今夜はおかしいんだ 眠れないで、トロトロとしていたら、雨も降っていないのに枕元にポタポタと水が滴り落ちる なんだろうと思って、ふと上を見ると、 ずぶ濡れで血だらけの旦那が恨めしそうな顔で、『お前が世話してくれた女だが、一緒に死ぬと言うから、吾妻橋から身投げしたのに、あの女は帰ってしまった あんな不実な女だとは知らなかった これから、毎晩、あの女のところに化けて出て、取り殺してやる』 と言うもんだからね、ちょっと気になって・・・何も無かったんだな じゃあ単なる夢か、なら帰るから」
「チョット待っておくれよ」
お花は怖くなって心中崩れの一件を白状した
「どうか、化けて出ない方法はないかね」
「それだったら、髪の毛を切って、今後雄猫一匹膝に乗せませんって、墓前に供えたら旦那も浮かばれるだろう」
余程恐かったのか、お花は裏に入って髪を切って、頭には姉さん被りをして出てきた
ぶっつり切った緑の黒髪を重吉に渡す
重吉は見事な黒髪を褒めながら「これなら、旦那も浮かばれるだろう」
「浮かんでくれますかなぁ」
「いやいや、この黒髪、よぉ切りなすったなぁ、成仏しはります、しはりますとも、しはりまっせ 何やったら、本人に聞けばいい 旦那、星野屋の旦那 もぉ入って来てもよろしぃで」
そこに死んだはずの旦那が入ってきた
「あら、旦那!」
「旦那はな、お前を家に入れたくて、俺のところに相談に来たんだ 一緒に飛び込んでいたら、旦那は泳ぎは名人だし、橋の下には5艘の舟と腕っこきの船頭がいて、お前に水の一滴すら飲ませずに星野屋に入れるとこだったんだ」
「それならもう一回行きましょう」
「旦那、こういう女なんだ 大事にしている髪の毛を切ったので我慢してください」
「フン、そんな髪なら、いくらでもあげるよ それが本物の髪の毛だと思っているのかい それはカモジだよ」
「旦那、こんな女でっせ、こんなん家に入れんでよろしおましたなぁ おいおいおい、そぉして今のうちに笑ろとけ笑ろとけ、なぁ、お前なぁ、その五十両わずかなりとも手ぇ出してみぃ、すぐにお縄になるぞ」
「お縄になるって、どぉいぅことさ?」
「どぉいぅことも糞もあるかい、その小判は、芝居のときに使う贋金じゃ」
「ちくしょう、どこまで企んでんだ こんな金返すよ」
「ははは、本当に返しやがった 偽金なんて話は嘘だよ これは本物の金だ 偽金だったら旦那が先に捕まってしまう」
「ちくしょう、どこまで企んでんだ おっかさん!あれは本物だってよ」
「私もそうだと思って、3枚くすねておいたよ」
。・゚・(。つ∀≦。)・゚・。ギャハハ!
ここで中入り
中入り後にもう一席
<人形買い>
最近五節句は祝わなくなったが、雛祭りと端午の節句は今も祝います
端午の節句には、ちまきか柏餅を祝い事だと云い配ると、その返礼だと人形を贈り、それに対して返礼をするという習わしがあった
長屋の神道者の赤ん坊が初節句で、ちまきが配られたので、長屋中で祝いに人形を贈ることになった
月番の甚兵衛が代表で長屋二十軒から二十五銭ずつ、計五円を集め、人形を選んでくることになったが、買い方がわからない
女房に相談すると、「来月の月番の松つぁんは人間がこすからいから、うまくおだてて一緒に買いにいってもらいな」と言う
甚兵衛さん、松つぁんのところに言って頼んだはいいが、馬鹿正直な甚兵衛は女房の言ったことを全部しゃべってしまい松つぁんは渋い顔
でも甚兵衛さんじゃ仕方ないと行きがかり上、しかたなく同行することになった
しかし転んでもただで起きない松つぁん、人形を値切り、浮いたお金で二人で冷や奴で一杯やる腹づもり
人形屋に着くと、松つぁんは値切るつもりだからまずは店主の気分をよくしようと人形を褒める
「どの人形も生きているようだ、いい人形だ」と褒めると甚兵衛さんも一緒になって、「あの階段脇の暖簾から顔を出している人形は鼻水を垂らして生きているようだ」
あわてて、「あれは当店の小僧だ」と弁解する店主
松つぁん、なんだかんだと店主をうまく丸め込み、これは縁つなぎだから、この先なんとでも埋め合わせをつけると、十円の人形を四円に負けさせることに成功
これで1円浮いた
候補の人形は豊臣秀吉のと神宮皇后の二体で、どちらに決めないといけないが此処では決められない
それは長屋にいるうるさ方の易者と講釈師の判断を仰がないと後がめんどくさいから
長屋でどちらか選んで、残った方は持って帰ってもらうことにした
そこで、さっき甚兵衛が汚い人形と間違えた、青っぱなを垂らした小僧に二体を担がせて店を出る
ところがこの小僧、とんだおしゃべりで、この人形は実は一昨年の売れ残りで処分に困り、だんなが「店に出しておけばどこかの馬鹿が引っかかって買っていく」と吹っ掛けて値段をつけた代物で、あと二円は値切れたとバラしたから、二人はまんまとだまされたとくやしがる
その上、若旦那が女中おもよに言い寄るシーンを話し、この先を聞きたかっらた十銭おくれと言う
出さないと言うとタダでも喋るといって話し出す
こういう話は大好きだと喜ぶ甚兵衛さん
長屋に戻ったらまず易者のところに行った
易者にどちらが良いか伺いを立てると、卦を立てると言い出した
「本年お生まれの赤さんは金性 太閤秀吉公は火の性で『火剋金』で相性はよろしからず 神宮皇后さまは女体にわたらせられるから、水性 水と金は『金生水』と申して相性がよい 神宮皇后になさい」
というご託宣
二人が喜んで帰ろうとすると、
「見料五十銭置いていきなさい」
「お金取るんですか」
「易者に卦を立てさせたらお金がいるのは当たりまえ」
仕方なく五十銭置いて出た
これで酒二合が一合に目減りとなった
次に講釈師のところへ行くと
「そも太閤秀吉という人は、尾州愛知郡百姓竹阿弥弥助のせがれにして幼名を日吉丸・・・・」
と、とうとうと「太閤記」をまくしたてる
「それで先生、結局どっちがいいんで」
「豊臣家は二代で滅んだから、縁起がよろしくない 神宮皇后がよろしかろう」
それだけ聞けば十分と、退散しようとすると
「木戸銭二人前四十銭置いていきなさい」
これで冷や奴だけになったと嘆いていると
「座布団二枚で十銭」
これで余得はなにもなしとがっかり
神道者に人形を届けにいくのだが、甚兵衛さんは松つぁんに届けてきてほしいと言う
「届けに行くのは月番の役目、お前が今月の月番なんだからお前が持ってゆかないでどうする」
それは当然だ
でも自信がない甚兵衛さん、松つぁんに後ろに居るだけでもいいから一緒に来てくれと頼み込む
で、二人して届けに行った
人形を渡したは良いが甚兵衛さん、裏の事を全部しゃべってしまう
それでも神道者は
「お心にかけられまして、あたくしを神職と見立てて、神宮皇后さまとはなによりもけっこうなお人形でございます」と喜んでくれた
そして「そもそも神宮皇后さまと申したてまつるは、人皇十四代仲哀天皇の御后にて・・・・」
と講釈を並べ立てだしたから、松つぁんあわてて
「待った待った、これ以上手持ちはありません 講釈料は長屋へのお返しからさっ引いてください」
ヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
落語会会場だった2F席のレイアウトを変えると懇親会会場になるのです(って言うか、元々の状態に戻すだけ)
飲み物は当然のことながら全てノンアル
一杯目はハイボールテイストにしてみました
アテに出てきたのはモツ煮におでん・・・・ノンアルだからかいつもより品数は少なく、量も少なめ
二杯目はノンアルビールにしましたが・・・・ノンアルって苦しいですね
頼んだものの二杯目を飲むのが苦しい
お腹がいっぱいなのです
アルコールだとどんどん食べて飲めるのに、ノンアルだとお腹が苦しくなってしまうのは何故でしょうね
不思議です
鰻にご飯と吸い物とくれば・・・・
今日は久々の在宅勤務
一歩も外に出ていません
なのでどうにも体がシャキッとしない
港が見える丘公園と山下公園で春薔薇散歩 [日常のなかで(Diary)]
富山出張から戻った翌日のこと
朝目覚めると窓には青空が広がっています
鮮やかさに誘われて窓を開けると爽やかな風が部屋の中へ
なんて気持ちがいいのだろう
薫風に包まれながらの二度寝、凄く幸せな気分^^
窓に目が行く度に青い空に外に行こうと誘われているかのよう
折角のいい天気
バイクに乗って・・・・と思いましたが、ここ暫く触っていないのでメンテするのが先
走るのはまた今度
今日は近場に散歩に行きましょう
今は春薔薇の時期
ならば”港が見える丘公園” と”山下公園”のローズガーデンで薔薇撮りがいいね
遅めの朝ごはんをサクッと済ませたらカメラをバッグに詰めて出かけます
ベスちゃんに乗っていくのがいいかな
ベスちゃんのスタンドをおろし、エントランスを押してゆきます
そしてマンションの前のスペースでスタンドを立てて・・・・あれ?
ネジが飛んだ
調べたらセンタースタンドの取り付けのボルトが抜けています
ナットを知らないうちに落としてしまったよう
センタースタンドがかなりグラグラ
こりゃベスちゃんで行かない方がいいかも
帰ってから直すことにして、電車で出かけます
元町へ電車で行くのは久しぶり
元町中華街駅を降りたらアメリカ山公園の方へ
いえね、こっちのルートだと階段をのぼらなくていいから
エスカレーターでそのままアメリカ山公園に行かれるのは魅力的
階段を避けるだなんて年齢とったなぁ^^;
アメリカ山公園からのんびり歩きながら港が見える丘公園へ
沢山咲いているだろうと思ってはいたけれど思った以上のボリューム
満開も満開
特に大好きな黄色い薔薇がいっぱい咲いていてちょっと嬉しい
開き過ぎた花は少なく、いいタイミングで来た感じ
このローズガーデン、数年前に改装されたのですが、改装前の方が良かったと何時も思っていました
昔の方がボリュームがあったと
薔薇の香りも昔の方が強かったように思います
でも今年のボリュームには満足
毎年進化しているのですねぇ
香りは昔の方があったとは思うけれどね
ワザとらしい薔薇の花弁の♡があるのはご愛嬌
何にでも♡つくればいいという風潮、これってどうかなぁ
そしてイギリス館前のローズガーデンから山手111番館の裏手のローズガーデンへ
毎年、春薔薇と秋薔薇を撮りに来ると山手111番館の下で薔薇ソフトを食べていたのですが、今日は食べる気になれずスルー
だって・・・・結構値上がりしていたし
それが何か癪で
それに結構密だったのもあって
次は大佛次郎記念館の方に移動
大佛次郎記念館の前のローズガーデンもなかなかいい感じ
イギリス館前のロースガーデンよりも空いているのがいい
薔薇のcorridorがお気に入り
通路の角にあるベンチに座ってのんびりと薔薇を見上げます
此処のベンチは意外と競争率が高くはありません
まったりできるのがいい
昨年はローズガーデンは新型コロナのせいで立ち入り禁止でしたからねぇ
今年もどうなるのかと心配しましたが、普通に見られて良かったです
今年も立ち入り禁止では悲し過ぎますから
それにしても武漢肺炎こと新型コロナは収まりませんねぇ
終息どこらか変異株で出まくって何がなんやら
感染拡大防止に優等生だった台湾までも陥落した感じだし
ワクチン接種も始まりましたが、どうなんでしょう
変異株のにも効くのかな
副作用は・・・・
ちょっと心配
港が見える丘公園の次は山下公園のローズガーデンへ
此処も昨年は閉鎖でしたね
柵越しに撮った記憶が^^;
今年は柵はありませんが、入口と出口は明確に分けられていました
一方通行だそう
出口にには警備員を配置して入り口から入ってくださいと逆走を見張っています
入り口は出口と反対側正面、ちゃんと消毒用アルコールも用意され、警備員も配置位されて案内しているのですが・・・
でも、横の出入り口はフリーパス
なんだかなー^^;
空港なんかの水際対策なんかもきっとこんな感じなのでしょうねぇ
何もかもがユツユルのザルザル ーー;)
こんな状況で大きな運動会って本当にできるのかなぁ
山下公園のローズガーデンも満開
見事に咲き誇っています
今年は皆に見てもらえて良かったね
ちょっと雲が出てきました
お腹も空いたしウチに戻ります
一応外食自粛でなので
尤も出張に行けば常に外食だから今更だけれど
昼ごはんの後はベスちゃんの修理
ボルト&ナット類を買ってきてスタンドを組み付け直します
スプリングワッシャー入っていないんだ
流石イタリア製^^;
で、組み直しでちゃんとスプリングワッシャーも挿入
勤務先からは極力在宅勤務にするようにとのお達し
オフィスに出るときも滞在時間は最小限にするようにと
こんな状況だと出張の時以外は引き籠もり
休日も遊びに行く気にもなれなくて引き籠もり
そうなるともれなくコロナ太りに
C国め、このコロナ太りをどうしてくれるんだ(怒
内臓脂肪がヤバすぎる〜><
きっとフォアグラ状態なんだろうなぁーー;)
緊急事態宣言解除で県境越え 千鳥ヶ渕の桜と靖国の桜 [日常のなかで(Diary)]
昨年の桜の時期は武漢肺炎こと新型コロナが流行りだしてなんやかんやと大騒ぎが始まった頃
この時は夏になれば新型コロナも終息するだろうと根拠のない予想をしながら桜の人気スポットへ行くのを諦めました
来年見ればいいやと
ところがどっこい、新型コロナの奴は日本の夏の高温多湿の環境でも生き残り、それどころか元気に活動続けているときたもんだ
冬の環境でも夏の環境でも活動するとは根性あり過ぎ、随分とタフなウィルスです
タフ過ぎ、しかも変異するからタチが悪い
一年もしたら新型コロナなんて皆忘れているさ、なんて思っていたのですが現実は今もマスクが手放せません
感染者は減らず年が明けてから再度の緊急事態宣言
2月7日迄の予定から一ヶ月延長され、更に延長して21日まで
なんとか桜の満開の頃にかからずに解除になって一安心
休日の県境越えを自粛していましたが(仕事では普通に県境は越えていますから意味あるのかは疑問ですが、一応ね^^;)緊急事態宣言が解除になりましたから休日も県境を越えましょう
で、満開のタイミングに合わせて千鳥ヶ渕に行ってきました
いくら緊急事態宣言が解除されたとは言っても蜜は避けたい
人の多い場所はリスク高いですからね
なので週末は避けて平日に行ってきたのです
実は・・・・・
開花時期が予想された時から作戦を練っていたのです
開花は15日ぐらいだって?
開花から10日前後で満開
となれば満開は25日辺りでしょう
ならば26日に休みを取ってしまえばいい
スケジュール調整やらなんやら
26日に休めるよう全力で調整
年度末ですが何とか休める状態に
(正直なところ満開になるのは4月になってからの方が有難いなぁ・・・年度末に休みとるの大変だし)
そして26日、桜の状況を調べてみると千鳥ヶ渕は満開の表示
うん、よし、狙い通り
休みを取っていますが起きてからは普段と同じ行動
奥さんに休みをバレる訳にはいきません
バレたら最後、何かしらの用事を言い出してきますから
奥さんは人の休暇を潰すことが趣味じゃないかと思うぐらい邪魔をしてくるのです
奥さんの勤務先は都内ですから自分より早くウチを出ます
そういう時はそれが実に有難い
奥さんが出かけた後はまったり寛ぎます
出かけないのかって?いや、通勤ラッシュの時間帯には行きません
蜜は少しでも避けたいですからね
まったりしていると下の娘が一言
「今日は在宅勤務?」
「いや、休み、休みを取った」
「何故?」
「満開だからさ」
「なんてホワイトな^^; 」
9時になれば通勤ラッシュも無いでしょう
出かけます
東横線から半蔵門線に乗り換えて九段下へ
九段下の駅を降りると卒業式があるのか袴姿の女子学生がいっぱい
あと体にフィットしていないスーツ姿の男子学生も
やはり袴姿ってのはいいな
スーツ姿じゃ面白く無い
真新しいスーツ姿や袴姿をかき分けて千鳥ヶ渕緑道へ
狙い通りガラガラ、なんと歩道を逆走することもできるぐらいに空いています
そして桜は満開
よく見れば十分ちょい手前って感じですので日曜日ぐらいが真の満開かもしれません
尤も日曜日の天気予想は雨でしたが
満開ちょい手前から満開って感じですので花吹雪はなく、当然水面に花筏はありません
でも雲ひとつない青空が広がっていい気持ち
休みを取った日にほぼ満開&晴天だなんて持ってるなぁ
桜を撮るのにいいスポットの展望台(ボートの上のとこ)に来ましたが・・・・・ゲートが閉まって立ち入り禁止
なっ、なんと
確かにここは密になる場所だけれど・・・・
桜の時期に閉めてしまうなんて何て意地悪な><
入れないなら仕方ありません
でもそうは言ってもやはりこのポイントで撮りたい
頑張って背伸びして柵越しに撮ろうと頑張ります
爪先立って脹脛が攣りそう〜><
背が低いのってこういう時不便
170切ってるからねぇ
柵越しに撮っていたら脹脛がピクピク^^;
まぁ、低いのは遺伝だから仕方ないけれど
さて此処からはUターン
何時もなら混雑で緑道を逆走なんてできませんが、これだけ空いているから大丈夫
レンズを標準ZOOMから超広角ZOOMに付け替えて来た道を戻ります
ボートが実に気持ち良さそう
水面近くから見上げる桜、綺麗でしょうねぇ
乗ってみたいけれどボート行列は凄いでしょうね
そんな行列に並ぶのは嫌だな
でも乗ってみたいなぁ・・・・
ボートを漕ぐカップルを羨ましげに見下ろしながらぼーっと桜を眺めて
奥さん誘って乗れって?いや、奥さんとはちょっと^^;
ボートの上でギャーギャー喧嘩になるだろうし
そもそも誘った地点で喧嘩腰で返事してくるからね
なんだろうあの性格
どこまで相性悪いんだっていう・・・・ーー;)う〜む
緑道を往復したら昼近く
インド大使館が近いせいかカレーの匂いが漂って来てお腹がぐぅ〜っ
カレーの匂いを嗅いでしまったら最後、体はカレーモードになってしまいます
ランチはカレーに決定ですね
体がカレーモードになった以上、体を裏切る訳にはいきません
そうそう、神保町はカレーの激戦区
ランチ先はインドカレーだけじゃなく欧州カレーからも探してみましょう
でもランチの前にもうひとつ桜を
で、やって来たのは靖国神社
此処まで来てスルーすることはできません
特に桜の季節はね
まずはお参り
境内の桜を楽しんで
開花宣言の基となる標本木
五輪咲いたら開花だそう
満開と言っていても満開ちょい手前だなと思う時もあって不思議に思っていましたが、八割方咲いたら満開宣言が出るみたいですね
八分で満開だったんだ・・・・九分とか、もうちょっと咲いてからだと思っていました
時折くる心地いい風に舞い落ちる桜花が輝いて素敵です
今の時代の戦闘機よりこの頃の戦闘機の方がロマンがあるなぁ
子供の頃、プラモ作るのはレシプロエンジンの戦闘機ばかりでした
さぁて、お昼ご飯
どこでカレーを食べようかな
いろいろ調べて神保町に向かいます
つづく・・・
一時期記事在庫が底をつきかけましたが
今はまた在庫が溜まってきました
FIFOを守りたいのですが
季節ネタはそうは言っていられません
桜優先で出していかないとね
で、塩漬け記事が増えてゆく^^;
大雨の日の落語会 横浜西口・狸小路 はな家寄席 [日常のなかで(Diary)]
13日の土曜日、この日は午後から大雨
春雷も派手に鳴り響いています
そんななか向かった先は横浜西口にある昭和が香る狸小路
新しい駅ビルができてからアクセスは一段と楽になりました
JR横浜タワーの出口の真前が狸小路
狸小路の小径に屋根があったら大雨でも傘はいらないんじゃないかな
今日は狸小路のおでん屋さん、はな家で第19回はな家寄席が開催されるのです
今回は瀧川鯉丸さんと金原亭小駒さんの二人会
木戸銭は2500円、飲みホの懇親会も2500円
13時半開場で13時半に行きましたが、人気の壁際席は残り一席
なんとかGET
居酒屋の2階席を使っての寄席ですから椅子に背凭れが無いのです
疲れるから凭れたい
で、壁際が人気に
14時、定刻通り開演
雨音がめっちゃ大きく噺家さんの声も負けじと大きくなります
<今明竹> 瀧川鯉丸さん
ある日、松公が店番をしていると、不意に雨が降ってきて一人の男が雨宿りに寄ってくる
男に「軒を貸してくれ」と言われ、「屋根の軒を持って行かれる!」と勘違いした松公、慌てて代わりに傘を貸してやった
そのことを聞いた叔父さん、松公の勘違いとは思わず、親切と思って褒めるが、松公が貸したのが自分が買ったばかりの高級な蛇の目傘だと知ってあ然
その上、相手の男が何処の誰かも分からない通りすがりと知ってあきれかえる
「そういう時は、傘はみんな使い尽くして、バラバラになって使い物にならないから、焚き付けにするので物置へ放り込んであると断るんだ」
叔父さんがお説教して奥へ引っ込むと、今度は向かいの家の人が「鼠が暴れて困るのでお宅の猫をお借りしたい」と言ってきた
松公、「猫はバラバラなって使い物になりませんから焚き付けに・・・」
後からそれを知った叔父さん、頭を抱えて叱る
「猫なら『さかりがついてとんと家に帰らなかったが、久しぶりに戻ったと思ったら、腹をくだして、そそうがあってはならないから、マタタビを嘗めさして寝かしてある』と言うんだ」
次にやってきたのは出入りのお店である大和屋の番頭さんで、「旦那様(叔父さん)に鑑定(骨董品の目利き)を依頼しに来た」と言う
松公、「家にも旦那が一匹いましたが、さかりがついてとんと家に帰りませんで・・・」
後からこれを聞いた叔父さん、びっくり仰天して大和屋にすっ飛んでいく
そこへまた一人の男がやってきた
上方者らしいが、開口一番、
「わて、中橋の加賀屋佐吉方から参じました。先度、仲買の弥市の取次ぎました道具七品のうち、祐乗、光乗、宗乗三作の三所物。並びに備前長船の則光、 四分一ごしらえ横谷宗岷小柄付きの脇差、柄前はな、旦那はんが古鉄刀木と言やはっとりましたが、やっぱりありゃ埋もれ木じゃそうにな、木ぃが違うておりまっさかいなあ、念のため、ちょっとお断り申します 次は、のんこの茶碗 黄檗山金明竹、ずんどうの花活け 古池や蛙飛び込む水の音と申します、あれは、風羅坊正筆の掛け物で 沢庵、木庵、隠元禅師はりまぜの小屏風、あの屏風はなあ、もし、わての旦那の檀那寺が、兵庫におましてな、この兵庫の坊主の好みまする屏風じゃによって、かようお伝え願います」(この部分はメッチャ早口で所々しか聴き取れません 演者としては聴き取らせるようなレベルだとダメだそうで、なおかつある一言は解るようにしないといけないとか)
と、ここまで一息に用事の口上を述べ立てた
松公は意味が分からず呆気にとられていたが、面白がって「もういっぺん言っておくれ」と頼む
上方者の使いも律儀な奴で、またも口上を述べ立てるが、何しろ相手は松公であるから、意味もわからず早口を面白がるだけで何度も言わせる
騒いでいるとようやくおかみさんがそれに気づき、松公の代わりに話を聞こうとするが、何しろ骨董符丁だらけの早口な上方弁、やはり何を言っているのかわからない
結局同じ話を何度もさせられた上方者は、疲れてクタクタになってしまい
嫌になってさっさと言うだけ言って帰ってしまった
さて、何のことだったのだろうとおかみさんが首をひねっていると叔父さんが帰ってきた
誰か来なかったかと訊かれ、さっきの『上方弁』の話をしようとするが、わからない人間に報告されて内容がわかるはずもない
「仲買の弥市が気がふれて、遊女が孝女で、掃除が好きで、千ゾや万ゾと遊んで、終いにずん胴斬りにしちゃったんです 小遣いがないから捕まらなくて、隠元豆に沢庵ばっかり食べて、いくら食べてものんこのしゃあ。それで備前の国に親船で行こうとしたら、兵庫へ着いちゃって、そこに坊さんがいて、周りに屏風を立てまわして、中で坊さんと寝たんです」
「色情狂か? 全然分からないな。どこか一か所でも、はっきり覚えているところは無いのか?」
「えーと・・・・確か、古池に飛び込んだとか」
「飛び込んだァ!? あいつには道具七品が預けてあるんだが、どうなった!? 誰か買ったのか?」
「いいえ、買わず(蛙)・・・」
(≧∇≦)アハハッ
<穴蔵(穴泥)> 金原亭小駒さん
暮れも押し詰まって、金の算段に出かけたが手ぶらで亭主が帰ってきた
たった3両が工面出来ないのかと「豆腐の角に頭をぶつけて死んでおしまい」と罵られ、喧嘩して家を飛び出した
だがその算段は出来る訳はなく、夜寒の町をすきっ腹をかかえてあてもなく歩いていると立派な蔵が有る商家の庭先に出た
バタンバタンと音がして、見ると裏木戸が開いている
物騒だから教えてあげようと中に入ると、祝い事でもあったのか座敷には酒と料理が片づけられずに残っている
あまりの空腹に背に腹は代えられないと男は残り物と冷酒をがつがつと飲み食いし始めた
酒の勢いでだんだん大胆になってきた男は、「酒飲めばいつか心も春めいて借金取り(鳥)もうぐいすの声」、なんて都々逸なんか歌いながら一人酒盛りで盛り上がっている
誰もいないなんて不用心なといいながら飲んでいると、やっと一人歩きができる程の子供が屏風の影から顔を見せた
その子供をあやしながら後ずさりしていると踏み板がちゃんとハマっていなかったのか穴蔵に落ちてしまった
座敷に戻って来たこの家の旦那、穴蔵の底で男が「こんなところに突き落したのは誰だ!」、なんてわめきちらしているのでびっくり、泥部が落っこちたと思った
だが孫の誕生日の祝の席なので縄付きを出すのは縁起が悪いと鳶の頭を呼びにやった
あいにく頭は出かけて居ず、留守番の”平公”が駆けつけてくれた
「あっしの背中はこっちが上り龍でこっちが下り龍、泥棒なんか怖くはないし、ふんじばって叩き出してやる」と自慢し、逃がしてしまって惜しいことをしたなどと言って泥棒はもう逃げたものと思い込んでいる
「子供のお祝いの日だから縄付きは出したくない、お前さんが中に入って泥棒を抱き上げて欲しい」と旦那に言われて途端に尻込みしだした
「えぇ? まだ、中に居るんですかぃ・・・・(穴蔵にに向かって)これから降りていくからなッ」
泥棒にされてしまった男も「降りて来い ふくろっぱり(ふくろはぎ)を食い千切るからな」と牙をむいている
平公は「旦那、ここは柔らかいから・・・」と、上り龍も下り龍も見かけに寄らず、からっきし意気地が無い
「1両やるから、穴蔵に降りてくれ」と旦那
1両で少し元気づいた平公が「金なんか関係ないが、降りていくぞッ」と言うと
穴蔵の底からは 「降りてきてみろ 股ぐらにぶら下がって、グルっと回って引きちぎるぞ」と凄いことを言っている
「旦那、ああ言ってますよ」、またまた怖じ気づく平公に旦那は
「それでは、2両だすから」と上積みしてくれた
平公は「一両やるから上がって来い」と、せこい譲歩案を提示したが穴蔵の下の男は「両足をつかんで股をピィーと裂いてやるから下りて来い」と、提案を真向から拒否
あくまで徹底抗戦の構えだ
平公はすっかり弱気になって旦那に「あっしはご免こうむって」とすっかり逃げ腰になった
「それでは、3両あげましょう それで降りておくれ」と、旦那
「旦那が、3両下さるのだ、今降りるからな」
「なにぃ~、3両くれる! それなら降りてくんな! 三両なら俺の方から上がって行く」
(≧∇≦)アハハッ
ここで中入り
<長屋の花見> 金原亭小駒さん
貧乏長屋の一同が、朝そろって大家に呼ばれた。
みんなてっきり店賃の催促だろうと思って戦々恐々
なにしろ、入居してから二十年、一度しか店賃を入れていない者もいれば、親の代から払っていない者も
凄いのは「店賃てな、何だ?」と言うものもいれば、「店賃?まだもらっていない」と逆に貰うつもりでいる奴も
おそるおそる皆で大家さんとこに行ってみると
「ウチの長屋も貧乏長屋なんぞといわれているが、景気をつけて貧乏神を追っぱらうため、ちょうど春の盛りだし、みんなで上野の山に花見としゃれ込もう 玉子焼きと蒲鉾、酒も一升瓶三本用意した」
と、大家さん
それを聞いて一同大喜び
ところが、大家さん言うには
酒は実は番茶を煮だして薄めたもの
色だけはそっくりで、お茶けでお茶か盛り
玉子焼きと蒲鉾も偽物
「本物を買うぐらいなら、無理しても酒に回す」
と大家が言う通り、中身は沢庵と大根のコウコ
毛氈はムシロ
店賃を払っていない弱みもあり、まあ、向こうへ行けばがま口ぐれえ落ちてるかもしれねえと、情なくもさもしい料簡で出発した
初めから意気があがらないことはなはだしく、でも上野の山に到着
桜は今満開で、大変な人だかり
毛氈のムシロを敷いて、
「一つみんな陽気に都々逸(どどいつ)でもうなれ」
と、大家さんが言っても、お茶けでは盛り上がらない
誰ものみたがらず
蒲鉾を食う段になると
「大家さん、あっしゃあこれが好きでね、毎朝味噌汁の実につかいます」
「練馬の方でも、蒲鉾畑が少なくなりまして・・・うん、こりゃ漬けすぎですっぺえ」
玉子焼きは
「尻尾じゃねえとこをくんねえ」
あまりの盛り上がらなさに月番が大家さんに景気よく酔っぱらえと命令され
ヤケクソで「酔ったぞッ オレは酒のんで酔ってるんだぞ 貧乏人だって馬鹿にすんな 借りたもんなんざ利息をつけて返してやらぁ でも悔しいから店賃だけは払わねえ」
「悪い酒だな どうだ、灘の生一本だ」
「宇治かと思った」
「口あたりはどうだ?」
「渋口だ」
一人が湯のみをじっと見て
「大家さん、近々長屋にいいことがあります」
「そんなことがわかるかい?」
「酒柱が立ちました」
(≧∇≦)アハハッ
<お見立て> 瀧川鯉丸さん
喜瀬川(きせがわ)花魁は商売を忘れて正直者、いえ、わがまま
野田から来る杢兵衛(もくべい)大尽が部屋で肩すかしを食っている
相方の花魁は杢兵衛が大嫌いだが、夫婦約束をしている仲
それはお金がない時に融通して貰った時、お礼に優しい言葉をかけただけ
一方の杢兵衛大尽、喜瀬川にメチャ惚れ、ベタ惚れのバカ惚れで、嫌われているのをまったく気づかず、年季が明けたら、「夫婦(ひぃいふう)になる身」なんて勝手に思っているから始末におえない
花魁はあの顔を見ただけで虫酸が走って熱が出てくるぐらいだが、そこは商売、「なんとか顔だけは」と、廓の若い衆が頼み込むが、そうは言われても嫌なものは嫌
「いま病気だと、ごまかして追い返しとくれ」と花魁
若い衆は「花魁は病気で出られない」と言うが杢兵衛大尽、いっこうにひるまず
「なぜ明け方近くこんな事を言うのだ 『待っているから直ぐ来ます』と言っておきながら、入院しているとは何だッ」
「事が事だけに、黙っていようかと思いましたが、正直申し上げました ですからここには居ません」と
一生懸命に弁明する若い衆
「それではお見舞いに行かなければならない その病院は何処だ」
「ウッ・・・・、吉原の法によってお客様に教える事が出来ません」
我ながら上手い事を言ったものだと、胸撫で下ろしたが杢兵衛大尽も食い下がる
「兄が国元ら来たと言って合わせろ」
と言いだす始末だ
なにしろ、ばかな惚れようで、自分が嫌われているのをまったく気づかないから始末に負えない
で、めんどうくさくなった若い衆
「実は花魁は先月の今日、お亡くなりになりました」
と言ってしまった
「なに?!おっつんだ!」
「死んだとは言えず、入院とごまかしておりましたが、御内所で本当の事を言って良いといわれ、辛い事ですが申し上げます」と、涙声で訴えた
こうなれば、毒食らわば皿までで、
「花魁が息を引き取る時に『喜助どん、わちきはこのまま死んでもいいが、息のあるうちに一目、杢兵衛大尽に会いたいよ』と、絹を裂くような声でおっしゃって」
と、口から出まかせを並べたものだから、杢兵衛は咽び泣き
「どうしても喜瀬川の墓参りに行く」
と言って、きかない
「それで、墓はどさだ」
「えっ? 寺はその、えーと」
遠い場所を言えばいいものを、咄嗟のことで山谷と言ってしまった
山谷は近所、墓参りに行くことになってしまった
どうしようと花魁に相談に行く若い衆
「バカだねぇ~、そんな近いとこ・・・同じ言うなら、肥後の熊本とか北海道の旭川とか言えばいいのに 行っておいで 好きなお寺で好きなお墓を案内してあげな」
と依然、ふてぶてしく、しゃあしゃあしている
若い衆は杢兵衛大尽と山谷に来た、が「どの寺にしよーかな」なんてやりだす始末
適当な禅寺に入り、線香と花を大量に買い込んだ
戒名を花と線香の煙で見えにくくする作戦だ
墓場に入っていい加減に、この墓が喜瀬川花魁の墓だと言って、墓石の回りを花で埋め、線香を松明のように焚いて墓石を煙に巻く
杢兵衛大尽、ホロリとして手を合わせた
狼煙のような線香の煙と花の間からひょういと戒名を見ると「○○○信士 天保三年」、男の墓だ
「オイ、これは違うぞ」
「すいません、隣でした」
「煙をそんなに立てるな・・・喜瀬川、隣で聞いていただろうが・・・、?ん?「○○○童子」?これも違う墓だ」
「さらに隣です」
「今度の墓は・・・、ちょっと待て、先に改めてからだ なんだ、『陸軍上等兵』? いったいぜんたい喜瀬川の墓は何処だ」
「へえ、よろしいのを一つ、お見立て願います」
(≧∇≦)アハハッ
寄席の後は懇親会
まずはドリンクを選びます
外は大雨ですが換気のため窓を開けていてちょっと肌寒い
なのでビールは敬遠
初っ端から日本酒でいきましょう
まずはこれだけのアテが並びます
左上からCWに、大っ嫌いな辛いやつ、刺身に手羽中の煮たの、里芋の山賊焼、たらこの炊いたの、ポテサラにオクラ
赤い辛いのは食べられないなぁ
(* ̄0 ̄*)ノ口 乾杯!
喉が渇いていたようで、妙に進む進む^^;
日本酒って記憶なくすから注意しないとね
噺家さんの裏話などを肴にぐびぐび
日本酒って美味しいね
追加のアテもどんどんやってきます
こっちもどんどん追加・・・って言うか、飲み終えてふと気づくと満杯になっているし^^;
少し飲みすぎてしまって、ちょっとウトっとしてしまったかな
ふとテーブルを見ると雑炊が出ています
でも自分の前には無いし・・・
食べたかったなぁ、雑炊
飲んだ後の炭水化物ってめっちゃ美味しいんだよね
寝てたからパスされちゃったのかな
なんて思いながらiPhoneの画像を見てみると・・・
えっ(;゚ Д゚) …!?
最初にあった鶏とは違うのとか焼売の画像があるし@@;)
これ、食べたのかなぁ・・・・記憶ないし^^;
絶対食べている
自分がこんな風に写真を撮っておきながら食べないわけがない
ちゃんと雑炊の写真もありました
確実に食べているよ、これ^^;
やっぱ日本酒って記憶飛ばすなぁ
(; ̄ー ̄A ...
懇親会も終わり、外は雨もあがりました
東横線に乗って帰ります
近くだから乗り過ごすこともないだろうと安心して座ったのですが・・・・
電車が停車し外を見たら綱島
あっ、やらかした^^;
慌てて降りて反対方向に乗り換えます
でもここで座ってはいけません
今度が気づいたら元町、次は渋谷と永遠に往復することになってしまいますから(経験者談)
ドア前に立って次の駅で無事下車
そんな状態でしたが、お土産の飲み会アイスは忘れません(我が家では飲んで帰る場合はお土産にアイスを買うのがお約束で、それを飲み会アイスと呼んでいます)
今回はハーゲンダッツのレギュラー品で揃えました
また地下の大鯰が不穏な空気を漂わせているような・・・
水ヨシ!,缶詰ヨシ!,サトウのご飯ヨシ!
あとはガソリンを満タンにしておかなければ
開催されるならば行きましょう 蒔田演芸会 [日常のなかで(Diary)]
2月のある日のこと
よーちゃんの記事の中に蒔田演芸会の案内を見つけました
会場は横浜市南区の施設、緊急事態宣言下で市は人が集まる催しは嫌がるだろうから無期延期になると思っていたので一寸驚き
よく開催できたものです
開催されるなら行かないとね^^
そんな訳で2月の最後の土曜日、地下鉄に乗って蒔田まで行ってきました
結構早めに到着しちゃったなと思いながら会場に入ると既にRchoose19さんの姿が ^^
この後SSブロガーはkinkinさんとまこさんが合流
ちょこちょこと換気タイムを入れての開催
換気が多いから会場はちょっと寒い
でも大丈夫、換気はしっかりするだろうと思っていましたからしっかり着込んできました
演ずるのは小噺教室の生徒さん、落研の学生さん、プロとしか思えない素人の方々、そしてプロの噺家さん
今回は演目の中から落語のみをご紹介
<てんしき> 三春家 きょう坊 さん
体調のすぐれない寺の和尚
医者に往診に来てもらう
帰り際医者は「てんしき」があるかないかを和尚に尋ねたが和尚は「てんしき」が何か知らない
負けず嫌いで知らないと言うのはプライドが許さない和尚、知ったかぶりをして「てんしきはありません」と、その場をとりつくろった
”てんしき”が何か知りたい和尚、医者が帰った後小僧の珍念を呼んで”てんしき”を持ってきなさいという
珍念は”てんしき”が何か知らないので和尚にそれはどういうものかと尋ねた
勿論和尚は答えられない
なので「前に教えたはずだ おまえは直ぐに忘れるのがイカん 忘れてもワシに訊けば教えてもらえると思っているから忘れてしまうんだ ここで”てんしき”について教えてもよいが、それではお前のためにならない」と誤魔化し近所の花屋さんかご隠居のところで”てんしき”を借りてくるように命じた
珍念は花屋さんに行き”てんしき”を貸してくださいとと頼んだ
が、花屋も和尚と同じように負けず嫌いなので知らないとは言えない
「てんしきかぁ、この間二つ三つあったが、味噌汁の具にして食べてしまった」
と、誤魔化した
隠居の家に行くと、これも負けず嫌い
「いらないものだから台所の隅に放っておいたが、鼠が棚から落として割れてしまったから捨ててしまったよ」
と誤魔化す
味噌汁の具になって落とすと割れるもの???
益々”てんしき”が何か解らなくなる珍念
しかたなく帰って和尚に借りられなかったと言い、「てんしき」とは一体どういうものかと訊いた
当然和尚は返答に困る
「バカモーン そんなことを知らないでどうする わしが教えてやるのはわけはないが、おまえは遊びにばかり気がいって、すぐ忘れてしまう 先生のところに薬を取りに行って、自分の腹から出たようにちょっと聞いてこい」
と、医者の所に行かせた
薬を受け取った珍念、医者に”てんしき”とは何かを訊ねた
「”てんしき”というのは『傷寒論』の中にある 転び失う気、と書いて転失気だ ようはオナラのことだよ」
「オナラってのはなんです? どういう形で?」
「形はない 屁のことだ」
「屁ってえと、あのプープー、へえ、あれのことですか」
これで、和尚も花屋も隠居も、知らないで誤魔化したことがばれた
珍念、和尚に言っても逆に説教を食うと思うから、嘘をつくことにした
寺に帰って「”てんしき”とは盃のことです」と和尚に嘘を言った
和尚は「その通りだ 『呑む酒の器』と書く」と答えた
和尚は「これから来客の折は、大事にしている『呑酒器(てんしき)』を見てもらおう」と言い、珍念に盃を出しておくよう命じた
医師がふたたび寺に問診に訪れた際、和尚は「”てんしき”、以前は無いと申しましたがありました」と言った
医者が「それはよかった」と案じてみせると、和尚は盃を自慢したくてたまらず、「自慢の『てんしき』をお目にかけましょう」と言って医師を驚かせる
「三つ組の『てんしき』で、桐の箱に入れてありましてな・・・・珍念、持ってきなさい」
「桐の箱に”てんしき”ですか・・・ふたを開けた途端に臭うでしょうな」
珍念は笑いをこらえかねながら、桐の箱を運び入れ、医者の前で蓋を取ってみせる
医師は体を引きながら覗き込むが・・・「これは盃ではありませんか?」と問い、”てんしき”はオナラの事だと説明した
和尚は珍念に一杯食わされたことを知って激怒
「こんなことで人を騙して恥ずかしいと思わないのか!!!」
「ええ、屁でもありません」
。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ
<桃太郎> 今川 あずき さん
昔は晩に遅く起きていたら叱られたものです
昔の子どもは天真爛漫で他愛なかった
お父ちゃん話をして聞かしてやるからそれを聞いて寝んねするんだぞ
昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんが川へ洗濯に
川の上から大きな桃がドンブラコ、ドンブラコっと流れてきた
持って帰ってポンと割ると中から元気な男の子が生まれた
名前を桃太郎をつけた
その子が鬼が島に鬼退治に行くって言った
おいしい黍団子を持たせてやると、犬と猿と雉が出てきて一つくださいお供しますと言うので引き連れて鬼が島に攻め込んだ
桃太郎は強いんだぞ
鬼は降参をして山のようなお宝を出して謝った
車に積んで、えんやらや、えんやらや持って帰っておじいさんとおばあさんに孝行した
面白いだろ、桃太郎さんの話・・・あっ、寝てしまったか
子供と言う者は罪がないな
って言っていたことは昔の話です
昨今の子供はなかなかいう事を聞きません
早く寝ないか!
えっ?なんで?
なんでって不思議そうな顔をするな日が暮れたら寝るに決まっている
眠たいことない
昔話をしてやるからそれを聞きながら寝なさい
それは無理だ 話を聞くか、寝るかどっちかにしてもらわないと・・・聞きながら寝るってそんな器用なことはできない
ごちゃごちゃ言うな話を聞いてて眠くなったら寝ればいい
で、床で昔話しを始めるのですが・・
「昔々、ある所にお爺さんとお婆さんが住んでいました・・・・・」と始めれば、昔々とは何時のことだ?、年号は?、年代は?、ある所とはどこか?、なぜ、お爺さんとお婆さんなのか?、お爺さんの名前はなんだ?、などとすぐに話の腰を折って来て眠るどころではない
「お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に・・・・・・鬼ヶ島に行って鬼退治して宝物を持ち帰り、お爺さんやお婆さんに孝行をした」と話しても子どもはすっかり馬鹿にして、「あんまりアホなことばかり言うので眠くなるどころか目が冴えてきた」と軽蔑の眼差しだ
なんで?!
なんでってそれ桃太郎って話でしょ?桃太郎って話は世界的にも名作、どこにでしても恥ずかしくない話だよ それをあんな言われ方をすると値打ちも何もない あれでは作者は悲しむ
何を生意気なこといってんだ お前は何も知らないんだ
お父ちゃんこそ何も知らない これはな、昔々ある所にって言うのは時代とか場所とはっきりしていない わざとはっきりさせていないんだよ 難しいこと言っても分からないけど、仮に大阪の話にしたら大阪ではなじみがあって良いかもしれないけど、東京の子供にはわからない
東京の話にしたところで田舎に持ってたらなじみの無い話になってしまう
日本国中どこに持ってっても、どこの子供に聞かせてもはまるように「昔々ある所に」としてあるんだ
話がそれだけ大きくなってる
それでおじいさんとおばあさんが出てくるけど、本当はこれは両親だ
ちちとはは、点々をつけてじじとばば
昔は年寄りと子供の方がなじみが深かったからおじいちゃんの話おばあちゃんの話としてある
”父の恩は山よりも高く、母の恩は海よりも深し”で、だからおじいさんは山に行く
おばあさんが川なのは洗濯は海ではしないので川となっている
川の上から桃が流れてきて割ったら子供ができたって?
そんな事があったら果物屋さんは子供だらけになってしまう
人間のお腹から生まれた子供が鬼退治したら不自然になるから神様から授かった子供になってるんだ
それからね、鬼が島ってところはこの世にない
あれは渡る世間を鬼が島に例えている
人間として生まれたからには世の中の苦労をしないといけない
渡る世間に鬼はないって言うけどな、鬼ばっかりだよ
お父ちゃん、世間って言ったら恐ろしいところだよ、分かってる?
世の荒波に揉まれる、これが鬼が島の鬼退治ってこと
犬と猿と雉が出てくるでしょ
動物だったらなんでもいいわけではなく
犬は三日飼えば三年恩を忘れぬといって仁義に篤い動物
猿は猿知恵って言って馬鹿にするけど人間をのぞいたら一番賢い
雉は勇気のある動物で、卵を温めている時に蛇が来たら巻すだけま巻かせといてぱっちんと切れ切れにはじいてしまうくらい落ち着いた鳥だ
つまりこの三匹は知仁勇を表しているんだ
これお母さん、そこで何やってる?こっちに来てこの話を聞きなさい
大人が聞いても為になる
それからどうした?
それからおいしい黍団子って言ったけどいい加減なこと言っちゃ駄目だよ
黍の団子って言うのはおいしい物じゃない
黍は五穀のお米や麦に比べたら粗末なもの、つまり贅沢をしてはいけない教えがこの黍の団子だな
人間として生まれた以上は鬼が島って言う世の中の苦労をしないといけない
その時に贅沢せずに質素を守って、先ほどの知仁勇の徳を身に着けて一生懸命働いて
色んな目に会い、色んな苦労をして鬼を退治する
そして山のようなお宝って言うのは世間に出て身に着ける信用や名誉や財産を持って帰って、世の中の役に立つ一人前に人間になって親に行して家の名前を挙げる
これが人間として一番大切な事だという事を昔の人が子供でも分かるように面白い様に作ったんだ
こんなによく出来た話なのにあんな言い方したら名の値打ちも無いよ
お父ちゃん、僕の前だから良いけど他所で言ったらいけない、恥をかくよ
親の恥は子の恥だからね。
僕も言うの辛いんだからねお父ちゃん、、、、、お父ちゃん?
あぁ寝てしまっている
今どきの親は罪がないなぁ
。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ
<テレスコ> 當今亭 㐂ん肉 さん
ある漁村で珍しい魚が捕れた
漁師達が奉行所に持ち込んでこの珍しい魚の名称を聞いたが、専門家の漁師が分からないのにお役人が解るはずが無い
解らないで突っ返す訳にはいかないので、魚拓をとって町町の辻に張り出した
『この魚の名が判る者は、役宅に届け出よ 褒美として金壱百両使わすもの也』
と言う高札が立った
これが評判になり、近在から人が押し寄せる有様
多度屋茂兵衛と言う男が奉行所に出頭し魚の名を知っていると申し立てた
魚拓だと良くわからないから現物を見たいと言って現物を見せてもらい、「これは、『てれすこ』でございます」役人だって解らないのだからどんな名を言われたって「違っているのではないか」とは言えない
怪しいと思ったが、咎める訳にも行かず、100両持たせて帰した
この話を奉行に伝えると、一計を案じ「この魚を干してみよ」との仰せ
干すと大きさも小さくなって趣も変わり、てれすこに似ない魚になった
『この度も珍魚が捕れた この魚の名が判る者は、役宅に届け出よ 褒美として金壱百両使わすもの也』と、前と同じような高札を出した
人だかりがして大騒ぎ
これを見た多度屋茂兵衛さん、柳の下の泥鰌で止せばいいのに又100両せしめようと欲をかき、のこのこ奉行所に出向いて『すてれんきょう』だと言った
「先日は『てれすこ』と申したその魚を干し上げたものが、どうして名が変わるのだ お上を偽る犯罪人だ 入牢を申し付ける」
と奉行の仕掛けた罠に掛かって召し捕らえられ入牢の身となってしまう
奉行所においてお裁きが始まった
世にいう「てれすこ裁判」
茂兵衛さんやつれきって奉行の前のお白洲の上に引き出された
「多度屋茂兵衛、その方、『てれすこ』と申せし魚を、また『すてれんきょう』と申し、上を偽る不届きやつ 重き咎にも行うべきところなれど、上のお慈悲をもって打首申しつくる」(*)
と判決が下った
お慈悲でも打ち首だからたまらない
「最後に何か望みがあれば、一つは叶えてつかわす」
というので、茂兵衛うなだれて「妻子に一目、お会わせを願いとう存じます」
かみさんはやせ衰えた姿で乳飲み子を抱いて出頭した
茂兵衛が驚いてようすを聞くと、亭主の身の証が立つようにと、火物断ちをしていたが、赤ん坊のお乳が出ないのはかわいそうなので、そば粉を水で溶いたものを食べていて、そのため痩せ衰えてしまったと言う
「それほどわしの身を案じてくれてありがたい もう死んでいく身、思い残すことはないが、ただ一つ言い残しておきたい この子供が大きくなったのち、決して『イカ』の干したのを『スルメ』と言わせてくれるな」
と遺言をした
これを聞いたお奉行が、膝を叩き
「多度屋茂兵衛、言い訳は立った 即刻無罪を言い渡す」
奉行が出した判決には異議を唱えられなかった当時の、男の機転であった
首のなくなるのを、スルメ一枚で助かった
助かるはずです、おかみさんが火物(干物)断ちをしましたから
(・0・。) ほほーっ
(*)お慈悲をもって打首
江戸の死刑には六つあって、重い方から
<鋸挽> 首だけ出した状態で生き埋めにして首を竹の鋸で挽く
<磔> 公開の刑場で十字柱に縛り槍で刺し殺す
<獄門> 牢屋敷で斬首後、首は公開の刑場でさらす(遺体は刀の試し切りにする)
<火罪> 放火犯に適用、公開の刑場で柱に縛り薪で焼き殺す
<死罪> 牢屋敷で斬首(遺体は刀の試し切りにする)
<下手人> 牢屋敷で斬首(遺体は親族に渡され葬儀、埋葬が許される)
となるそうです
お慈悲をもってとありますからこの場合は下手人だったのでしょうね
<饅頭こわい> 三春家 たこ丸 さん
今日も長屋の若い者たちが集まって馬鹿話に花を咲かせていると一人血相を変えて飛び込んでくるものがいる
「留公じゃないか、どうした?」
「誰か追いかけてこないか 松ノ湯脇の近道を来ると、後ろから『留!』と呼ぶ声がしたんだ 振り向くと大きな口を開いた大蛇がいて呑み込もうとしてたので慌てて逃げてきた 」
「なに大蛇がいるって? どれくらい大きいんだ?」
「これくらい・・・」
留公は両手で20cmぐらいを示した
「そんなに太いのか?」
「胴回りじゃないよ 長さが・・・」
「なんだ、情けない 普通の蛇じゃないか どこが大蛇だ」
「長いものは恐いよ 鰻もドジョウもミミズも恐い」
「コイツの言うことも分かる 人は胞衣(えな)を方角を決めて埋めた土の上を、初めて通った虫を嫌いになるという言い伝えがある
虫が好かないというよな そうだ!ここで、皆で何が恐いか言い合ってみよう」
そんな訳で皆嫌いなもの苦手なものを言うことになった
「俺はヘビ」
「留と同じだな そっちは?」
「カエル 口をパクッと開けたのは恐い、考えたら家のカカアが『夕んべはどこ行ってたの』と、口をパクッと開けるのを見てから恐くなった」「俺は、ナメクジ ヌルヌルしていて恐い」
聞いていくと、ヒル、蜘蛛、ゴキブリ、毛虫、蟻、馬、ミミズ・・・嫌いなものは恐い
向うを向いてたばこ吸っているのは松公
「松公、何一人離れてタバコ吸ってんだ 皆で怖いものを言い合ってるんじゃないか お前も言えよ 何か恐いものは無いか」
「へっ、情けねぇ 大の男が怖いものだって?無いッ ねーよ」
「じゃ~蛇なんかはどうだ」
「蛇なんか見るとゾクゾクする 旨そうだから食べちゃう ものを考えるときは鉢巻代わりに頭に締める
カエル?カエルはは皮をむいて焼いて食べちまう ナメクジは三杯酢にすりゃあいい ミミズはケチャップ掛けたらスパゲッティー・ナポリタンだ 恐いものはなんにもねェ~よ」
「お前は偉いよ 皆、子供に返って恐いものの話をして遊んでんだ それじゃ、場がしらけちまうよ」
「怖いものなんて無いから仕方ない 蜘蛛なんて納豆の糸の引き具合が悪いなって思ったら混ぜてかき回すと糸が増えて具合いい 蟻なんか赤飯もらったときに、ゴマ塩代わりにかけて食べる ただゴマがちょこちょこ動くのが食べ辛い 毛虫が恐い?あんなものは柄を付けて歯ブラシ代わりにする 馬だって残らず食う 恐いものなんて無い無い・・・チョット待った 有る、一つだけ 忘れようと粋がっていたが、有るんだ」
「それは何だ」
小さな声でポツリと
「饅頭」
「?」
それを聞いた男たちは大笑い
いろいろな饅頭の話をしていると、みるみる松公の顔色が変わってきてガタガタ震え出した
さらに饅頭の話をすると聞泣き出して手に負えないので隣の三畳間に布団を引いて寝かしつけた
普段からひねくれ者で、左と言えば右と言うし、右と言えば左、黒いと言えば白だと言い張る生意気な野郎で、嫌われ者だった松公
一同この時とばかりに仕返しをしようと目論む
饅頭を皆で買ってきて枕元に置いたら面白いと衆議一決した
でも饅頭の話だけで寝込んだぐらいだから枕元に饅頭があったらショック死してしまう 殺人罪になりゃしないかと心配する輩もいたが饅頭だけに”あん殺”だから大丈夫と
そんな訳で皆で饅頭を買ってきた
腰高饅頭、栗饅頭、蕎麦饅頭、木の葉饅頭、揚げ饅頭、肉まん、葛饅頭、薯蕷饅頭、今川焼きはチョト違うがそれも混ぜて、お盆に山積みにて布団をかぶってガタガタ震えている松公の枕元にそーっと置いて障子を閉めた
「松っちゃん、具合はどうだい? ちょっと枕元を見てごらん」
その途端「饅頭ッ」と絶叫があがった
でもその後の様子がおかしい
叫び声は出ているが、ムシャムシャ音がするし、絶叫もだんだんと口ごもっている
不思議に思って障子を開ける一同
そこには饅頭恐いぃと叫びながら饅頭を美味そうに食べる松公がいた
暗殺は失敗に終わった
障子の陰でワクワクしながら様子を伺っていた連中、騙されたと知ってカンカン
しまったこれは一杯食わされたか
「一体お前は何が怖いんだ」
「今度は濃いお茶が一杯怖い」
。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ
<へっつい盗人> 可笑家きゃらめる さん(SSブロガーのよーちゃんさん)
清八の所へ喜六が遊びにやって来る
清八は友達の竹やんが宿替えしたので、何か祝い物をしようと持ちかける
「なるべくならこの、こんなこと言ぅてなんやけども、値が安ぅてやなぁ、ほんでまぁ手軽で、場ぁのあるよぉなもんがえぇねやないか」
喜六は「カンナ屑」はどうかと言うが誰がそんなものもらって誰が喜ぶんだと怒られる
「どない言ぅたら、例えばや、向こぉに婆さんがいてよる、年寄りがな「あぁこんなんあったら、年寄りに間に合うなぁ、使えるなぁ」と言ってくれるもの、そぉいぅもんがえぇなぁ、ちゅうてんねな」
「あぁ、年寄りの間に合う、使えるとなったら・・・・棺桶か?」
「お前、なに考えてるねん、怒られるでお前 向こぉの婆さん元気に歩いたはんねや どない言ぅたら分かんねん、持って行ったもん見せたらな、家族みながワ~ッとビックリするよぉなのや」
「爆弾か?」
と相変わらず話にならない
清八は竹やんの女房が宿替え先のへっついの具合が悪い、と言うのを聞いていたので、へっついにしようという
だが十五円はするへっつい
二人で割っても七円五十銭、そんなお金は二人とも持っていない
清八は丼池の道具屋の前に手頃なへっついが置いてあるからそれを夜中にちょっと借りて来ようという
夜中に行っても道具屋のおっさんは寝ていると喜六が言うと
「寝てる人は、そのまま静かに寝ててもろて、借りてこぉかいなぁと思てんねん」
「誰かに断わらんといかん、誰に断わんねん」
「いたはるがな 向こぉは親っさん、嫁はん、そのほかにもまぁ、石灯籠さん、三輪車さん、植木鉢さん・・・・まぁその寝ている親っさんや嫁さん以外の人らに・・・・、「三輪車さん、ちょっとへっついを借りまっせ」言ぅて借りてこぉかいなぁ思てんねがな」
いくら喜六でもそれは盗人と分かる
捕まったらどうなると聞くと、清八は堺の別荘行きだという
それもレンガつくりの立派な鉄格子付きで、向うからお迎えが来るという
やっと監獄と分かった喜六
「懲役?」あかん、わい嫌いやと言うも、結局盗みに行くことになる
清八は盗み出す段取りを説明し、日が暮れたらもう一度来るように言う
日もとっぷりと暮れた頃、喜六は清八の表の戸をドンドン、大声で「ぼちぼち行こかぁ~丼池の道具屋へへっついさん盗みに行こぉ~」
慌てて静かにしろと言う清八に「大丈夫、丼池までは聞こえへん」
「当たり前やないかい 近所へ聞こえたらどないすんねんちゅうねん で、お前何故そんな格好しているんだ」
喜六は紋付羽織袴の出で立ちだ
今夜の泥棒の開業式にと家主の留守を幸いに箪笥から借りて来たという
無論、こたつの上の猫には断って来たとか
既に一仕事を終わらせてきた喜六
天秤棒と縄を持ち、怪しまれないよう仕事で重い物を運んでいるように、「ヨイヨイヨとサ、ヨイヨイヨとサ」と掛け声を掛けながら丼池の道具屋の前までやって来た
「わしが「ここらで一服しょ~か?」と、こない言ぅさかいな、お前が「一服しょ~、一服しょ~」と、こない言え ほんで一服してる振りしてる間にホンマもんのヘッツイさんを荷造りして、また今度はホンマもんを担げて帰って来んねんさかいな 分かったか?」
「ヨ~イ、ヨ~イ、ヨッとサッ、おい、ここらで一服しょ~か?」
「一服しょ~一服しょ~、ヘッツイさんのそばで」
「余計なこと言わんでええ」
清八は仕事に取り掛かるが、喜六は竹の垣をどけようとして石燈籠の頭を落として大きな音を出したり、三輪車のラッパに触って音出してしまったりとドタバタとなかなか仕事がはかどらない
「こっち来い、これ、これや わし持ち上げるさかいな、えぇかお前、下からシュッと紐通せよ、えぇな頼むぞ、持ち上げるさかい 重たいさかいスッと通してくれよ、頼むで、いくで、ヨッショ、はい上がった、おい、いけ、おいっいけ言ぅてるやろ」
「へっ? 行け?、どこへ?」
「お前、何言ぅてんねん、紐通せっちゅうねん」
「わい、ちょっとションベンしてくる」
「何も今ごろションベン行かいでもえぇやないか」
「ちょっと緊張したからしとなってん」
「そこらではよ済ませ」
「ミミズもカエルも皆ごめん」
「もぉ、挨拶はえぇねん挨拶わ お前、妙なとこで律儀やろ、早いことせぇ」
「分かってるわかってる」
ジョジョ~・ジョ~ジョ~ジョジョ~・ジョ~・パラパッサ・パッサ・パッサジャジャ~ジャ~・ジョンジョロリン・ジョンジョロリン・ジョンジョロリン・ジャジャ、ジャ~ジャ~ジャ~・ジャ~ジャ~ジャ~・ジャ~・ジャ~ジャ~・ジョジョ・ジョ~ジョ~ジョ~・ジョ~ジョ~
「お前、お経みたいなションベンやなぁ、早いことせぇ」
ジャジャ・ジャ~ジャ~ジャ~・ジャ~ジャ~ジャ~・ちょぽりんッ・とぽりんッ
「ふは~ッ」
「済んだか?」
ジャ~ジャ~ジャ~
「途中で止めるな、早いことせぇ」
ジャジャ・ジャ~ジャ~ジャ~・ちょぽりんッ・とぽりんッ・ちゃぽりんッ
「あ~、スッキリした」
「こっち来い」
「手ぇ洗いたい」
「もぉ、堪忍してぇな お前今までションベンの後で手ぇ洗ってるの見たことないぞ 持ち上げるさかい頼むでホンマに、いけよスッと通せ ヨッシャ、上がった早よ通し、紐、通し 俺もいつまでこんな重たいもん持ってられへんねんさかいな、早よ通してや おい、まだか?」
「もぉちょっとで通るさかい待って 何や暗いさかいな、ちょっと見えにくい 石が邪魔んなって それにしてもな、これ見えにくいねや かなんなぁこれ、見えにくい」
「見えにくいのは分かってるけど、俺もいつまでもこんなもん持ってられへんねん 早いことして、まだかいな?」
「見えにく・・・、あッ、見えにくいで思い出したけどな、角の糊屋のお婆ん、もぉ歳で目が見えにくい」
「いま関係ないやろお前、ちょっとも関係ない、早いことして」
「もぉちょっとで通る」
「あかんあかん、もぉあかん いっぺん降ろそ、手ぇどけ、手ぇどけっちゅうねん もぉあかんさかい、もぉ手ぇアホなったぁんねん、指が震えてきた、もぉあかん、手ぇどけ」
「いや、もぉちょっとで通るさかい待って」
「あかんて、あかんいっぺんどけ、あ、ああ、あかん(ボコ)」
「いッ、痛ぁ~ッ! 痛ぁ~ッ! 痛ぁ~ッ!」
「大きな声出すな 静かにせぇ このアホ、ボケ、カス、空気、ラッパ」
「痛いッ! 痛いやないかい、お前 何でどつかれなあかんねん? 何で落とされた上にどつかれなあかんねん、お前? そ~じゃ、そらわいはアホじゃ アホやからこそ、夜中にこんなことしに来てんねやないかい せやけど、お前もあんまり賢いことこないぞ アホのわし連れて来て、こんなことしてるんやさかいな お前がアホか、わしがアホか、ここの道具屋のオッサン起こして聞ぃたろか?」
「そんなことできるかいな」
。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ
<竹の水仙> 月の家 小圓鏡 さん
甚五郎は師匠の所で充分力を付けて、京の玉園に預けられた
京の御所から変わった物を彫るように依頼があり甚五郎がその時彫った物が「竹の水仙」
それが大層お褒めを得て、「左」官を許され日本全国に名が広まった
が、そんな事を自慢するような男でなく、京でブラブラしていた
江戸は駿河町の三井から運慶作の恵比寿様に対になるような大国の彫り物の依頼を受け100両で引き受け30両の前金を受け取った
しかし、仕上がり日は約束できなかった
玉園の許しを得て、見聞を広めることは良いことだと、30両の金を持って、寄り道回り道をしながら江戸に向かう
だが江戸の手前、東海道は神奈川宿に着いたときには無一文になってしまう
客引きが大勢出ていたが、薄汚れた着物では誰も呼び止めなかったが、宿も終わりの頃大黒屋金兵衛が呼び止めた
宿賃は出発時でイイというので大黒屋金兵衛の宿に決めた
綺麗ではないが静かな二階の部屋に通され、得に構われもしないのが居心地が良くて長逗留
一日3升の酒を飲み旨い物をいっぱい食べた
亭主は納得していたが、奥を預かる女将さんは黙っていない
この辺でひとまず精算して貰えと亭主に言う
渋る亭主に、お前さんはこの客の前に18人連続して無一文を連れてきた19人目になったらどうするんだと責める
亭主、仕方なく清算をお願いしに二階へゆく
勘定書きを見せると2両3分3朱、あれだけ飲み食いしてこの値段は安いと甚五郎、1朱足して3両にして渡すと言う
だが、掛け声ばかりで、現金が出る気配がない
出ないはずで金は無い
亭主、怒ったが無い袖は振れない
あああ、19人目かぁ・・・と半泣き
甚五郎は支払いの算段はついているので裏の立派な竹藪に切れるノコギリを持って一緒に来るようにと亭主に言った
そして孟宗竹をいくつか切り、それを持って二階に篭って「竹の水仙」を彫った
夜の夜中に出来上がり亭主を呼んだ
宿は朝が早いもの、亭主は夜中に起こされ不機嫌に上がってきた
見ると竹っぺらの先に丸い物が付いている
何だと訊くと「竹の水仙」だと言う
でもそれは蕾、どうせなら咲いた水仙を彫ればいいのにと亭主
甚五郎はそれひは答えず、寸胴の竹の花生けに水をイッパイ入れてこれをさしておいて、宿の目立つところに掛けて売り物と紙に書いておくと買い手が付くからそれで宿代を払うと言う
亭主、騙されたような気持ちになるが言われた通りにした
朝日が差してきて、竹の水仙の蕾に日が差すと、蕾が開いて立派な花になった
香りも回り中に広がり何とも良い香り
早朝に、熊本藩主細川越中守の行列が通ったが、水仙の香りに殿様の駕籠が大黒屋の前で止まって竹の水仙を眺めていた
殿様は御側用人の大槻刑部を呼び、あの水仙を求めてこいと言い付けて、行列は本陣へ
残された刑部は硬いだけで世事が分からない
大黒屋に入り亭主に竹の水仙を売ってくれと値段交渉をする
亭主は2階に上がって値段をいくらにするのか聞くと甚五郎は2文や2朱では渡せない、指二本出して、200両だと言う
そんな値段を言ったら侍が激怒して何をするかわからないと怖がる亭主に、なに、怒ったって殴られるぐらいだから大丈夫だと言う
殴られるのは痛いし嫌な亭主、下に降りて刑部に正面切って言えないので、指二本出した
「2両か?、違う?20両か?」
200両だと言ったら「足元見るのもいい加減にしろ」と亭主を殴って怒って出て行ってしまった
二階に来て文句を言う亭主に甚五郎は「表に立っていろ あの御用人は、すぐに顔を真っ青にして戻ってくるから安心しろ 戻ってきて、頭を下げて『売ってくれ』と言うから」
「ホントかな~」
でも言われた通り表で立つ亭主
こちらは本陣
刑部は、本陣で休んでいた越中守に「買わずに戻ってまいりました」と報告した
「それほどに高価であったか で、いくらであった」
刑部が指を二本出すと「2万両か?」と話が合わない
200両だと言うと越中守は「200両なら安い あれだけの彫り物、あの竹の水仙は今世に名を轟かせる名人の左甚五郎が創った貴重なもので間違い無い 左甚五郎の竹の水仙はあの宿のものの他には京の御所にしかない また甚五郎は、いくら金を積まれても、気が向いた時にしか創らない」と言う
それを刑部が「200両は高い」として帰ってきたことに越中守は激怒し、「もう一度宿屋に行き、もし買えなかった場合は切腹、お家断絶を命ずる」と言ったため、刑部は大慌てで大黒屋へ駆け戻ってきた
表に立っていた大黒屋の亭主、大慌てでこちらに向かってくる刑部を見て驚く
殴られた腹いせでちょっと意地悪をする
亭主は戻ってきた刑部に売り切れの紙を出して、「もう売れてしまったから無い、300両払ってくれるなら売った先から買い戻して渡す」と言い、それでも買いたいと言うので驚いて刑部に訳を尋ねた
「お主も知らないのか? あの人は甚五郎先生である」と、言い300両払って竹の水仙を持って帰っていった
驚いたのは宿屋の夫婦
二人で甚五郎に謝りに行った
「あの竹の水仙は300両で売れました」
「?200両と言ったはずだが・・・そうか亭主は商売人、200両で仕入れて300両で売るのは商い人の常識 100両はそちらに こちらから50両は宿賃と迷惑料です」
「お願いがあるのですが・・・」
神奈川中の竹を仕入れるから竹の水仙をいっぱい創ってくださいと言う亭主を甚五郎軽くいなして
「竹に花を咲かせると、寿命が縮まる」
(・0・。) ほほーっ
Jプロジェクトバンドでよーちゃんさんが再び登場
一人衣装が違うのはバンドの衣装を忘れてきたからとか^^;
<一目あがり> 佐の槌 藤助 さん
この教室のお師匠さんです
隠居のところに新年の挨拶に訪れた八つぁんは掛け軸に目がいった
もうちょっときれいなのを掛けたらどうですと文句をつけると
とたしなめられる
笹っ葉の塩漬けのような絵が描いてあって、上に能書きが書いてあるが何と書いてあるのだと訊くと
「これは狩野探幽の絵で雪折り笹、書いてあるのは能書きじゃなくて賛(サン)だと言い、”しなわるるだけは答えよ雪の竹”と書いてある」
と教えてくれた
その意味を聞くと、雪が積もり過ぎると曲がらぬ木は折れてしまうが笹しなって耐える 雪が積もって折れ曲がっていても春になれば元の笹になる 苦難があってもいつかはそれが取れるもので、我慢が肝心だという意味だと教えてくれた
八つぁん、その掛け軸にすっかり感心して思わず「音羽屋!」と褒めると、隠居にそんな褒め方をしてはいけない「結構な賛(三)ですね!」と言いなさい そうすればお前に対する世間の見る目が変わり、八公と言われているのが八つぁんになり、八つぁんが八五郎殿になり、それが八五郎様と呼ばれるようになるからと諭される
こういうものを見たときは「けっこうなな讃です」とほめるよう教えられた八つぁん
大家がしょっちゅう、ものを知らないとばかにして癪だから、これから行って掛け軸をひとつほめてくる、と大家のところに出かけた
大家が見せたのが根岸鵬斎の詩の掛け軸
褒めようとしたが絵がなく字だけで読めないので読んでもらう
”近江(きんこう)の鷺は見がたく、遠樹(えんじゅ)の烏見易し”
その意味を訊くと大家は『近くの雪の中のサギは目立たないが、遠くのカラスは目立つ』という意味だと言い、良いことは目立たないが、悪いことは直ぐ露見するという事だと説明した
「結構な三ですね!」と褒める八つぁん
「いいや、これは根岸鵬斎先生の詩(四)だ」
シだと言われて、サンしか知らない八つぁん、旗色が悪くなって退散
次にお医者さんのところで褒めようと「掛け軸を見せてくれ」と頼むと、見せてくれたのが一休宗純伺
何と書いてあるか訊くと
「”仏は法を売り、祖師は仏を売り、末世の僧は祖師を売り、汝五尺(ごしゃく)の身体を売って、一切衆生の煩悩をやすむ 柳は緑、花は紅の色いろ香 池の面に月は夜な夜な通えども水も濁さず影も止めず”だな」
「結構な四ですね!」と言うと今度は「いや、これは一休禅師の悟(五)だ」と言う
また旗色が悪くなって退散
八つぁんは「何だばかばかしい。、ひとつずつ上がっていきやがる 三から四、五ときたとなると今度五と言ったら六と言われるから、はじめから六と言おう」と、先回りして言うことにした
芳公のところに行き、一本しかない掛け軸を見せてもらった
「賑やかな絵だな。男の中に女が一人混じっているな、上に何か書いてあるがなんて書いてあるんだ」
「上から読んでも、下から読んでも同じめでたい文なのだ ”ながき夜の とをの眠りの みなめざめ 波のり舟の 音のよきかな”」
「結構な六だな」
「いいや、これは七福神の宝船だ」
演芸会の後はいつもだと出演者の打ち上げに参加させてもらうののですが流石に今回は出演者の打ち上げ自体がありません
なので今回はSSブロガーの面々だけでお疲れ様〜
選んだのは中華屋さん
”よしだ家”、なんだかこってりしたラーメン屋さんみたいな名前ですが中華屋さんです
(* ̄∇ ̄)/C□☆□D\( ̄∇ ̄*) オツカレサマー!
寒かったので最初から紹興酒、燗でいただきます
アテは涎鶏に鶏とカシューナッツ炒め、豆苗に
餃子に白身魚の甘酢炒めに五目焼きそば それに白い麻婆豆腐
白い麻婆豆腐を食べたのは初めて
白いからと気を許して口の中に入れてしまうから余計に辛い^^;
ずっと紹興酒で過ごして体はぽっかぽか
飲み会アイス(飲んで帰るときはアイスをお土産にするのが我が家のお約束)を買って帰ります
今回の記事、ちょっと長くなってしまいました
確定申告の書類を作る予定でしたが
記事を書くのに時間がかかってしまって
結局確定申告は手付かず
ええ、想像の通り長い記事をタイプしながら現実逃避^^;
提出期限延長で今ひとつやる気になれません
シリに火がつかないとやれない性格なのですーー;)
久しぶりの展覧会 東京美術館・吉田博展 [日常のなかで(Diary)]
前記事からの続きです
そんな訳でやってきた都立美術館の吉田博展
展覧会に来たのは久しぶり
一年ぶりぐらいになるのかも
武漢肺炎こと新型コロナ騒動で展覧会は軒並み予約制になってしまいました
当日の朝の気分で行くか否か決める自分にとっては予約制というのはどうにも馴染めません
予約することで自分の行動を固定してしまうのは好きじゃない
休みの日ぐらいは気の向くまま、何にも縛られずに過ごしたいから
そんな訳で展覧会から足が遠のいていましたが、この吉田博展は何と予約不要
予約不要ならば会期を確認してその期間内の気が向いた時に行けばいいのです
で、気が向いたのが代休を取った朝と言うわけ^^
久々の展覧会にワクワクしながらチケットを購入
中に入ります
版画がメインのこの吉田博展ですが、最初の二枚は水彩画の展示
最初の一枚は<朝霧>
この絵の前から暫く動けなくなってしまいました
<雲井桜(水彩画)>
2枚目の水彩画も好みな感じ
月の光に照らされる満開の桜と説明書きにありましたが、夕日のように思えます
柔らかな雰囲気がいいですね
この柔らかさ、夜じゃ無い
陽が西に沈む頃に太陽と交代するように東の空に昇る十三夜の月なのかもしれません
同じ構図で版画バージョン
こちらは陽が沈んだ直後の静けさを感じます
春の夜の独特な匂いが漂って来そう
甘くて、甘いだけじゃなく複雑な匂い
この複雑さ、何の匂いだろうと深く息を吸い込むけれど思い出せそうで思い出せない
繰り返していると何だか切ない気分になってしまう
そんな春の夜の匂いが
<三渓園 桜八題>
桜を描いた作品が多いのも好み
これ、見た瞬間に三渓園って解りました
三渓園、昔から変わっていないんだな^^
吉田博の版画って水溜りとかが凄く風情ありますね
水溜りの中の景色に目がいってしまいます
<上野公園>
桜が余程好きだったのかなと思うぐらい桜がいっぱい
で、桜があれば当然・・・
富士山もあります^^
展覧会は11章とかなり細かく分類されていましたが、その第4章は”富士山を描く”
柔らかな雰囲気の富士山はとても印象的^^
山が好きなようで山岳絵画もいっぱい
かなり多くの山を登ったようです
某マウンテンは頭頂していないと思うけれど^^;
雨上がりの夜、水溜りの写り込みの描写の見事なこと
版画でこれを描くのって大変な技術が必要でしょうね
水溜りの写り込みに雨上がりの夜の街を歩きたくなります
見ているとね、匂いが漂ってくるのですよ
どの画も匂いを感じます
空気感というのかな、それが強い
浮世絵を吉田流に再解釈した木版画
洋画のタッチを基調に伝統技術を組み合わせた色彩表現は日本の風景だけじゃなく、米国、欧州、印度に東南アジアの風景も鮮やかに表現しています
適切な距離を取って見られるのはいいね
上野の展覧会の帰りに甘味屋さんに寄るのはお約束
上野駅構内の”みつはし”です
本店の方はいつも混んでいるしから行き辛い
だってね、マダムばかりの甘味屋さんにオヤジ一人で入るのは敷居が高いから
空いていればマダムだらけでも入れますが混んでいるとね、どうしても気後れしてしまいます
でも上野駅構内のお店は本店ほど混んでいませんから狙い目
でも目立たないように何時も隅っこの席に陣取ります
下手に真ん中の席に座って四方をマダムに囲まれたら落ち着かないですからね
まずは温かな緑茶が供されます
何にしようかなぁ
あんみつは味のシンフォニー、やっぱあんみつかな^^
何時もクリームあんみつなので今日はちょっと変えて
抹茶あんみつで^^
この漉し餡が美味しいんだな♡
いっただきま〜す
漉し餡の柔らかな舌触りと寒天の心地よい噛み応え
和のスイーツっていいなぁ
抹茶のほろ苦さは漉し餡によく合いますね^^
食べ終えたら銀座線に乗って渋谷へ、そして東横線に乗り換えて帰ります
帰ったらお土産のどら焼きタイム〜♪
亀十のどら焼き
生地はふわふわタイプです
甘さは控えめであっさり
地震、揺れが長かったですね
ちょうどお風呂に入って湯船に浸かっていた時でした
湯船に浸かっていると意外と揺れは大きくは感じないですね
まぁそれは物があまり無いから揺れても音がそれ程しないせいかも
で、この地震
10年前の地震の余震とみられるだって????
本当かなぁ
10年前だよ?今頃?絶対違うと思うな
余震じゃなく前座じゃないかと
オーストラリア辺りで大きな地震
その後、福島沖で前座の地震があって
その二日後に大震災
そんな流れが10年前にあったような
今年も10日にオーストラリア付近でM7.7の地震あったし
そして昨日は福島沖での地震
う〜んーー;)
で、今日は車のガソリンを満タンにして
水とカセットのガスを買い込んできました
さて、真打は来るのか?
久々に休日の県境越え 神田明神へ初詣 [日常のなかで(Diary)]
初詣は参拝時期をずらしましょう
そんな初詣自粛要請が出ていた令和三年のお正月
毎年初詣は元旦に神田明神、翌二日は地元の師岡熊野神社に行っていましたが自粛要請に従って元旦の神田明神は延期
師岡熊野神社はそれ程混まないので例年通り二日に初詣に行きました
延期した神田明神にはいつ行こうかなと考えていたら今度は緊急事態宣言
県境の多摩川を越えなければいけない神田明神には益々行き辛くなってしまいました
とは言っても毎年行っていたところに行かないのは何だか落ち着きません
時期をずらすにしても初詣ですからね、1月中には行きたいところ
休日の県境越えは自粛中ですが初詣なら仕方ないよね
そんな訳で久しぶりに県境越えをすることにしました
ちょうど休みを取っていましたので混みそうな週末は避けて平日に
車で行くか電車で行くか、悩みましたが久しぶりに都内に行くのですから寄り道をしたくて電車で
東横線に乗って新宿三丁目で乗り換えて御茶ノ水へ
うん空いている空いている
これなら大丈夫^^
古いお札を納め新しいお札を授かりようやくスッキリしました
久々に神田にきましたからね、ちょっと寄り道
あわぜんざいや揚げまんじゅうで有名な創業昭和五年の甘味処”竹むら”です
(6年前にも記事にしていますね)
趣のある建物がいいですね
昔ながらの汁粉屋の雰囲気
店舗は東京都選定歴史的建造物に選定されているそう
池波正太郎氏曰く
むかしの東京の汁粉屋というものの匂いが、そのまま残っているのは、東京でも、この竹むらぐらいではあるまいか(食事の情景より)
店内はこんな感じ(店内撮影禁止なので画像はこのお店を紹介していたWebマガジンより拝借)
2F席もいい雰囲気(同上)
喫茶店と大差なくなってしまった現代の甘味処とは風格が違います
まずは桜湯が供されます(店内観は撮影不可ですが料理とかは撮影OKです)
料理は撮影OKですが内観は不可なのは何故かな
他のお客さんを写すことになるから?
などと思ってしまうのは、その昔、汁粉屋さんは男女の密会場所だったと本で読んだから
こういう風情あるお店で密会、やってみたいなぁ^^;
品書きを確認します
やはり名物を頼むのがいい
オーダーは揚げまんじゅうとあわぜんざい
まずはあわせんざいの到着
このドロリな漉し餡がたまりません
その漉し餡の上に乗るのはふっくらと炊かれた小豆
ふっくらと炊き上がった粟餅に熱々の漉し餡
熱々も熱々、はふはふと火傷をしないように口の中へ
滑らかな漉し餡の舌触り、そして甘み
しっかり甘いですがくどく無い甘さでいくらでも食べられそう
揚げまんじゅうも到着
胡麻油の香ばしい香りが食欲をそそります
まずは口直しの紫蘇の実の塩漬けで味覚をリフレッシュ
サクサクの衣とふんわりな饅頭のコントラストが素敵です
油のコクが饅頭の旨さをグレードアップ
これがたまらなく美味しい
竹むら (たけむら)
03-3251-2328
東京都千代田区神田須田町1-19
11:00~20:00
定休日 日曜・祭日
甘いものを食べたし、次は昼ごはんだね(えっ?逆だって?でも自分は甘いもの優先ですからご飯前に甘味を食べるのは普通なのです)
久々の神田、蕎麦を食べたいな
渋い建物の汁粉屋さんの後ですから同じく渋い建物の蕎麦屋さんがいい
となると神田まつや
近代的なビルの隙間にそこだけがタイムスリップしたかのような渋い建物が挟まれています
神田まつやの建物は関東大震災後に建てられ、空襲にも奇跡的に難を逃れ、築90年以上を数える木造2階建
東京都の歴史的建造物に指定されています
高い格子天井、松をかたどった大きな欄間、大正浪漫な雰囲気を今に残す空間
まつやの蕎麦は好きですが、気に入らないのが一つだけ
8年前にも記事にしていますが、水が出てくるのがね
蕎麦茶を出して欲しいなと
品書きを確認します
オーダーは”花巻”と迷った末に”もり”
大盛りの到着
蕎麦は断面がスクエアな細打ち
エッジもしっかりして見るからに喉越しが良さそう
まずは蕎麦のみで手繰ります
軽く啜ったでけで唇を勢いよく滑る蕎麦
艶やかで滑らか、喉越しの良さに唸ります
啜ると軽やかに香る蕎麦
噛み応えもしっかりしていて噛むのが心地いい
次に汁を味わいます
少量口に含むと円やかな旨さ
味のバランスがいいですね
濃いめですが神田藪程じゃ無い
なので扱いやすいです
薬味は葱のみ
山葵の香りは蕎麦の香りを感じにくくしてしまうと自分は考えています
なので蕎麦を食べるのに山葵は使いません
山葵は味覚をリフレッシュする時に舐める程度
なので山葵が付いてこなくても自分は大丈夫
(でも山葵は好きなので美味しい山葵が付いてきたらそれはそれで嬉しい^^)
蕎麦を汁に浸けていただきます
濃いめの汁ですからドップリと浸けてしまったらいけません
蕎麦の味が解らなくなってしまいます
蕎麦の4分の一ぐらいを浸けた時が一番蕎麦の香りと甘味を引き出せます
蕎麦湯も到着
軽く白濁した蕎麦湯
このブログが二杯目になってから10年目
二杯目の容量も満杯近くになってきました
そろそろ三杯目の準備をしないとな
本日臨時休業 [日常のなかで(Diary)]
金曜日夕刻、出張から戻ったら別の客先でちょいと問題があって休出確定
それから移動して宿にチェックインしたのは22時半
それから記事をタイプしようとしたけれど画像が追加できません
”ファイル選択”をクリックしても無反応
”アップロード”とかはちゃんと反応するのにね
仕事で使っているDELLだと”参照...”(Macでのファイル選択)はちゃんと反応
でもDELLで記事を書くのはね、ちょっと問題が
DELLでファイルをアップロードしてはいけなのです
仕事用の会社支給品なので外に送るファイルは本社ITチームにチェックされているから
美味しそうな画像送って本社のITチームに食テロするのもね
でも何故急にこうなった?
特に何もやってないのに
バックアップをリストアしようにも出張中でできないし・・・
・・・・・・
(追記)
出張から戻ったのは土曜日の夜
給食当番拒否で現象をじっくりと確認
で、結論は
Safariがトラブったようです
一回消して入れ直すかな
秋の港は銀杏の香り べすちゃんからは焼き銀杏 [日常のなかで(Diary)]
奥さんの趣味は鞄を買うこと
使う予定もないのに買っているようで、使わないまま収納の中で眠っている鞄がいっぱい
”これが入る位の鞄があったらいいな” そんな感じに不意に鞄が必要になる時があります
そんな時は奥さんに”これぐらいの鞄ないかなぁ”って呟けば一気に解決
ニターッと笑いながら鞄が出てきます
まるで猫型ロボットが四次元ポケットから秘密の道具を出すように
奥さんは鞄の使い道ができて喜び
自分はタダで鞄が手に入ってラッキー
Win-Winな状態だったのですが・・・・
ところが最近は自分が使えるような鞄が出てきません
よくバーゲンに出かけていた浅草橋の鞄屋さんには最近行かなくなったようです
別の鞄屋さんに行くようになったのですが、そこは女性女性したデザインの鞄ばかり
自分が使えそうなものが出てこなくなってしまいました
ある日、やはり出てきた鞄はとても自分には使えないデザイン
「浅草橋の鞄屋さんにはもう行かないのか?」と訊くと
「ちょうどバーゲンの案内のハガキが来ていたから日曜日に行こうかな、一緒にくるよね」
と、強制連行
タダで鞄を手にいれる為には仕方ないかと車検から戻って来たばかりのZZRでツーに行こうとした自分の予定はキャンセルして一緒に行くことにしました
で、日曜日
バーゲンの案内のハガキを見直していた奥さんが一言
「あっ・・・・日曜日やってないんだ、土曜日までだったΣ(゚Д゚;)アラマッ」
(; ・`д・´)ナン…ダト!?
その為にツーをやめたのに、あんまりだぁ
乗りかたっかのに、乗りたかったのに、乗りたかったのに(鞄タダでGETしたかったのに タダでGETしたかったのに タダでGETしたかったのに・・・・)ーー;)
予定がフリーになっても今からZZRで出かけるにはちょっと遅い
この時間じゃ東名も中央道も渋滞だろうし・・・・
でもこのままウチに籠っているのも悔しい
なのでベスちゃんと山下公園通りの銀杏並木を見に行くことにしました
空を見ると青空がありません
土曜日はあんなにも綺麗な青空が広がっていたのに・・・
銀杏を青空をバックで撮りたかったなぁ
曇りだからと言って来週に延期するわけにもいきません
先送りすればするほど葉が散ってしまいますからね
Beeeeeeeenと2サイクルの羽音を響かせながらベスちゃんと山下公園通りへ
なかなかいい感じに染まっていました
曇り空なのが実に悔しい
風が吹くたびに舞い落ちる銀杏の葉
時々ぽたっと音をたてるのは銀杏^^;
銀杏の直撃は受けたくはないな
ベスちゃんをモデルにして銀杏を撮りますが、ベスちゃんを押し歩いていると足元でパリッ、パリッと銀杏の割れる音
数年前もベスちゃんをモデルに銀杏を撮りましたが、この時は枯葉の上を走ったり、押し歩く時も特に気を使わず強く押し歩きました
そうしたらタイヤが銀杏を巻き上げて車体裏面が銀杏だらけ
チャンバー(マフラー)裏面にもいっぱい付着して・・・・
それがチャンバーの熱で焼き銀杏状態
信号待ちで止まる度に下から焼き銀杏の香ばしい匂いが・・・・^^;
今回はそんな事の無いように銀杏の落ち葉の上は走りません
押し歩く時だって銀杏をまきあげないようゆっくりと
銀杏並木を眺めながら珈琲でも飲もうとやってきたのは日本大通のGOOZ
道には路駐の車がいっぱいなので歩道に駐車
すぐ横のテーブル席をGETしたから駐禁札の使命に燃える緑のおじさん達がやってきても大丈夫
尤も休日の朝に此処で緑のおじさん達を見たことは無いけれど
珈琲の香りよりも銀杏の香りが強くてw
臭いの臭く無いのって、臭い〜^^;
銀杏が車体裏面に付着しないようにしたつもりでしたが、それでも信号待ちで仄かに焼き銀杏の香りが・・・
洗車しないとね
武漢肺炎こと新型コロナの感染者が増加して
勤務先は引き続き出社原則禁止
奥さんは高尾山に登りに行く予定でしたがやめたようです
登るだけなら野外だし大丈夫だろうけれど
その後がね^^;
・・・・・・・
今日も奥さんはリビングで寝落ち
風呂はまだはいっていないから朝風呂確定
椅子に座って顔は真上に向けている
よく首が痛くならないものだ
鼾はゴジラの雄叫び
居酒屋寄席 横浜西口狸小路 第18回はな家寄席 [日常のなかで(Diary)]
大阪王将で”弾む焼き豚 いつかの初恋オムライス”を食べた日のこと
ギトギトな中華なオムライスの余韻を感じながら東横線に乗って横浜へ
向かった先は横浜西口の昭和の雰囲気が香る狸小路
狸小路にある昭和22年からのおでん屋さん”はな家”で居酒屋寄席が開催されるのです
SSブロガーのよーちゃんさんとまこさんも合流
2Fの客席が寄席会場
テーブルを片付けて高座が作られます
この日は第18回はな家寄席 雷門音助独演会
木戸銭は2000円、寄席の後の懇親会費は2500円
この日の演目は”時そば””小言幸兵衛”そして中入りを挟んで”不動坊”
<時そば>
夜鷹そばとも呼ばれた、屋台の二八そば屋
冬の寒い夜、屋台に飛び込んできた男
「おうッ、何ができる? 花巻にしっぽく? しっぽくしとつこしらいてくんねえ 寒いなぁ」
「今夜はたいへんお寒うございます」
「どうでえ商売は? いけねえか? まあ、アキネエってえぐらいだから、飽きずにやんなきゃいけねえ」
「看板のこれ、的か? 的に矢が刺さってるな、当たり矢で縁起がいい」
と最初から調子がいい
「お待ちどうさま」
「おっ、あつらえが早い、いいねぇ すっと出てくるのは俺のような気短な者には嬉しいね、箸を・・・・おぉ、割り箸を使っていて清潔だ、いい丼を使っている、蕎麦は器で喰わすって多少蕎麦がよくなくても器が良ければ美味いとなるもんだ いや、気分悪くしないでくんねぇ お前んとこの蕎麦が美味く無いって言ってるんじゃ無い 蕎麦がよくったって器が悪かったら興ざめだって言いたかっただけさ 蕎麦をいただくぜ・・・・ズズッ、美味いねぇ 鰹節をおごっていてダシがいい、そばは細くて腰があって、これぞ蕎麦だな ほらあるだろう、うどんか何だかわからないどぶっとい蕎麦、ありゃダメだ 竹輪は本物の竹輪だねぇ ほら、よくあるだろ 竹輪って言いながら竹輪の形の麩が入っているやつ ありゃいけないね 口の中に入れたら溶けちまう 竹輪が厚く切ってあって嬉しいね こんなに厚く切ってお前んとこ利益あるのかい いや、嬉しねぇ・・・・」
と、歯の浮くような世辞をとうとうと並べ立てながら手繰る
食い終わると
「実は脇でまずいそばを食っちゃった おまえのを口直しにやったんだ 一杯で勘弁しねえ いくらだい?」
「十六文で」
「小銭でいいかい? 小銭は間違えるといけねえ 手ェ出しねえ それ、一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ、今、何どきだい?」
「九ツで」
「とお、十一、十二・・・」
と払って、すーっと行ってしまった
これを一部始終ぼぉーっと見ていた男、よく喋って食い逃げでもするかと思いきや勘定までちゃんと払って拍子抜け
「あんちきしょう、よくしゃべりやがったな はなからしまいまで世辞ィ使ってやがら 値段だって聞くことねえ 十六文と決まってるんだから それにしても、変なところで時刻を聞きやがった、あれじゃあ間違えちまう」
と、何回も指を折って
「・・・・七つ、八つ、何どきだい、九ツで・・・・・???、まてよ・・・七つ、八つ、何どきだい、九ツで」
とやって気がついた
「あっ、あいつ何刻だい、九ツで、ここで一文かすりゃあがった うーん、うめえことやったな」
自分もやってみたくなった
翌日、同じような時間にすればいいものを待ちきれずに早い時刻にそば屋を捕まえた
「しっぽくしとつこしらいてくんねえ 寒いなぁ」
「へえ、今夜はだいぶ暖かで」
「ああ、そうだ 寒いのはゆんべだ どうでえ商売は?」
「おかげさまでこのところいっぱい売れていまして」
「逆らうね・・・・お前んとこの看板お的な、的に矢が・・・・当たってねえな?なぜ当たってないんだ」
「手前どもは食べ物商売 当たってはいけませんからハズしています」
「ああ、成る程ね・・・・どうでもいいけど、蕎麦が遅いねえ まあ、オレは気が長えからいいや・・・・おっ、できたか、感心に割り箸を・・・割ってあるね、手間なくていいや いい丼だ・・・まんべんなく欠けてるよ 鋸に使えらあ まぁいいか 蕎麦をいただこうか いい香りだ、鰹節をおごって・・・ズズッ・・・ぶあっ、塩っからい 蕎麦は・・・太いな、ウドンかい、これ まあ、食いでがあっていいや ずいぶんグチャグチャしてるね茹ですぎじゃないのか 消化がいいからいいか 竹輪は厚くって・・・あれ?竹輪無いね おめえんとこ、竹輪使ってあるの? 使っているって? ・・・ありゃ、あったよ 丼にひっついていてわからなかったよ 薄いねぇこりゃ 向こうが透けて見えらあ 月なんか見たら風流でいいか いくらだい?」
「十六文で」
「小銭でいいかい? 小銭は間違えるといけねえ 手を出しねえ それ、一つ二つ三つ四つ五つ六つ七つ八つ、今、何どきだい?」
「四ツで」
「五つ六つ七つ八つ・・・」
<小言幸兵衛>
麻布古川町に小言を言う事を生き甲斐にしている大家の田中幸兵衛さん、人よんで小言幸兵衛さんが住んでいた
毎朝長屋を一回りして小言を言っている
今朝も長屋を回って帰って来ると、お婆さんに小言を連発
しまいには猫にまで、寝てばかりいないで鼠でもとれと説教しだす始末
そこに表店(おもてだな)の貸し店を借りたいと豆腐屋が入ってきた
口の利き方が悪いと小言を言い、なかなか本筋に入っていかない
豆腐屋さん、家族のことを訊かれ
女房がいる、餓鬼なんてものは汚いから、おかげさまでそんなのは一匹もいない
と、胸を張って言うので、さあ幸兵衛は納まらない
子供の出来ない女房を持っているくらいなら、出来そうな女房を世話するから、今の女房と別れてしまえ、と言う始末
豆腐屋さん、カンカンに怒って声を荒げ、のろけを言って帰っていった
次に来たのは仕立屋さん
仕立屋さんは前の豆腐屋さんと違ってバカ丁寧な腰の低い人だった
幸兵衛さんも喜んでお茶や、羊羹を出して歓待した
家族のことを訊かれた仕立屋さん
息子は二十歳で腕も立ち、私に似ず器量もいい
と答えた辺りから風向きが変わった
息子が独り者と聞いた幸兵衛さん「店は貸せない、心中が出るから」
「心中が出ますか?」
「出るとも 筋向こうの古着屋があって、そこの一人娘がお花 今年十九で、麻布小町と評判の器量良し おまえのせがれはずうずうしい野郎だから、すぐ目をつけて、古着屋夫婦の留守に上がり込んで、いつしかいい仲になる これはくっつくな、きっと 女性は受け身、その内お腹がふくれてくる 隠してはおけないから涙ながらに白状する そうすると両方の家が大騒ぎだ」
「あの~、まだ引っ越してきていないのですが」
「出来てしまったのだから仕方ない、向こうは一人娘、息子をやってしまいな」
「それは出来ません 家も一人息子ですから・・・それでは嫁にいただきましょう」
「もらうことばっかり考えている、欲張りめ 一人息子に一人娘、婿にもやれなければ嫁にもやれない そのように両方の親が反対していれば生木を裂くようなもの、心中するな」
「こうなると心中になるんですか~ でも、まだ引越して来ていないんですが・・・」
話しながら芝居に入り込む幸兵衛さん
「心中となると舞台が開くな 幕が開いて大家、俺だが出てきて長屋連中を連れて、『迷子や~~い』と探し歩くな 舞台が変わって洲崎堤、二人は心中の道行き お花がお前の息子の名を呼ぶが・・・ところで名前はなんという」
「出淵木太左衛門」
「でぶち もくたざえもん?流行らない名だな 仕方がない『そこにいるのはお花じゃないか』、『そう言うお前は、もくたざえもんさん・・・』だらしなくて、いけね~や・・・
本舞台七三でにやけた白塗りのおまえのせがれが『・・・七つの鐘を六つ聞いて、残る一つは未来に土産 覚悟はよいか』『うれしゅうござんす』『南無阿弥陀仏』・・・そういえばおまえのとこの宗旨は? 法華だぁ? 心中ものには似合わないなぁ あれは『南無阿弥陀仏』ってやるからしっくり来るんだ 『南無妙法蓮華経』じゃ賑やかすぎて情緒がないな でもまぁ出来ないことはない
『覚悟はよいか』『うれしゅうござんす』『南無妙法蓮華経』・・・婆さん、古着屋の宗旨は何だったっけ? えっ?真言宗? となると・・・
『覚悟はよいか』『うれしゅうござんす』『南無妙法蓮華経』『おん あびらうんけん ばさらだとばん おん あびらうんけん ばさらだとばん~』・・・・これじゃ、心中にならない」
<不動坊>
噺家や講釈師など芸人のことを昔は「遊芸稼人」と言ったさそうです
それがある時期から「技芸士」と名前が変わりました
それと同時に鑑札が貰えるようになったとか
鑑札が無かったら営業ができなかったそうです
「遊芸稼人」から「技芸士」に名前が変わって税金が倍になったそうで
今も昔もお上のやることには、変わりはございません
「利吉さん、いてるか?」と、大家さんがやってきた
「これは大家さん、わざわざこんな汚いとこへ来てもぉて・・・」
「これ、そぉ「汚い汚い」言ぃないな こらわしのうちやがな」
「違いおまへん で、何ぞご用で?」
大家は利吉が働き者で、いつ来てみても手を遊ばしてるといことがないことを褒める
この長屋には寡が四人いてるが、利吉以外の三人は働きもせず考えることは遊ぶことばかりロクなやつが一人もいないとぼやく
「おまはんはコツコツ仕事をして貯めた金を、近頃ではあっちゃこっちゃへ融通してるそぉななぁ それも高い利ぃを取らんと 助かってる人が大勢あるっちゅう話やが だいぶに残したんやろ? 貯めたんやろ? 隠さんでもえぇがな、誰も貸せっちゅうんやないがな しかし人間といぅものは金ができたさかいそれでえぇといぅもんでもない 持つもん持たんことには世間が馬鹿にしよる でや、このあたりで嫁を取る気はないか?」
「親戚や知り合いからもちょいちょい言われまんねんけど、死んだ親父が言ぅてました「嫁とお仏壇は持ち急ぎするもんやない」気に入らんさかいちゅうて、ちょいちょい取り替える訳にいきまへんさかいなぁ」と利吉
(落語の途中ですが、さる1号、この部分を聴きながらそりゃ違うと・・・ 嫁を持ち急ぎはしなかったけれど取り替えたいーー;)
おしゃべりで口の軽い女は嫌だという利吉さんに大家は自分が世話をしようという女ごだから間違いはないという
しかも長屋の女だという
「この長屋の女はみな、ドしゃべりばっかりでっせ もの言わず・・・戸口の糊屋のお婆(ば)んでっか? 殺生ょ~やがな、あれ七十二ぃや」
「誰がお婆さんを世話しょ~ちゅうねん お前もよぉ知ってる不動坊火焔の女房、お滝さんや」
「帰っとくなはれ そぉでっしゃないか、朝からヤモメなぶりに来んといとくなはれ あんた今言ぃなはったやろ「不動坊火焔の女房お滝」お滝さんには不動坊火焔といぅ亭主がいてまっしゃないか」
その不動坊火焔は講釈師なのだが、大家が言うには九州に巡業に出かけ、帰りにもう一儲けと山陰筋を細く巡業しながら帰り道についたが、これが広島の宿では散々の不入り、持ち金も無くなりどうにもこうにも動きが取れなくなってしまった時に弱り目に祟り目といやつで流行病を患らってコロッと死んでしまった
死骸は宿屋の方で片付けて、宿銭に医者代に葬式代三十五円といぅ借金ができたと
「お滝さんがわしのところへ相談に来て言ぅのには、腐っても芸人の端くれでおます 箪笥の中に衣装の三枚や五枚はおます その着物と道具を売り払ろたかて三十や五十の金はできますが、それを返してしもたんではあと裸で暮らさんならん まだわたしも老い朽ちた身やなし、三十五円のお金を結納代わりに誰ぞもろてくれる人があったら、どこぞへ縁付きたい」と、こない言ぅね 相手はお滝さんや、もらう気ぃあるか?」
「お滝さん・・・、ありがたいなぁ お滝さんやったらず~ッと前から惚れてたんや
お滝さんね あれ、俺のかみさんなんですよ あんまり綺麗でくやしいから、今はちょっと不動坊に貸してやってるんだーって、思ってて だから、お滝さんホントは俺のかみさんなんですよ!」(なんだか一歩間違えるとストーカーのような:さる1号談)
「人の女房にず~ッと前から惚れたりしたらややこしぃで・・・・借金の三十五円も出したってくれるか?」
「お滝さんは俺のかみさんなんですから、借金も一緒にもらいますよ むしろ、働き甲斐があるってもんだ!」(男前だねぇ:さる1号談)
そんな訳で大家はこの縁談を進めることにした
喜ぶ利吉、いっそのことお滝さんに今夜から来てもらいたいと言う
大家は猫の子もらうようなわけとは違うと言うものの、根負け
お滝さんが良いと言えば連れてくると言ってくれた
「そぉなるとお前、今晩花婿やで、風呂に入って綺麗にしなきゃいけない
そこらも綺麗ぇに掃除して「乞食も身祝い」ちゅうことがあるさかい、尾頭の付いたんと酸い酒の一合も用意しときなはれ 今夜連れてくるさかいあんじょ~しときや」
大家はお滝さんのところに向かった
残された利吉さん、風呂に行くことにしたが、舞い上がってしまいやることが無茶苦茶
風呂行くのに鉄瓶下げて出ようとしたり、戸締りに内らからカンヌキ掛けて出られなくなってしまったり
でもなんとか風呂屋に行った
湯船の中でも舞い上がっている利吉さん
「お滝さん来たら、どない呼んだろかいなぁ・・・おい、お滝「まぁ、今まで朝晩お滝さんちゅうてて、自分の女房になったとたんにお滝、こんな薄情な人やとは思わなんだわ」てなことになったら具合悪いし、どない言ぅたろかいなぁ
お滝さん、縁あって今夜こぉしてうちへ来てもらいましたけど、不動坊の先生さえ生きててくれはったら、こんなとこへ嫁入りして来んでもえぇもんを
それもわずか三十五円といぅ金のために、嫌な男に身を任さんならんとは、ホンに金が敵の世の中やなぁ と思たはりまっしゃろなぁ けど、それではちょっと水臭いやないか そぉでっしゃろ、おい、お滝!」
大きな声で独り言、周りから気味悪がられる
終いには芝居がかってしまいお滝さん役で女形にもなって熱演
「そりゃわたしじゃとて、不動坊火焔といぅ遊芸稼ぎ人を亭主に持っておりますと、上ベは派手なよぉでも、夏は夏がれ冬は冬がれ、芸人の息するときはわずかしかありゃいたしまへん 同じ所帯の苦労するのなら、いっそ堅気のお方と苦労がしてみたいと思ぉとりましたが、利吉っつぁん、この長屋にはあんたを入れてヤモメが四ったりいたはりますが、あんたを除けたほかの三人はロクな人が一人もいたはりゃしまへん
漉き直し屋の徳さんはワニ皮の瓢箪みたいな顔したはります カモジ鹿の子活け洗いの裕さんは鹿の子の裏みたいな顔で、東西屋の新さんは商売柄とはいぃながら、大きな太鼓を腹へ掛けて町中をドンガン・ドンガン歩いたはりますけど、家ん中はヒ~フル・ヒ~フル節季の払いもさっぱり、泥海ちゃんぽんでおますわいな
そこへくると利吉っつぁん、あんたはお金があって男前で程がよぉて親切で、ホンに女ごと産まれたからは、こんな殿御と添いぶしのぉ、身は姫御前のォ~♪」
「おいおい見なされ この人湯の中で浄瑠璃やってまっせ」
「日ごろ念じた甲斐あって、今宵こぉして来たからは、あんたに任した体じゃもの、どぉなと信濃の善光寺さんは、こないだから阿弥陀池でご開帳があったやないかいなぁ~」ドッボ~~ン!
「はまってますわ、ちょっと上げたげなはれ」
大騒ぎの後、利吉さんは帰っていった
この熱演を湯船の隅で見ていたのが徳さん
もう怒ったの怒らんの 体も拭かんとそのまま帰ってまいりますと、ヤモメ連中呼び集めます
「今、風呂行てたらな、風呂の中で一人で泣いたり笑ろたりしてるケッタイな男がおるねん よぉ見たら金貸しの利吉やぬかしてること聞ぃたらアイツ不動坊火焔とこのお滝さんな、後家になったろ で、大家の勧めであいつとに嫁に行くそうだ 腹たつやろ しかもな、アイツ風呂の中で俺たちの悪口も言いよったんや この長屋にはあいつを入れてヤモメが四ったりいてる、あいつ除けたほかの三人はロクなやつが一人もいよらん 漉き直し屋の徳の顔はワニ皮の瓢箪や お前らのこともこんなふうに言っとったで・・・・・」と、徳さん
悪口に腹を立てた三人、密かに狙っていたお滝さんを取られた嫉妬もあってあだ討ちをすることにした
俺に思惑がある、と徳さん
「不動坊火焔が死んでまだ四十九日も経たんうちによそへ嫁に行くやっちゃ、行くほぉももらうほぉもあんまりえぇ気やないわい そこを付け込んで、今夜不動坊の幽霊を出したろと思うねん 「わしが死んですぐによそへ嫁入りとはあんまり胴欲な、それが恨めしぃて浮かべん 二人とも髪下ろして坊主になれ」って言って頭をクルクルッと丸めさして、明くる朝、その坊主頭見てみなして笑おっちゅうのんどや? 幽霊役は誰がやるかって? この裏に軽田道斎といぅ不動坊と同商売の講釈師が住んでよんねんけど、こいつが不動坊が旅してるあいだにお滝さん口説いてボ~ンと弾かれてるムカつきがここにあるさかい、これ、煽ったったらきっとやりよる 新さん、すまんけど太鼓持ってきてんか 幽霊出るときドロドロドロと叩いてくれ それから、裕さん、幽霊火をたきたいと思うんでアルコール買ぉてきてんか あとはわしがあんじょ~するさかい、頼んだで」
悪い相談といぅものはすぐまとまりますもんで、日が暮れになりますとみな集まって来てた
寒い夜で白いものもちらちらと降ってくる
このまま本降りになりそうな気配だ
寒い中、皆利吉の家の屋根に登った 中の様子を伺うと利吉とお滝さんが仲良く話をしていて悔しさ倍増
「先生(講釈師のこと)、ここにサラシがおまんねんけど、サラシって言っても手頃なのが無かったから褌繋いだサラシですから丈夫でおます これで胴くくりさしてもらいますわ そこが天窓でっしゃろ、そっからず~ッとぶら下がって降りてもらいます・・・・しっかり結びましたぜ 丈夫なもんだす ほな、下ろしまっせ・・・・ヨットセェ」
「裕公、幽霊火持ってこい、アルコールのことや ん? なんや蓋もせんと こんなもんフタしとかんと気ぃ抜けてしまうやない ん? 出ぇへんなぁ?」
どこで買ぉてきたんやと訊くと角の饅頭屋で買ったと言う
アルコールと聞いてアンコロと間違えたらしい
「アルコールとアンコロを間違うか? ほんでまた、どこぞの世界にビン持ってアンコロ買いに行くやついてる?」
「饅頭屋のおっさんも言ぅてたわ「詰めにくい」
「当たり前や このボケ、カス、ヒョウタン」
「そらわいはアホじゃ、アホやさかいこの雪降るのんに他人の家の屋根上がって、こんなことしてるんやないか お前もあんまりカシコ無いぞ、お前がアホかわいがアホか利吉起こして聞くか?」
と、屋根の上で大騒ぎ
たまらないのが宙ぶらりんな講釈師、この体、上げるか下げるかどっちかしてもらわんと、サラシが腹に食い込で・・・と訴える
幽霊火は諦めて太鼓をドロドロドロと叩き幽霊を下げていった
「うらめしぃ~、迷ぉて出たぁ~ 不動坊火焔の幽霊じゃぁ わしが死んですぐによそへ嫁入りとはあんまり胴欲な それが恨めしゅ~て浮かべん 二人とも髪を下ろして坊主になれ~」
その声を聞いて様子を見にきた利吉さん
「ほぉ、あんた不動坊の幽霊でっか けどわたしら恨まれるよぉなことした覚えおまへんねや そぉでっしゃないか、そらあんたが生きてる間にわたしとお滝さんがおかしな仲になったちゅうんなら話は別や あんたが死んだあとでちゃ~んとした仲人を立ててもぉた嫁はんですわ
それにや、おまはんが残した三十五円といぅ借金は、いったい誰が払ろたと思てんねん?」
「えっ?そんなん聞ぃとりまへんので・・・すんまへん 恨めしぃ~」
「ケッタイな幽霊やなぁ お前も十万億土ちゅう遠いとこからやって来て素手で帰るわけにいかんやろ、折角来たんやさかい十円持って退散しなはれ」
「十円……? 十円では恨めしぃ」
「幽霊が駆け引きすな ほなもぉ十円足そ、二十円で手ぇ打ち」
「二十円!上に三人、わしを入れて四人、ひとり頭五円・・・手ぇ打たしてもらいます 幾久しゅ~お睦まじゅ~♪ 四海浪静かぁにぃ~」
何やようわからんが二十円で手ぇ打ってきよったで 引き上げたれ、引き上げたれ・・・と幽霊を引き上げる屋根の上の三人
下ろししなはそっと下ろしたんで良かったんですが、グ~ッと上げたものですからサラシの結び目が天窓の隅へ引っかかってブツッ!
幽霊そのまま下へドス~ン! 屋根の上の三人、屋根から落ちて往来へゴロゴロゴロ~ッ!
「お滝さん、恐がることおまへん 向こぉのほぉで「痛たぁ、う~ん」言いよった あんなこと言ぅ幽霊があるやろか、わたい見てきまっさかい灯りかしとくなはれ・・・コラッ、誰や」
「本日はお日柄もよろしく・・・」と幽霊
「何ぬかしとるねん。何もんやお前?」
「隣り裏に住んでおります軽田道斎といぅ講釈師で」
「講釈師? 講釈師が幽霊の真似して金取ったりするのんか?」
「へぇ、幽霊稼ぎ人でおます」
2Fの寄席会場を居酒屋に戻すので一旦外で待機
準備ができたら乾杯〜♪
( ・∀・)っ凵凵c(・∀・ ) カンパーイ
ごきゅごきゅ(´c◇ゞ ぷはぁ(^o^)□ おかわり(^-^)_□
玉子がある、嬉しいねぇ♪
ここの煮込み、美味しいんだよね
さて次は何にしようかな
日本酒、桜の舞に切り替えます
日本酒飲むと電車を乗り過ごしてしまうので注意が必要なのですが、横浜で飲む時は大丈夫
寝る前に降りる駅に着くからね
尤もこの日はコルセットでガシガシに締め込んでいたのであまり食べられなかったし乗り過ごしが心配になる程飲めなかったけれど
玉子サンドは開いて中をチェック
某コンビニとは違います^^;
飲んだ後は甘いもの〜♪
まこさんとよーちゃんさんと一緒に行ったのはCafe La Mille
コルセットでガシガシに締め付けていても別腹は発動できるんだね
別腹ってどういう構造なんだろう^^;
まず現物チェックをしてから入店
さてさて何にしようかな
当然ケーキセット
自分はモンブラン
秋だからね
飲み物は皆紅茶でした
久しぶりの蒔田演芸会 & 水道代の請求金額に震える [日常のなかで(Diary)]
この日は山下公園へ秋薔薇撮りに行こうとしたものの、寝坊して薔薇撮りを断念した日
そのまままったりと過ごし、午後は蒔田へ
蒔田でSS風呂ガーの”よーちゃん”さん出演の演芸会があるのです
蒔田演芸会は久しぶり、本年度初めて
武漢肺炎こと新型コロナの影響で今迄開催できなかったのです
素人さんメインの演芸会ですが、プロの噺家さんも出演(特別出演&指導)
素人さんだって落研の学生さんや玄人はだし、なかなかのもの
開演ちょっと前に会場に到着
SSブロガーのkinkinさんとRchoose19さんが既に到着していました
今回は演目の中から落語のみをご紹介
<饅頭こわい> 三春家 たこ丸 さん
今日も長屋の若い者たちが集まって馬鹿話に花を咲かせていると一人血相を変えて飛び込んでくるものがいる
「留公じゃないか、どうした?」
「誰か追いかけてこないか 松ノ湯脇の近道を来ると、後ろから『留!』と呼ぶ声がしたんだ 振り向くと大きな口を開いた大蛇がいて呑み込もうとしてたので慌てて逃げてきた 」
「なに大蛇がいるって? どれくらい大きいんだ?」
「これくらい・・・」
留公は両手で20cmぐらいを示した
「そんなに太いのか?」
「胴回りじゃないよ 長さが・・・」
「なんだ、情けない 普通の蛇じゃないか どこが大蛇だ」
「長いものは恐いよ 鰻もドジョウもミミズも恐い」
「コイツの言うことも分かる 人は胞衣(えな)を方角を決めて埋めた土の上を、初めて通った虫を嫌いになるという言い伝えがある
虫が好かないというよな そうだ!ここで、皆で何が恐いか言い合ってみよう」
そんな訳で皆嫌いなもの苦手なものを言うことになった
「俺はヘビ」
「留と同じだな そっちは?」
「カエル 口をパクッと開けたのは恐い、考えたら家のカカアが『夕んべはどこ行ってたの』と、口をパクッと開けるのを見てから恐くなった」「俺は、ナメクジ ヌルヌルしていて恐い」
聞いていくと、ヒル、蜘蛛、ゴキブリ、毛虫、蟻、馬、ミミズ・・・嫌いなものは恐い
向うを向いてたばこ吸っているのは松公
「松公、何一人離れてタバコ吸ってんだ 皆で怖いものを言い合ってるんじゃないか お前も言えよ 何か恐いものは無いか」
「へっ、情けねぇ 大の男が怖いものだって?無いッ ねーよ」
「じゃ~蛇なんかはどうだ」
「蛇なんか見るとゾクゾクする 旨そうだから食べちゃう ものを考えるときは鉢巻代わりに頭に締める
カエル?カエルはは皮をむいて焼いて食べちまう ナメクジは三杯酢にすりゃあいい ミミズはケチャップ掛けたらスパゲッティー・ナポリタンだ 恐いものはなんにもねェ~よ」
「お前は偉いよ 皆、子供に返って恐いものの話をして遊んでんだ それじゃ、場がしらけちまうよ」
「怖いものなんて無いから仕方ない 蜘蛛なんて納豆の糸の引き具合が悪いなって思ったら混ぜてかき回すと糸が増えて具合いい 蟻なんか赤飯もらったときに、ゴマ塩代わりにかけて食べる ただゴマがちょこちょこ動くのが食べ辛い 毛虫が恐い?あんなものは柄を付けて歯ブラシ代わりにする 馬だって残らず食う 恐いものなんて無い無い・・・チョット待った 有る、一つだけ 忘れようと粋がっていたが、有るんだ」
「それは何だ」
小さな声でポツリと
「饅頭」
「?」
それを聞いた男たちは大笑い
いろいろな饅頭の話をしていると、みるみる松公の顔色が変わってきてガタガタ震え出した
さらに饅頭の話をすると聞泣き出して手に負えないので隣の三畳間に布団を引いて寝かしつけた
普段からひねくれ者で、左と言えば右と言うし、右と言えば左、黒いと言えば白だと言い張る生意気な野郎で、嫌われ者だった松公
一同この時とばかりに仕返しをしようと目論む
饅頭を皆で買ってきて枕元に置いたら面白いと衆議一決した
でも饅頭の話だけで寝込んだぐらいだから枕元に饅頭があったらショック死してしまう 殺人罪になりゃしないかと心配する輩もいたが饅頭だけに”あん殺”だから大丈夫と
そんな訳で皆で饅頭を買ってきた
腰高饅頭、栗饅頭、蕎麦饅頭、木の葉饅頭、揚げ饅頭、肉まん、葛饅頭、薯蕷饅頭、今川焼きはチョト違うがそれも混ぜて、お盆に山積みにて布団をかぶってガタガタ震えている松公の枕元にそーっと置いて障子を閉めた
「松っちゃん、具合はどうだい? ちょっと枕元を見てごらん」
その途端「饅頭ッ」と絶叫があがった
でもその後の様子がおかしい
叫び声は出ているが、ムシャムシャ音がするし、絶叫もだんだんと口ごもっている
不思議に思って障子を開ける一同
そこには饅頭恐いぃと叫びながら饅頭を美味そうに食べる松公がいた
暗殺は失敗に終わった
障子の陰でワクワクしながら様子を伺っていた連中、騙されたと知ってカンカン
しまったこれは一杯食わされたか
「一体お前は何が怖いんだ」
「今度は濃いお茶が一杯怖い」
。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ
<京の茶漬け> 今川 あずき さん
大阪の食い倒れ、高松の熱燗、京の茶漬けと言われます
大阪の食い倒れは食べ物屋さんが多く皆繁盛しています
高松では帰りかけると、「ママいいがなまぁアツカンデ」と言われます
熱燗が出るなら待っていようかと思いますが出て来ません
で、帰ろうと思いますとまた、「ママいいがなまぁアツカンデ」と言われ、いや、冷やでも良いからと思っても一向に出て来ません
これは熱燗が出て来るのではなく「せっかく来ていただいたのに、何の愛想もない 何もあつかわんで・・・」、と言っているので、熱燗が出て来るという事とは違います
京には同じような言葉があって、帰りかけると「時分ですからお茶漬け(ぶぶづけ)でも・・・」と言います
「ははぁ・・・、お茶漬けが出るんだな」と思いますが、これが出た例しがないのです
これは愛想言葉で、聞いた方も「いえいえ、お言葉だけで呼ばれたのも同じですワ」と言葉を返すのだそうです
毎回、これを聞かされて意地になった男がある日、「本当に茶漬けが出るまで居座ってやろう」と心に決めて、わざわざ大阪から京都まで出かけた
応対に出たおかみさんが「主人は外出していまして、いつ帰るか分かりませんが」と言う
「そうですか、ご主人に急いでお訊きしたいことがありますので待たせてもらいます」と座敷へ通してもらった
「いえ、昨日、ご主人が我が家へ来られたばかりで、その時に訊けばよかったのですが度忘れしてまして
でも、ちょうど活きの良い鯛がありましたので久し振りにご主人と楽しい酒の席が持てました
いえね、たまたま、明石の活きのいい真鯛があったので、酒もあるし無理に引き留めて、素人の包丁ですから、引きちぎったような刺身でしたがそれで飲んで貰い、丁度飯を炊いてるところだから飯も食べてってくれと先程の鯛にワサビを付けてご飯に乗せて食べたら『美味い、美味い』とお代わりまでしてくれたんですわ・・・いえいえ、お礼は良いんです
時分時であり合わせの物で食べていただいたんですから・・・時分時であり合わせの物なのに、『美味しい美味しい』と、食べてくれはったのです・・・あり合わせの鯛で・・・、間に合わせの物で・・・」
と、男は主人を歓待したことを伝え、それとなく食事を催促するが
「そうだったそうですね 主人も喜んでいました」とおかみさんは言うばかりで、食事を出そうという気配は全く観られず、お茶の一杯も出ない
知人は帰って来ず、昼飯時になった
「ちょっと小腹が空いたので出前でも取ってもらえますか?」と頼むと、「生憎とこの近くには店屋がありませんで」とおかみさんは言う
さすがの男も諦めて「そうですか では改めてお伺いします」と言って腰を上げ掛けると
「折角お越しいただいたのに申し訳ございませんでした 何もございませんがぶぶ漬けでも」とおかみさんが言った
おかみさんも今まで辛抱していたんだから言わなければ良かったんですが、つい口癖で帰りかけると、口が滑った
男はこれを言わせたいために、来たのですから「そうですか」と座り直してしまった
おかみさん、しまったと思ったが後の祭り
このおかみさんも決してそんなケチな人やないんです
最前から謎かけてるのんも十分わかってますけれども、どこのお宅でも、そのご飯の段取りといぅものがあります
朝御飯を済ませ、いつもはもっと御飯が残るのに、何かの間違いでご亭主がたくさん食べたとか何かでこの日に限って残りは僅か、まぁ自分一人分があればいいから昼は少しで辛抱して、その代わり晩はご飯を多めに炊いて・・・という段取りがつけてあった
お櫃を引き寄せてフタを取ってみると、底に心細ぉ残ってるご飯
「足りるかいなぁ」と思案をしながらこれをよそって、縁にへばり付いてるやつみな扱き落として、よぉよぉのことで軽るぅ~に一膳こしらえ、それへたっぷりとお茶をそそいで、漬けもんと箸を出した
「お口汚しに」
「えらい済んまへん、こちらでまぁ、ご飯まで頂戴するやなんて ちょっとお腹が減っとりまして・・・、お言葉に甘えさせていただきます(ホンマの茶漬けやなぁこら^^;)いただきます(ズッズ~)
お茶がよろしなぁ、やっぱりご当地は宇治が近いさかい常からこんなえぇお茶使こてなはる・・・(ズッズ~)
漬け物も良いですな、ご当地の物をお漬けになった(ズッズ~)
流石に京都の漬物は一味違いますなぁ(ズッズ~)」
男は漬け物を褒めながら茶漬けを食べ終えるが、「お代りをしましょうか?」という声が掛らない
そこで今度は空になった茶碗を捻くり回して「いい茶碗ですな清水焼ですかな」と暗にお代りを催促するが、おかみさんは知らん顔をしている
しびれを切らした男が茶碗の中を見せ、「この茶碗は何処で買われました?」と訊くと、おかみさんは空になったお櫃の中を見せ「はい、このお櫃と一緒に近所の荒物屋で」
(*∩v∩*) ニッコリ♪
<堀の内> 海亭 二万哩 さん
粗忽者の亭主
片方草履で、片方駒げたを履いておいて「足が片っぽ短くなっちまった 医者を呼べ」と騒いだ挙げ句に、「片方脱げばいい」と教えられ、草履の方を脱ぐ始末
なんとか粗忽を治したいと女房に相談すると、信心している堀の内のお祖師さまに願掛けをすればよいと勧められ、行くことにした
出掛けに子供の着物を着ようとしたり、おひつの蓋で顔を洗ったり、手拭いと間違えて猫で顔を拭こうとしてひっかかれたりの大騒ぎ
弁当を持ってゆくようにと言われカミさんに用意してくれと言うが、そこに置いてあるから自分で包めと言われ、ささっと包んだ
そんな大騒ぎの末、ようやく家を出る
途中で行き先を忘れ、通りがかりの人にいきなり
「あたしは、どこへ行くんで?」
なんとかたどり着いたはいいが、賽銭をあげるとき、財布ごと投げ込んでしまった
「泥棒ッ」
と叫んでも、もう遅い
「じゃぁ1ヶ月分のお参りの先払いということで」
空腹をおぼえ、本堂の脇で首に結わえていた弁当を開くと、風呂敷に弁当ではなく、カミさんの腰巻きに箱枕
お寺の坊さんに「ちょっとアンタ変なもの開けられちゃ困りますね」としかられる始末
俺に荷造りをさせるからだと怒った亭主
帰って戸を開けるなり
「てめえの方がよっぽどそそっかしいんだ! 枕を背負わせやがって! なにを笑ってやんでえ」
と怒鳴ると
「おまえさんの家は隣だよ」
「こりゃいけねえ」と家に戻って
「どうも相すみません」
かみさん、呆れて
「隣で怒って、家であやまてもしょうがないでしょ お弁当はこっちにあるって言ったのに、おまえさんが間違えたんじゃないか それよりこっちは着ける物が無くて、スウスウして困った」と逆に言われてしまった
「で、腰巻きと枕は?」
「あ、忘れてきた」
かみさんに頼まれ、湯に子供を連れて行こうとすると
「いやだい、おとっつぁんと行くと逆さに入れるから」
「今日は真っ直ぐに入れてやる おとっつぁんがおぶってやるから おや、大きな尻だ」
「そりゃ、あたしだよ、およしなよ まだ夜じゃないよ♡」
湯屋に着くと、番台に下駄を上げようとしたり、もう上がっているよその子をまた裸にしようとして怒られたりと、ここでも本領発揮
平謝りして子供を見つけ、
「なんだ、こんちくしょうめ ほら、裸になれ」
「もうなってるよ」
「なったらへえるんだ」
「おとっつぁんがまだ脱いでない」
子供を洗ってやろうと背中に回ると
「あれ、いつの間にこんな彫り物なんぞしやがった おっそろしく大きなケツだね 子供の癖にこんなに毛が生えて」
と尻の毛を抜くと
「痛え、何しやがるんだ」
鳶頭と子供を間違えていた
「冗談じゃねえやな おまえの子供は向こうにいらあ」
「こりゃ、どうもすみませんで おい、だめだよ おめえがこっちィ来ねえから・・・ほら見ねえ こんなに垢が出らあ。おやおや、ずいぶん肩幅が広くなったな」
「おとっつぁん、羽目板洗ってらあ」
。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ
<ヤカン> 當今亭 㐂ん肉 さん
この世に知らないものはないと広言する隠居
長屋の八五郎が訪ねるたびに、別に何も潰れていないが、グシャ、グシャと言う
いつも愚者、愚者と言われむかついている八五郎は隠居をへこませてやろうと、物の名の由来を次から次へと聞き始めるが、隠居はこじつけて煙に巻いて行く
最初に、いろいろな魚の名前は誰がつけたかという質問で戦闘開始
魚の鰯は岩にシィーするからイワシー、イワシ
鮪は群れをなして真っ黒で泳ぐからマッグロ、マグロ
ほうぼうは方々泳ぎ回るから
こちはこっちに泳いでくるから
鯛は目出度いから
鯨は、必ず9時に起きるのでクジら
ひらめは平たいところに目があるから、カレイも平たいところに目があると問い詰めたが、「あれはヒラメの家来で、家令をしている」と隙を見せない応答ぶりだ
鰻はというと、昔はのろいのでノロといった
あるとき鵜がノロをのみ込んで、大きいので全部のめず四苦八苦
鵜が難儀したから、鵜、難儀、鵜、難儀、鵜難儀でウナギ
話は変わって日用品
茶碗は、置くとちゃわんと動かないから茶碗
土瓶は土で、鉄瓶は鉄でできているから
「じゃ、やかんは?」
「やでできて……ないか 昔は」
「ノロと言いました?」
「いや、これは水わかしといった」
「それをいうなら湯わかしでしょ」
「だからおまえはグシャだ 水を沸かして、初めて湯になる」
「はあ、それで、なぜ水わかしがやかんになったんで?」
「これには物語がある」
昔、川中島の合戦で、片方が夜討ちをかけた
かけられた方は不意をつかれて大混乱
ある若武者が自分の兜をかぶろうと、枕元を見たがない
あるのは水わかしだけ
そこで湯を捨て、兜の代わりにかぶった
この若武者が強く、敵の直中に突っ込む
敵が一斉に矢を放つと、水わかしに当たってカーンという音
矢が当たってカーン、矢カーン、やかん
蓋は、ボッチをくわえて面の代わり
つるは顎へかけて緒の代わり
やかんの口は、名乗りが聞こえないといけないから、耳代わり
「あれ、かぶったら下を向きます 上を向かなきゃ聞こえない」
「その日は大雨 上を向いたら、雨が入ってきて中耳炎になる」
「それにしても、耳なら両方ありそうなもんだ」
「ない方は、枕をつけて寝る方だ」
(*∩v∩*) ニッコリ♪
<相撲場風景> 可笑家きゃらめる さん(SSブロガーのよーちゃんさん)
相撲は取る方も見る方も力が入る
そんな大騒ぎの相撲観戦をオムニバスで仕立てたお話
遅れて観戦に来た男、場所を取っておいてくれた連れに取り組みを訊くも判らないと言う
朝から五時間も此処にいて判らないと言うことはないだろうと言うと向こうの背の高い人の頭が邪魔で土俵の相撲が見えないと言う
「もしもし、その前のほぉに座ったはる背ぇの高い人 そぉそぉあんたあんた、今、後ろ向いた人、あんたです 背ぇが高こますねん ちょ~どね、あんたそこに座ったはるとね、あんたの頭だけ邪魔になってね、ここ後ろ四、五人皆目、土俵の相撲が見えまへんねん すんまへんが、その頭どないぞしてもらうわけにいきまへんか?」
「あぁさよか、そらえらいすまんこってした この頭どぉいぅふぅにさしてもらいまひょ?」
「へぇ、その場所でよろしぃさかいね、すんまへんけどちょっと前へ頭下げてうつむき加減になっててもらいまひょか」
「あぁなるほど、ここでうつむきますか へぇ分かりました、ちょっと待っとくれやっしゃ……、こんなもんでどぉです?」
「えらいすんまへんけど、もぉちょっと前へ下げてもらえまへんか」
「あぁさよか……、こんなもんでいかがです?」
「えらい無理言ぃますけど、もぉちょっと何とかなりまへんか?」
「それやったら、いっそのことこれでどぉです?」
「あぁ、おおきありがとぉ お陰でよぉ見えるよぉになりました」
「ところが、こっちが見えまへんで これやったら前の人の足の裏ばっかし見てまっせ」
「ほなこぉしまひょか、今度は前やなしに、その頭横のほぉへポイッと振ってもらえますか、へぇ、横のほぉにポイッと振ってもらいまひょか」
「横っちゅうと、つまりこぉいぅふぅにしまんのんか?」
「へぇへぇ、そぉでんねん 何べんも無理言ぅてえらいすんまへんでした おおきありがとぉお陰でよぉ見えるよぉになりました あんたも見えてますか? ならよろしぃなぁ あんたも見えりゃ、こっちも見える 双方の顔が立ちました」
「こっちの顔、倒れてまっせ」
そぉかと思いますと、こちらではこれからいよいよ自分の贔屓の力士が仕切りに入って立ち上がるといぅので、こらまた大ぉきな声張り上げて唾が飛ぶのも構わず夢中んなって応援してます
「よぉ、しっかり取れよッ! 立ち上がったら相手の褌(みつ)を先パイッと取れ、相手の褌をパイッと 相手に褌を先取られたら負けやで、えぇか、先に相手の褌をパイッと取れよ、立ち上がったらパイッ!」
あまりに唾が飛ぶのでたまらないのが前の人
「あのぉ、声は何ぼ大きな声出してくれはってもよろしぃねんけどね、すんまへんけど、その後ろで「パイッ」ちゅうのんやめてもらえまへんか もぉさっきからわたしの頭、唾だらけなってまんねや すんまへんけどひとつ、唾のかからんよぉに頼んまっせ」
「あぁさよか そらえらいすまんこってした、うっかりしてましたんで いぃえぇ、大丈夫です、もぉ唾のかからんよぉに応援さしてもらいま、えらいすんまへんでした」
今度は唾が飛ばないよう応援することにした男、声を出さないと今度は体が動いてしまう
「さ、いま言ぅたとぉりや、立ち上がったら相手の褌を先取れよ、おっと立ち上がった、立ち上がったら相手の褌を先取んねん、相手の褌を・・・相手に褌を先取られたら負けやっちゅうねん
相手の褌を取らんかい、褌をッおいッ、褌を取らな負けやでッ、褌を取らんかい褌を。褌を取れよッ! 取ったらんかい褌ッ! 褌を取れよッ! 褌を取らんかい褌をッ! 褌を取れよッ!」
さぁ、こぉなったら応援してるほうは夢中ですから、しまいには自分が相撲取ってるよぉな気になって、前に座ってる人の帯をば後ろから掴まえ、一生懸命、力入れてしまう
「相手の褌を先取れっちゅうねん、まだ褌が取れんのか? こぉいぅふぅに取ったらえぇねん、相手の褌をこぉしてギュ~ッと」
「もし・・・、もし、不意に後ろから人の帯を掴まえてどないしなはんねん?」
「こぉ取ったら離さんぞ」
「そんな無茶言ぅたらいかんなもし「離さんぞ」て、離してくれないかん またあんた、えらい力やなぁ そぉ力入れて引っ張ったら帯が切れる、帯が」
「切れるよぉな安もんの帯、どこで買ぉた?」
「ほっときなはれ」
帯で揉めてるかと思うと、こっちはこっちで大きな握り飯をたくさんに作って持ってきたやつ、この握り飯を一つだけ右の手に持ちよって、おのれの頭の上で振り回しながら応援しています
「さッ、しっかりやれよしっかり、頼むで 今、この握り飯食ぅて腹に力付けて応援したるさかい しっかりやれよ、しっかりッ、しっかり取れよ!」
食べるのやったら早よ食べたらえぇのに、いつまでも握り飯振り回してますと、この人の真後ろへ座った人、可哀想に朝一番に来たから朝から何も食べていない
腹をペコペコに減らしたその人の目の前を大きなおにぎりがウロウロウロウロ・ウロウロウロウロ
これはまったものではありません
殺生やでこの人は・・・いつまでも振り回してんと、食べんねんやったら早よ食べはったらえぇのに
お握り飯が気になってしゃ~ないがな しかし大ぉきな握り飯やなぁ、この際この大きな握り飯が一つでもあったら、ちょっと腹の足しになんねんけどなぁ・・・
と、思っているのですが前の人はそんな人の気持ちも知らず
「よッ! しっかり取れよしっかりッ!」
「取ってもよろしぃか?」
「しっかり取れッ!」
「うわぁ~、さよか ほんだらえらい厚かましおますけど、お言葉に甘えて取らしてもらいまっせ、おっきご馳走さんです」
「しっかりやれよ、しっかり取れよ・・・今、大きな握り・・・、握り飯あれへんがなこれ? ちょっとつかんこと尋んねますが、今、そこらへんへ握り飯飛べしまへなんだか?
えっ?飛んできてない? さよか、いや実はね、わたし確か右の手で一つ握り飯持ってたんですわ
今、食べよと思て気が付いたら無いもんでっさかいね、ひょっとしたらそのへんへ飛んだんと違うかいなぁと思て尋んねましてんけど、おまへんか・・・おかしぃなぁ、確かこっちの手で一つ持ってたはず
あッ、そぉか えらいすんまへん分かりました いぃえぇ、わたし相撲の応援で夢中になってるもんでっさかいね、食べたん忘れてまんねん
食べましたんですわ、えらいすんまへんでした
・・・・・
うぉ~いッ、握り飯食ぅたん忘れるほど、こないして夢中になって応援してんねんで しっかり取れよ、も一つや」
「も一つ取ってもよろしぃか?」と後ろの男
「しっかり取らんかいッ!」
「さよか、ほな取らしてもらいまっせ」
「しっかりやれよ、えぇか頼むで、今度は・・・、またあれへんがな」
握り飯で揉めているかと思うとなかに一人、さっきから真っ青な顔をして、涙ポロポロポロポロこぼし、泣きながら相撲を見てる人がいる
それをまた、そばに座ってる人が親切に尋ねています
「もしもし、もし、あんたあんた いぃえぇ、あんたがさっきからね、そこで真っ青な顔して、おまけにそないして泣きながら相撲見たはりまっしゃろ
あんたのことが気になるもんでっさかいね、皆目、土俵の相撲に身が入りまへんねん どないしはった? ひょっとしたら、お腹でも痛いのと違いますか?」
「よぉ尋んねとくなはった、わたし泣いてんのん、お腹が痛いのんと違いますねん ションベンがしたいんです」
「ションベンがしたい? それやったら何もそこで真っ青な顔して泣いたはることおまへんやろ、ションベンがしたいねやったら、便所行てきはったらどぉでんねん?」
「そない言ぅていただかんでもよぉ分かってるんですがね、今日はご覧のとぉり朝から満員でっしゃろ、もしわたしが便所行ってるあいだに、この場所、人に座られたら困ると思て、もぉこれで九時間から辛抱してまんねん」
「朝からって・・・九時間も我慢していたんでっか よぉ九時間も辛抱しはりましたなぁ、そんなことしはったら体に毒です よろしぃよろしぃ、わたしが責任持ってその場所、人に取られんよぉに見てたげますから安心して、今のあいだにゆ~っくりと行といなはれ」
「うっううっ、今の一言、せめてもぉ一時間でも早よ、そない言ぅていただいたら何とかして行けたんですけどね、今はもう限界です、恐らく、もぉ体動かすことすらできません 皆さん方にはご迷惑ですが、ボチボチここらで・・・・」
「あかんあかん、こんなとこへじかにしられたら、端に座ってるもんが迷惑しま よろしぃよろしぃ、あんたが「もぉ体動かすこともでけん」と言うのならその場所で、ほかの人に迷惑のかからんよぉにさしたげま
ちょ~ど都合よぉね、さっきから向こぉで酒呑みが一升瓶空にしてよぉ寝たはりまっさかい、あの空いた瓶を使わしてもらいましょ その代わり言ぅときまっせ、早いことしなはれや、よろしぃな 済んだらまた、ソォ~ッと瓶返しとかなならんさかい、早いことしなはれ」
酔っ払いの空いた一升瓶を引き寄せ、真っ青になっている男に渡した
「おっきありがとぉ。このご恩は一生わすれません」
「そない大層ぉに言ぃなはんな、早いことしなはれ、早いこと・・・えぇ? 何です? 仕方が分からん? 要はその瓶の中へしはったらよろしぃねん いえいえ難しいことおまへん、簡単にでけます つまり、その瓶の口へあんたのパイプをスッとハメはったらよろしぃねん」
「合いまっしゃろか?」
「そら知らん 合うか合わんか、あんたのパイプ拝見したわけやないし、ともかくね、合うか合わんか入てみなはれ・・・えっ?入らない? 瓶の口を唾で濡らしてジンワリ入れてみはったらどぉです? えっ?入った?」
「お陰で、ちょ~どでした」
「ちょ~どやったらよろしぃがな、いつまでも泣いてんと早よしなはれ」
「では、さしていただきます「ミミズもカエルも皆ごめん」」
「もぉそんなアホなこと言ぅてんと、もぉ今、そんなこと言ぅてる場合と違いまんねん 早よしなはれッ!」
(ジャジャ~ジャ~、ジョンジョロリン、ジョンジョロリン ジャジャ~、ジャ~ジャ~ジャ~ジャ~・・・)
「こぉらまた派手な音やなぁ、もっと静かに大人しぃでけまへんか」
「でけまへん」
(ジョンジョロリン、ジョンジョロリン、ジャジャ~、ジャ~ジャ~ジャ~ジャ~ジャ~、ジャ~ジャ~、ジャ~ジャ~、ジャ~ジャ~、ジャ~ジャ~、ジョンジョロリン、ジャジャ~、ジョンジョロリン、ジャジャ~ジャ~ジャ~・・・)
「終わりましたか? こぉらまたぎょ~さんしたで 長いことかかったはずや、ちょ~ど一升あるがな」
一升瓶に蓋をして、寝ている酔っ払いの足元にソ~ッと返した
返した途端酔っ払いが目を覚ました
「うい~ッ・・・うい~ッ・・・、さぁ、しっかり相撲取ったれ、えぇか頼むで また景気よぉ応援したるさかい、しっかり相撲取ってくれよッ!(パンパンッ)うぉ~いッ(パンパンッ)
仲見世、酒持ってきてくれ酒を、酒が欲しぃねん 容れもんが要んねやったら心配せんでもえぇで、容れもんなら先にもろた一升瓶が、さっきからこのとぉりちゃ~んと空に・・・???
すまん もぉちゃ~んと持ってきてくれたぁんねやないか、ハッハッハッハッ
黙ぁ~って置いていかれたら分かれへん、しかし、よぉ気が付きよんなぁ こっちが注文せんかて、無い時分にはこのとぉりちゃ~んと気ぃ利かして持ってきてくれとぉるだけが嬉しぃなぁ
おまけに、今度の酒は親切に燗までしてくれとぉる、ありがたいなぁ
・・・
さ、しっかり取ってくれよ、えぇか頼むで 今、この酒呑んだら景気付けて応援したるさかい しっかり・・
ん?
うぉ~いッ仲見世、えらい変なこと尋んねるけどな、今度の酒、えらい泡立つなぁこれ、安い酒詰めたんか?
いやいや、酒といぅことさえ間違いがなけりゃ、少々の泡ぐらい辛抱して呑むさかい
・・・・
ハハハッ、さぁしっかり取れよ、えぇか頼むで、今、この酒グ~ッとひっかけて、また景気よぉパ~ッと応援したるわい しっかり取ってくれ、頼むで
しっか・・・ん?・・・フェ~ックションッ!
おぉ~い仲見世、何べんもおかしなこと尋んねるけど、今度の酒、目ぇや鼻へピュッと沁みるな
。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ
<悋気の火の玉> 三春家 林檎 さん
「悋気は女のつつしむところ、疝気は男の苦しむところ」なんていいます
妾宅で頭の白髪がみっともないと抜かれ、本宅では黒い髪ばかりだと商売に信用があるように見えないと黒髪を抜かれとうとう旦那ひとり坊主にしてしまったなんて話もあるそうで
浅草の花川戸の立花屋という鼻緒問屋の旦那はいたって堅物
ある時仲間の寄り合いの流れで吉原に誘われた
断ったが、付き合わないなら取引をやめると言われ仕方なくついていった
一度遊んでみるとこれが凄く楽しい
こんなにもいいものだったのかとすっかり味をしめ、吉原に通い始めた
最初は友人知人を誘っていたが終いには一人で吉原に日参するようになる
こうなるとお金を使い過ぎて商売に差し障ってくる
そこは商売人のこと、そろばんをはじくとこれでは身代がもたないと判るが、それでも遊びを控えると言う考えは出てこない
いかにしたら遊びを続けられるか、安く楽しむにはどうしたらいいか
吉原で遊ぶから高くつく、花魁を身請けして囲ってしまえば吉原で遊ぶより安く済む
そう考えて花魁を身請けし、粋な黒塀見越しの松、そんないかにもという妾宅を根岸に造り婆やを雇って囲った
そして月のうち本宅に20日、妾宅に10日泊まるようになる
そうなると本妻もこのごろ旦那の様子がおかしいと気付く
調べると妾宅があることがわかり面白くない
旦那がお茶を入れてくれ頼んでも「あたしのじゃうまくないでしょ ふん」と万事がこんな調子だ
旦那はこれでは面白くないので、妾宅へ20日、本宅へ10日ということになる
終いには本宅に帰らない月も出る始末
おさまらないのは本妻だ
こうなったのもすべて根岸の女のせいだと、真夜中に藁人形を杉の大木に五寸釘で打ちつけ始めた
憎っくき女を呪い殺してしまおうという魂胆だ
このことが根岸の女にも知れたから黙っちゃいない
婆や、六寸釘を買ってきておくれ!
こっちは六寸釘を打ち始める
本妻の方は根岸が六寸釘ならこっちは七寸釘だ
それならこっちは八寸だ
じゃぁ九寸だ
一尺・・・
と呪い競争になってしまった
人を呪わば穴二つとやらで、本妻と妾は時を同じくして死んでしまった
「なまんだぶなまんだぶ二人とも成仏しておくれ」
と弔ったもののお互い恨みを持って死んだのだから成仏なんてするわけがない
本妻の火の玉が花川戸の立花屋から根岸に向かって飛び、根岸の方からもお妾の火の玉が向かってきて、大音寺の上空でぶつかり火花を散らして喧嘩を始めるという噂が立つ
住職をしている叔父に相談すると引き受けてくてた
大音寺辺りに出かけて有難い経をあげたが恨みが強過ぎて効かない
「もうこうなったらあなたがちゃんと二人と話をしなさい 落ち着いたところで読経をすれば成仏できるだろう」
そう言われ、旦那さんも出かけることになった
道々、旦那さんが落ち着かない
火入れを忘れてしまい煙草が吸えないと困っている
叔父さんに火を貸して欲しいと頼むが、叔父さんは煙草を吸わないので持っていない
大音寺に向かうと根岸の方角から火の玉が飛んできて旦那のところへふわりと寄ってくる
方角からすると妾の火の玉のようだ
「よくきてくれた まあ一服しながら話そう」
火の玉を呼び、話し始める
旦那は妾に優しい言葉をかけ、このような目に合わせてしまったことを詫びる
そして煙草の火がなくて困っているから火を貸して欲しいと頼む
火の玉が旦那さんに寄り、煙草の火をつけ、一服
「ああ、うまいなぁ・・・煙草の火は火の玉に限る」^^
と旦那さん
「あいつは素人だがお前は酸いも甘いも嚼み分けた女だ 女としてはお前の方がよっぽど上手だ どうだろう此処はひとつ姉さんすいませんでしたとお前の方から頭をさげてくれないか」
と頼み、火の玉は納得したように消えた
すると今度は立花屋の方から火の玉がもう一つ 物凄い勢いで飛んでくる どう考えても本妻のものだ
「よくきてくれた まあ一服しながら話そう」
火の玉を呼び、話し始める
旦那は本妻に優しい言葉をかけ、このような目に合わせてしまったことを詫び、妾も姉さんすいませんでしたと頭を下げたから怒りを解いてくてと頼んだ
また煙草を吸いたくなった旦那さん、火を貸して欲しいと頼みキセルを近づけた
すぅーっと離れる火の玉
「私のじゃおいしくないでしょ!ふんっ」
。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ
<夏泥> 月の家 小圓鏡 さん
空き巣泥が獲物を物色しながら歩いていて、とある長屋へ入り込んだ
見るからに貧乏長屋であるが意外と金を溜め込んでいる奴が居ることもあるもんだしと思いながら様子を窺っていた
一軒の家を覗くと暗がりの中で火が見える 小火のようだ
「あっ、危ねぇなぁ」
泥棒が慌てて中へ入り、火を消す
改めて家の中を見渡すと、家財道具は何もなく、褌一丁の男が寝そべっている
泥棒は行き掛り上一仕事しようと短刀を突き付け、
「やい、これが見えねえか?金を出さないとぶっ殺すぞ」
と凄むと男は落ち着いたもので
「よく光ってる短刀だね、さっきからよく見えているよ ちょうど良かった、殺して」
と言う
泥棒は毒気に当てられて腰が引けながら、「ど、どういうことなのだ?」と訊く
「一文もないんだ」
「一文もないとはどうしたんだ 女か?」
「いや博打」
「博打かぁ、博打だけはダメだ やるもんじゃない じゃぁ金以外のものを出せ お前職人だろう 道具とかあるだろう」
「私は大工なんですが博打好きで、持ち金を全部注ぎ込んですってんてんになり、商売道具も質に入れてしまいました 仕事もできないし、生きていても仕方ないので死のうと思っていたところなんで、殺して下さい」
「おいおい、馬鹿言うもんじゃない 人間は真面目に働かなければいけねえんだよ 俺が金を出してやるから道具箱を受け出して来な」
と、金を出す泥棒
「有難うございます これで死なずに済みます・・・・あっ、ダメだ 利息分が足らない やっぱり殺して下さい」
「いくらだい?それも俺が出してやるよ」
泥棒は金を男に恵んでやる
「ありがとうございます これで死なずに・・・・でも、やっぱりお返しします 半纏と帯も質に入っていて着る物もないので仕事に行けませんから やっぱり殺してください」
「着るものも無いのかよ それも出してやるよ いくらだい?」
「有難うございます でもここ3日、飯を食ってないので立ち上がれねえんです やっぱり殺して下さい」
「死ぬ死ぬと言うもんじゃないよ 米代も出してやるよ」
「私はおかず食いで・・・」
「しようのない奴だな、それも出してやるよ 腹ごしらえをして仕事に行きなよ 博打なんかもうするなよ」
男は次々におねだりをし、泥棒は要求に応え、ついに有り金全部を恵んでやった
「俺は何しにこの家へ入ったんだ?」と泥棒は自嘲気味に天を仰ぐ
男はさらに輪を掛けておねだりをする「働いたってお金が入るのは半月後、それまでご飯を食べるお金が無いから結局死ぬしかない やっぱりここで殺してください」
「おいおい、死ぬなよ 待ってろ」
泥棒は万一の時用に着物に縫い付けてあった金を取り出して男に恵んでやった
「いいか、これは俺の親父がどうしてもって時のためにと縫い付けておいてくれた金だ そんな重要な金なんだ それをお前に渡すってことをよく考えてくれ もう博打なんてするんじゃ無いそ」
すってんてんになって、これ以上長居は無用と泥棒が「帰るよ」と言うと、男が「長屋を出て右へ行くと交番があるから左へ逃げなよ」と言う
「今日は交番を恐れることは何もしていないよ」と泥棒が愚痴を言いながら長屋を出る
去った泥棒を男が呼び止める「おーい、泥棒さん!」
「バカ!変な呼び方をするなよ」
「でも、名前を知らないんで」
「まだ、何か用かい?」
「あんたの住まいを教えてくれないか」
「そんなの知ってどうするんだ」
「働いて稼いだらあんたの困った時は泥棒にはいってやるから」
。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ
<唐茄子政談> 佐の槌 藤助 さん
この教室のお師匠さんです
大店の若旦那、徳三郎
吉原の花魁に入れ揚げて家の金を湯水のように使うので、親族会議の末、道楽をやめなければ勘当だと言い渡される
徳三郎は蛙のツラになんとやら
「勘当けっこう お天道さまと米の飯は、どこに行ってもついて回りますから さよならっ」
吉原の花魁にいつでも引き受けて面倒を見てくれるなんて言われたのを本気に信じて威勢よく家を飛び出したはいいが、花魁に相談すると、もうこいつは金の切れ目だと、体よく追い払われてしまった
幇間とか友達の所へやっかいになっていたが、どこからもすぐいやな顔をされもう行く所がない
もう土用の暑い時分に、三、四日も食わずに水ばかり、おまけに夕立でずぶ濡れ
吾妻橋に来かかると、向こうに吉原の灯
つくづく生きているのが嫌になり、橋から身を投げようとした
そこに通りかかったのが、本所の達磨横丁で大家をしている叔父さん
身投げを後ろからはがいじめにして止めたが、よく見るとこれが徳
「なんだ、てめえ徳じゃねぇか おめえだったら構わねぇ、飛び込んじゃいな 止めるんじゃなかったぜ」
なんて冷たい
「アワワ、助けてください」
「てめえは家を出るとき、お天道さまと米の飯はとか言ってたな どうだ ついて回ったか?」
「お天道様はついて回るけど、米の飯はついて回らない」
「ざまあみやがれ まぁ助けちまったものは仕方ねぇ、このまま放っておくわけにもいかないな 徳、おまえ助けてやるからには俺の言うことを何でもきかないといけないぜ 約束できるな」
ともかく家に連れて帰り、明日から働かせるからと釘を刺して、飯を食わせ、その晩は寝かせる
翌朝
叔父さんは唐茄子を山のように仕入れてきた
「今日からこれを売るんだ」
格好悪いとごねる徳を
「そんなら出てけ 額に汗して働くのがどこが格好悪い それにおまえが勘当されたのは家の金を遊びに使い込んだからだ 自分で稼いだ金で遊ぶなら誰にも文句を言われる事もねぇ しっかり稼げ」
としかりつけ、天秤棒を担がせると、弁当は商いをした家の台所を借りて食えと、教えて送りだした
徳三郎、炎天下を、重い天秤棒を肩にふらふら
浅草の田原町まで来ると、石につまづいて倒れ、動けない
「人殺し!」なんて叫ぶもんだから、通りがかりの近所の長屋の衆がびっくりして徳さんを起こし、道に転がっている唐茄子を拾ってくれた
事情を聞いて同情し、長屋の者に声をかけてくれる
皆、気の毒がって一つ、二つと買ってくれた
唐茄子なんか食えるかなんて言う半公には、昔の弱みを突き唐茄子を買わせる
いざ買う段になると、半公は大きい唐茄子を選んでいる有様だ
売れ残った唐茄子は二つ
礼を言って、残った唐茄子をかついで徳さんはまた歩きはじめる
最後の二つぐらいは自分の力で売ろうと売り声の練習も始めた
気づくとここは、吉原田んぼだ。吉原遊郭の屋根が見え、派手に遊んでいた頃の花魁とのやりとりなどをなつかしく思い出しながら歩いて行く
つい花魁との濡れ場を思い出しながら、行き着いたのが誓願寺店(せいがんじだな)
裏長屋の一軒の中から呼び止められた
着ているものは粗末だが、どこか品がある背中に赤ん坊を背負った若い女が、唐茄子を1つ売ってくれという
ついでに最後の一個も買ってもらいないかと言う徳さんに、恥ずかしいことにお金が一個分しかないと
徳さん、売れ残りだからおまけしますと一個の値段で二個渡す
その代わりお昼のお弁当をまだ食べていないので此処で使わせてもらえないかと頼んだ
お弁当を広げた徳さん
柱の後ろからこれを見ていた五つぐらの男の子が弁当を欲しがる
聞くと3日間もご飯を食べさせていないと
「そうか、三日も食べていないんだ・・・三日目って一番辛いんだよな わかるよ 経験したから」と、徳さんしんみり
亭主は元侍で今は旅商人だが、商いがうまくいかないのか仕送りが三月も途絶え、それで内職の縫い物やらなんやらをやって凌いでいたものの、病気になり十日ほど働けず子供に飯も食べさせられない有様だと言う
同情した徳、お弁当を坊やにと言い、唐茄子の売り溜(売り上げ)を全部そこに置いて何かの足しにしてくれと飛び出し、叔父さんの長屋へ戻った
「ばかに早く戻って来なた 売れなくても暗くなるまで頑張らなきゃいかん えっ、全部売っただと?」
叔父さんは嬉しがり、飯の支度をさせ徳さんを団扇で扇いだりして大サービス
どうやって売ったか話をしてくれと言う
徳さん、朝からのことを話しだした
「ほう、そうか 助けてもらって売ってもらったか 顔は覚えているか 後でちゃんとお礼に行かなきゃな こういう人がご贔屓になってもらえるんだ 最初の商いでご贔屓ができるなんで良いことだ では売り溜を出しておくれ」
「それが・・・ないのです」
「さてはおまえ、遊んだな」
「いえ、違います 気の毒な人がいたのであげちゃいました」
その経緯を話し、それを聞いた叔父さん
「売り溜の一部を渡すんじゃなく全部置いたか 気前のいいことだな おまえらしい じゃぁこれからそこに出かけるぞ」
叔父さんは半信半疑、その話が本当かどうか確かめに、今から誓願寺店の長屋に一緒に行くという
徳三郎を連れて夜道を誓願寺店にやってくると、長屋では一騒動
あれから女が、このようなものは貰えないと徳三郎を追いかけて飛び出したとたん、因業大家に出くわし、店賃を溜めているからと金を強引に取られてしまったという
そして八百屋さんに申し訳ないと、女は首を括ったと
子供の泣き叫ぶ声に驚いて隣人が部屋に飛び込むとぶら下がった女の姿
驚いて降ろし、まだ息はあると医者を呼んで診てもらっている最中らしい
何と因業な大家だと怒る叔父さん、自分も大家としてその所行は許せないと
そして怒りに頭に血がのぼった徳三郎、大家の家に飛び込み、いきなり大家のヤカン頭を側にあったヤカンでポカポカと
それを見ていた長屋連中が大喜び、徳三郎に加勢する
大家の傷口に唐辛子を塗りこむ奴もいる始末
そして大家をのしてしまった
発見が早かったのと医者の手当てがよく幸いなことに女は息を吹き返した
こんな大家の元じゃ可哀想だと叔父さんは母子3人を自分の長屋に引き取った
収まらないのが因業大家、奉行所に訴え出た
取り調べの結果、大家が悪いとなり、徳三郎には人助けで、奉行から青ざし五貫文の褒美
そしてめでたく勘当が許された
(*∩v∩*) ニッコリ♪
出演者&関係者ではないのですが参加させていただきました
居酒屋さん佳仙
何時も此処です^^(偶に野毛のお好み焼き屋さん)
( ・∀・)っ凵凵c(・∀・ ) カンパーイ
時期が時期だけに軽くでお開き
(当初は打ち上げはやらないつもりだったらしい^^;)
先日、出張から戻りリビングのテーブルに置いてあった水道料金の請求書を見て驚いた
ごっ、ごっ、ごまんえんだとぉおおおおおおお ( Д ) ⊙ ⊙
最近、だんだんと使用量が増えているなと思っていたけれど、だいたい2万円ぐらいでした
それが一気に5万円とは (゚〇゚;)マ、マジ
シャワーを使い過ぎでしょと奥さんは言うけれど、シャワーを気持ちよく使ったぐらいでここまではいかない
そう言えば・・・・
トイレの水がなんだか何時も波紋ができていたような
手洗栓からは水が出ていないからそれ程気にしていなかったけれど・・・
タンクの上蓋を外してみてみるとフロートに連動している栓から水がちょろちょろ流れ落ちています
栓の劣化ですかね、ちゃんと水を止められなくなったみたいです
業者に頼まなきゃね、と奥さん
いやいや、25年前の製品だぜ、業者に頼んだってこの部品はもう無いからとタンク交換、いやトイレとセット交換で見積もりが出てきそうだ
こんなのそう仕組みは変わるもんじゃない
全く同じ部品じゃなくったって口金が合えば何とかなる
コンパチで使えるのがあるんじゃないか?
そう言ってTOTOのHPで検索
あったぁ〜ヾ(*・ω・)ノ゜+.゜☆ィェィ☆ ゜+.゜
コンパチで使えるという型式のものを密林でポチッとな
6000円でした
外して新しいのと並べてみると。。。やっぱり仕組みは一緒
材質が違うだけだね
25年前はボディは金属製でしたが今は樹脂製
かなりコストダウンされているのですねぇ
取り付けて調整して終了
一箇所だけ配管の長さが足りずホムセンにホースを買いに走ったけれどそれは想定内
タンク内の溜まった水の表面は静か、当然トイレに溜まる水にも波紋はありません
もう漏れはないね
修理代は安く済んで良かった^^
しかし、5万円は痛いなぁ
その無駄にした分で上鰻重を何杯食べられたかと思うとちょいと悔しい^^;
山手と山下公園の秋薔薇&富士山で遭難しかかる [日常のなかで(Diary)]
秋もだんだん深まって、ハロウィンを翌週に控えた週末のこと
そろそろ秋薔薇が見頃だろうと山手まで出かけました
秋の空に2サイクル音を響かせながら谷戸の急坂を駆けのぼりやってきたのは港が見える丘公園
山手西洋館のハロウィンウォークは武漢肺炎こと新型コロナの影響で中止になりましたが、控えめながら洋館のハロウィンデコはやっているだろうと期待して
まずはイギリス館へ
ローズガーデンの薔薇は思ったよりも咲いてはいません
春に比べ控えめに咲く秋薔薇ですが、それにしても控えめ過ぎ^^;
薔薇達も自粛ムードなのでしょうか
イギリス館に入り、入り口近くのハロウィンデコを撮ろうと構えていると・・・・
あのぉ、すいません 撮影禁止で・・・
えっ?館内撮影禁止?
密を避けるためか館内が撮影禁止になっていました
デコ撮りを楽しみにしていましたが仕方ありません
せめて見るだけでも楽しもうと2Fの各部屋を見てみましたが、デコはほんのちょっとだけ
デコと言う程でもない程度に抑えられていました
これなら撮影禁止でも悔しくはないな^^;
この分だと他の洋館も同様でしょう
山手の洋館巡りは諦めることにしてローズガーデンで薔薇撮りに専念・・・するはずでしたが、洋館のハロウィンデコが無かったショックで気分は今ひとつ
撮っていても気分が乗りません
ならば薔薇を眺めながらのんびりベンチに座っていようと空きベンチを探しますが、空きベンチが無い
ローズガーデンは特に混んではいないです
密には程遠くガラガラ
なのにベンチは全て塞がっているのです
その理由は・・・・お絵かき爺婆グループ
全てのベンチに陣取ってお絵かき中ーー;)
おいおい、そりゃ迷惑だろうよ
ちったぁ周りの事も考えようぜ
そうそう、大佛次郎記念館にも行ってみましょう
大佛次郎記念館のハロウィンデコはSSブロガーのerenaさんの作
此処の入館は有料(200円ですが)
猫好きの大佛次郎、その記念館には猫がいっぱい
”ねこからの招待状”がなる謎解きモノも受け取って挑戦してみましたが・・・・挫折^^;
結構難しい
で、ハロウィンデコを楽しむことができました
ちょっと暗かったですが^^;
ISOを上げればいいのでしょうが、どうもISOを上げる気になれないのです
まぁ、フィルム時代の癖なのでしょうけれど
この日はこれで終わり
秋薔薇は翌週にリベンジすることにしました
で、翌週
ハロウィンの日の午前中、朝イチで山下公園のローズガーデンに行くつもりでしたが、金曜日の夜は何故かなかなか寝付かれず、寝酒で無理やり眠ろうとキッチンで純米酒を三杯あおったのが3時ちょっと前^^;
で、こてっと寝られましたが・・・起きたら10時近くだし^^;
今からでもとカメラを手にとって液晶画面を見ると
バッテリーが空だぁ・・・・ (゜ロ゜)ギョェ
今から充電では間に合いません
諦めて翌日の朝に山下公園へ
またまたベスちゃんの出動、市街地ではスクーターが最強です^^
象の鼻にベスちゃんを駐車、そこから山下公園まではすぐ近く
港が見える丘公園よりもしっかり咲いています
まずは散策路を一周^^
漂う薔薇の重く甘い香りに酔いそう
あまりの気持ちの良さに撮るよりもベンチに座ってまったり
日差しが気持ちいい
9月、10月はバタバタとして疲れまくっていましたからね
肉体的にも精神的にも
久しぶりにのんびりリラックス
何をバタついていたのかと言うと、ほら、事故の件の裁判
三年前に仕事中に信号待ちで後ろから追突され治療を続けていたのですが、今頃になって治療費を払わないと相手側保険会社から裁判を起こされた件
被告、さる1号 なんちゃらの件にて10月29日に裁判所に出頭するようにと裁判所から出頭命令が来ました
そして答弁書を22日までに提出するようにと
なんと一方的な
しかも書類には注意書きも同封され、そこには”仕事が忙しい等は理由になりません”としっかり記載されているという^^;
いきなり被告にされて驚いたなんのって・・・
交渉したが和解の目処が立たずって、そもそも交渉なんてしていないくせに
オマイらが仕事をしていないだけだろうって(呆
で、被告になったものの、そんなことは初体験
どう対処すればいい????
仕事中で社有車の事故でしたので総務に相談
社有車の保険会社に問い合わせたら0:10だと手が出せないと(驚
じゃぁって訳で自分の車の保険の弁護士特約が使えるかと問い合わせると、車の所有者が自分じゃないので対象外との回答ーー;)う〜ん
会社の顧問弁護士に問い合わせてもらいましたが、被告が会社じゃなく従業員個人名なので契約外だと
八方塞がりかぁ_| ̄|○il||li ガックシ
じゃぁどうする?
一人で立ち向かうか???
いや、そりゃ無理だ
法律関係の事などプロを相手に素人が太刀打ちできるはずがない
顧問弁護士は契約対象外とのことでしたが、総務を絡めていろいろ動いてもらいました
その間、調書やら打ち合わせやらと仕事どころじゃなくて(そもそも仕事に集中できないし)落ち着かないし
顧問弁護士からこの裁判に立ち向かうしか無いとアドバイスを貰い、個人の訴訟案件を扱う弁護士の紹介をもらったのは裁判所への出頭日の二週間前
つまり答弁書の提出期限の一週間前
時間がない!!!
業務中の社有車での事故、なのに弁護士費用は自腹???
会社から補助はないの???
などなど会社とも交渉したいことはいっぱいありますが、もう時間が無い
見切りをつけるしかありません
紹介してもらった弁護士事務所に行って契約してきました(前記事の関内での用事というのがそれ)
これこれ、こう言う訳で・・・
総務が作成してくれた調書は顧問弁護士に渡っています
それが全て紹介してもらった弁護士の手に渡っていますから話が早い
そして作戦会議
こちらからカウンターの訴訟を起こします
そして3年分のアレコレの賠償としてXXX万円を請求して・・・・
@@)
そっそんな手があったのか
やはり餅は餅屋です
素人が手を出さないほうがいい
裁判は何度も出頭して大体一年ぐらいかかりますから
そんなにもかかるんだ(驚
でも弁護士に依頼すると本人は裁判所に出頭する必要は無いそう
これは助かります
で、弁護士費用ですが、手付金としてXX万円、諸経費にXX万円、そして成功報酬にXX万円となります
(;・∀・)ハッ、ハイ・・・・
カウンター訴訟で請求する損害賠償、どれぐらい認められるか判らないけれど費用を賄えるといいな
赤字だけは何としても避けたいから
とりあえず裁判の件は方向が決まって落ち着きました
で、薔薇撮りを楽しんでいましたが時刻は昼
昼ごはんな訳ですが蕎麦が食べたくて仕方ありません
実は土曜日の午後は落語を聴きに行ってきました(記事は後日)
初めて聴いた”悋気の火の玉という噺”が気に入ってウチに帰ってからもyutubeで聴いたのですが、そのついでに”疝気の虫”も聴いたからたまらない
蕎麦が無性に食べたくなってしまったのです
山下公園の近くにある蕎麦屋さんは味奈登庵
ここは何店舗かありますが、フルサービスのお店と立ちセルフなお店とがあり、以前セルフのお店(保土ヶ谷公役所内の)に行きレポしました
その時、汁があまり好みじゃなかったのです
塩っぱいだけで円やかさが無くて・・・
なのでそれ以降味奈登庵には行っていなかったのですが、他に蕎麦屋が無いので行くことに
盛りは並盛り、大盛り、富士山盛りとありますが同一価格
なら富士山盛りですよね
摂取カロリー制限で大盛りはご法度ですが蕎麦だけは除外にしているのです
一番の好物だし^^;
以前味奈登庵の保土ヶ谷区役所のお店で食べたのはもりの富士山盛りでした
今回はつけ天の富士山盛りにしてみます
天麩羅付きにしたのは汁の味に天麩羅でコクを付けようかと
つけ天、富士山盛りの到着
これだけあれば満足^^
天麩羅も意外と大きく、これで880円ならばCPいいですね
季節的にも蕎麦の美味しい時期
蕎麦の香りも満足
そして驚いたことに汁の味がセルフのお店と違います
塩っぱさは気にならず、円やかな舌触り
このCPでこの汁ならリピしたのに^^;
喜んで食べ始めます
そっ、それが・・・・・だんだん苦しくなって何ということか箸が止まるシーンも
最近大盛りメガ盛りをやめているせいか胃が小さくなったようです
(朝ごはんが遅かったのもあると思いますが)
汁にコクを付けようとした天麩羅がさらに追い打ち
どうしたのだろう
かなり体調が悪いのかな・・・・・
遭難の危険もありましたが何とか無事登頂
富士山ごときで遭難しかかるとは、老いたな//orz
蕎麦湯も一口しか飲まなかったし^^;
食後も薔薇撮りのつもりでしたが、膨らみきったお腹を摩っているとベンチが手招き^^;
ベンチに座り薔薇を眺めながらウトウトいい気持ち
薔薇の香りに包まれていい気持ち
居酒屋で落語会 第17回はな家寄席 [日常のなかで(Diary)]
土曜日の朝、目覚めるとカーテンが開けっ放しの窓にどんよりとした空
雨、かな・・・・
早く起きて鎌倉に彼岸花撮りに行こうと考えていましたがこの空では行かれません
朝寝を決め込んで布団の中でUdaUda
気づけば雨音、雨の匂いを楽しもうと窓を全開
秋の雨は何故か心が落ち着きます
雨音と雨の匂いに包まれると陶然とした心持ちになるからでしょうか
朝イチで鎌倉に行き、昼まで彼岸花を楽しみ、その後は横浜駅西口の狸小路に行く予定でした
でも鎌倉をキャンセルしましたから昼までは雨音を聴きながら本を読みます
のんびりした休日もいいものですね
昼頃には雨も小降りに
良いタイミングだと狸小路に向かいます
13時半、狸小路に到着
まだお店はOPENしていませんから路地は暗いまま
昼間の飲み屋街はちょっと雰囲気がないですね
提灯に灯が入る頃にはこんな感じに良い雰囲気なのですが
狸小路に来た訳は居酒屋さんの落語会、はな家寄席があるから
この日は金原亭小駒独演会
木戸銭は2000円、寄席の後の懇親会費は2500円
お店の2Fに高座を作り、寄席会場になります
武漢肺炎こと新型コロナが猛威を振るう前はもっと椅子がびっしり詰まっていましたが、今はスカスカレイアウト
さて開演、枕はどんな話かなと思ったら、やっぱり出ますねコロナ愚痴^^;
いかに必要の無い仕事だったのかと痛感したと自虐ネタがいっぱい
下っ端が仕事がないとか、最早そうレベルじゃないらしいです
上から下まで、皆仕事がなくてやることが無いのだそう
300年程の歴史のある噺家ですが今迄何があっても仕事はあったそうです
戦争があろうが、震災があろうが、仕事はあったと
慰問とか、被災地支援とかで呼ばれますからね
でも、今は全く仕事が無いそうで・・・・
で、今回の独演会も久々
あまりに久々過ぎて昨晩はよく寝られなかったと言っていたけれど・・・^^;
今日の演目は”看板のピン”、”花筏”、そして中入りを挟んで”唐茄子政談”でした
高座から降りる度にフラフラ
久々過ぎて足が痺れてしまったらしい
<看板のピン>
今日も若い連中がサイコロの賭博を開帳しているが、胴元が損をし、儲けた奴が先に帰ってしまって場が盛り上がらない
そこへ通りがかった今は隠居の老親分に、場の流れを変えて景気づけてもらおうと胴を取ってくれと頼む
が、老親分「お前たち、まだこんなことをやっているのか 博打なんかやるもんじゃないぞ」と戒めた
しかし若い衆は「親分だって若い時はやっていたじゃないですか それより、しらけた場の流れを変えたいので、景気づけにひとつ胴をとってもらえませんか」と頼む始末
老親分、少しの間考え「訳あって42の時から博打はやめているが…俺ももう61 子どもに返ったつもりで、お前たちの相手をしてやるのもいいだろう」と承諾
「お前たちが相手なら赤子の手をひねるようものだ 壺皿の中が勝負だぞ」、と言って壺皿にサイコロを入れて振り、畳の上に鮮やかに伏せた
見ると、壺皿からサイコロが飛び出し一の目(ピン)が出ているが、老親分は一向に気がつかず、「さあ、張ってみろ」と悠然と煙草をふかしている
これを見た賭場の連中、サイコロが壺皿からこぼれましたと注意する奴などはなく、さすがの老親分ももうろくしたか、ここがチャンス到来、負けを取り戻そうと皆、一に張る
「張らなきゃ損損」と、中には有り金全部、金を借りてまで張る奴もいるがっつきようだ
全員が張り終わるのを横目で確認した老親分は、「壺皿の中が勝負だぞ、じゃぁ看板のこのピンは、こっちへしまっておいて・・・・俺が見るところ、中は五だな」と、連中が口をあんぐりと唖然とする前で壺皿を開けた
壺皿の中にもちゃんとサイコロが、それも老親分の言った通りの五だ
すっからかんになった連中だが、泣くに泣けないでいると、老親分
「博打などというものは、こういう汚いものだ これに懲りたら、お前らも博打なんてするんじゃないぞ それに誰か一人でも俺にサイコロが外に出ていることを教えようって奴はいたか?
そういう料簡になっちまうのもいけねえ 博打というものは場を朽ちらせるものだ これに懲りたら博打はやめろ 金は全部返してやるから、さっさと帰りな」
と格好いいセリフを言い、金を全部返して立ち去った
これに懲りて博打をやめるのが賢い奴だが、懲りるどころか俺も今の手を使って一儲けしようと考える男がいた
早速別の賭場へ行った留公、「おい、お前ら博打はやめろ」と親分の真似
「なんだい、いきなり お前だって博打をやっているじゃないか」
「俺は42の時にやめた」
「てめえはまだ26じゃないか!」
「俺に胴をとってほしいというなら仕方がない。子どもに返ったつもりでお前たちの相手をしてやるのもいいだろう」
「誰も頼んでねえよ」
しかし、無理やり胴をとると怪しげな手つきで壺皿を振り畳に伏せた
「勝負は壺皿の中 さあ、張んな」
見ると脇へサイコロが転がり出て、ピンの目が見えている
それを見た男たち、もちろん全員がピンに張る
「おや、みんなピンなのか 勝負は壺皿の中だぞ では、この看板のピンはこっちにしまっておいて、俺の見立てでは五だな」
そういって壺皿を開くと
「…ああ、中もピンだ」
<花筏>
どんな形の提灯にも見事に貼り仕上げるという提灯屋の徳さんの家を、知り合いの相撲の親方が訪ねてきた
聞けば、患っている部屋の看板力士・大関花筏が、明日をも知れない容体だという
実は親方、銚子で相撲の興行を請け負ったが、向こうは花筏一人が目当てで、顔を見せるだけでも連れていかないわけにいかず、かといって延期もできないしと、頭を抱えていた時思い出したのが提灯屋で、太っていてかっぷくがよく、顔は花筏に瓜二つ
この際、こいつを替え玉にと、頼みにやって来た次第
相撲は取らなくてもいいし、手間賃は一日二分出すという
提灯張りの手間賃の倍だから、徳さんもその気になった
その上、のみ放題食い放題、どっかとあぐらをかき、相撲を見ていればいいというのだからおいしい話
早速、承知して、銚子へ乗り込んだ
相撲が進み、宿の主人から「花筏は毎日酒は一日二升飲み、大飯は食らうし、色艶はいい、病人には思えない」と聞いた勧進元、具合も良くなっただろうから相撲を取ってほしいと親方に頼む
親方は「花筏は体が万全ならば酒は三升は軽く飲むのにそれが二升しか飲まないとは・・・体の具合が良くないのでしょうね」と誤魔化す
相撲の盛んな土地で、その中でも際立って強いのが、千鳥ケ浜大五郎と名乗る網元の倅
プロを相手に六日間負けなしで、いよいよ明日が千秋楽
こうなると勧進元が、どうしても大関花筏と取らせろと言ってきかない
病人だと断っても「宿で聞いてみたら、相変わらず酒は一日二升のままだが、宿の女中に夜這いに行ったと聞きました。病人が夜這いしますか?」と言われれば、親方も返す言葉がなく、「それならば体の具合もだいぶ良くなったのでしょう
と、しぶしぶ承知してしまった
驚いたのは提灯屋の徳さん
あんなものすごいのとやったら、投げ殺される
約束が違うから帰ると怒るのを、親方がなだめすかす
「お前もよくない、大酒大飯だけならともかく、宿の女中に夜這いに行ったのを見られてはどうにもならない」
顔面蒼白の徳さんに親方は作戦を伝授する
「立ち会いに前へ手をパッと出し、相手の体に触れたと思ったら後ろへひっくり返れ。そうすれば、客も病気のせいだと納得して大関の名に傷もつかず、五体満足で江戸へ帰れる」
そう親方に言い含められ、徳さんも承知
一方、千鳥ケ浜のおやじは、せがれが明日大関と取り組むと知って、愕然
向こうは今までわざと負けて花を持たせてくれたのがわからないかと、倅を叱る
明日は千秋楽、向こうはこの土地には縁も縁もない人たちだ、後は野となれで、腕の一本どころか、投げ殺されかねない
どうしても相撲を取るなら勘当だと、言い渡す
そうまで言われたら仕方ない、千鳥ヶ浜は相撲を諦めた
でも観るだけならいいと言われ観に出かけた
後ろでそっと観ていたが、何分にも大好きな相撲
知らず知らず力が入って少しずつ前へ出てしまい、ついには砂かぶりまで来てしまった
その時最後の取り組みとなり名前を呼び上げられ、いつの間にか土俵に押し上げられてしまう
土俵に上がったら最後、大好きな相撲ですから我を忘れてしまった千鳥ヶ浜、仕切りを始める
提灯屋、相手を見ると恐いから、目をつぶって仕切っていたが、これでは呼吸が合わず、行司がいつまでたって
「まだまだッ」
しびれを切らして目を開けると、鬼の形相の千鳥ケ浜、両目がギラリと光った
さぁ驚いたのが提灯屋
これは間違いなく命はないと悲しくなり、思わず涙がポロポロ
脇の下から、冷や汗がたらたらと流れる
このまま殺されてしまうと観念し思わず「南無阿弥陀仏」
これを聞いて驚いたのが千鳥ケ浜
思わず花筏を見ると花筏は大粒の涙を流しながら念仏を唱えている
はっとした千鳥ヶ浜
そうか、花筏は俺を殺すつもりなんだ・・・可哀想なやつだと念仏を唱えているんだ
おやじの言った通りだ、おやじの言うことを聞かなかったばかりに・・・と、こちらも涙がポロリ
冷や汗タラリでガクブルになりながら「南無阿弥陀仏」
両方で泣きながらナムアミダブツ、ナムアミダブツとやっているから、まるでお通夜
行司、しかたなくいい加減に「ハッケヨイ」と立ち上がらせると、提灯屋は目をつぶって両手を突き出し、「わァッ」と立ち上がった
千鳥ヶ浜は恐怖に体が固まり立ち遅れ、跳ねられて先に尻餠をついてしまった
困ったのは提灯屋の徳さん、自分が尻餅をつくはずだったのに・・・仕方なく勝ち名乗りを受ける
客:「どうだい、さすがは花筏だねぇ、あの人の張り手は大したもんだ」
張り(貼り)手がいいわけです、提灯屋だから
<唐茄子政談>
大店の若旦那、徳三郎
吉原の花魁に入れ揚げて家の金を湯水のように使うので、親族会議の末、道楽をやめなければ勘当だと言い渡される
徳三郎は蛙のツラになんとやら
「勘当けっこう お天道さまと米の飯は、どこに行ってもついて回りますから さよならっ」
吉原の花魁にいつでも引き受けて面倒を見てくれるなんて言われたのを本気に信じて威勢よく家を飛び出したはいいが、花魁に相談すると、もうこいつは金の切れ目だと、体よく追い払われてしまった
幇間とか友達の所へやっかいになっていたが、どこからもすぐいやな顔をされもう行く所がない
もう土用の暑い時分に、三、四日も食わずに水ばかり、おまけに夕立でずぶ濡れ
吾妻橋に来かかると、向こうに吉原の灯
つくづく生きているのが嫌になり、橋から身を投げようとした
そこに通りかかったのが、本所の達磨横丁で大家をしている叔父さん
身投げを後ろからはがいじめにして止めたが、よく見るとこれが徳
「なんだ、てめえ徳じゃねぇか おめえだったら構わねぇ、飛び込んじゃいな 止めるんじゃなかったぜ」
なんて冷たい
「アワワ、助けてください」
「てめえは家を出るとき、お天道さまと米の飯はとか言ってたな どうだ ついて回ったか?」
「お天道様はついて回るけど、米の飯はついて回らない」
「ざまあみやがれ まぁ助けちまったものは仕方ねぇ、このまま放っておくわけにもいかないな 徳、おまえ助けてやるからには俺の言うことを何でもきかないといけないぜ 約束できるな」
ともかく家に連れて帰り、明日から働かせるからと釘を刺して、飯を食わせ、その晩は寝かせる
翌朝
叔父さんは唐茄子を山のように仕入れてきた
「今日からこれを売るんだ」
格好悪いとごねる徳を
「そんなら出てけ 額に汗して働くのがどこが格好悪い それにおまえが勘当されたのは家の金を遊びに使い込んだからだ 自分で稼いだ金で遊ぶなら誰にも文句を言われる事もねぇ しっかり稼げ」
としかりつけ、天秤棒を担がせると、弁当は商いをした家の台所を借りて食えと、教えて送りだした
徳三郎、炎天下を、重い天秤棒を肩にふらふら
浅草の田原町まで来ると、石につまづいて倒れ、動けない
「人殺し!」なんて叫ぶもんだから、通りがかりの近所の長屋の衆がびっくりして徳さんを起こし、道に転がっている唐茄子を拾ってくれた
事情を聞いて同情し、長屋の者に声をかけてくれる
皆、気の毒がって一つ、二つと買ってくれた
唐茄子なんか食えるかなんて言う半公には、昔の弱みを突き唐茄子を買わせる
いざ買う段になると、半公は大きい唐茄子を選んでいる有様だ
売れ残った唐茄子は二つ
礼を言って、残った唐茄子をかついで徳さんはまた歩きはじめる
最後の二つぐらいは自分の力で売ろうと売り声の練習も始めた
気づくとここは、吉原田んぼだ。吉原遊郭の屋根が見え、派手に遊んでいた頃の花魁とのやりとりなどをなつかしく思い出しながら歩いて行く
つい花魁との濡れ場を思い出しながら、行き着いたのが誓願寺店(せいがんじだな)
裏長屋の一軒の中から呼び止められた
着ているものは粗末だが、どこか品がある背中に赤ん坊を背負った若い女が、唐茄子を1つ売ってくれという
ついでに最後の一個も買ってもらいないかと言う徳さんに、恥ずかしいことにお金が一個分しかないと
徳さん、売れ残りだからおまけしますと一個の値段で二個渡す
その代わりお昼のお弁当をまだ食べていないので此処で使わせてもらえないかと頼んだ
お弁当を広げた徳さん
柱の後ろからこれを見ていた五つぐらの男の子が弁当を欲しがる
聞くと3日間もご飯を食べさせていないと
「そうか、三日も食べていないんだ・・・三日目って一番辛いんだよな わかるよ 経験したから」と、徳さんしんみり
亭主は元侍で今は旅商人だが、商いがうまくいかないのか仕送りが三月も途絶え、それで内職の縫い物やらなんやらをやって凌いでいたものの、病気になり十日ほど働けず子供に飯も食べさせられない有様だと言う
同情した徳、お弁当を坊やにと言い、唐茄子の売り溜(売り上げ)を全部そこに置いて何かの足しにしてくれと飛び出し、叔父さんの長屋へ戻った
「ばかに早く戻って来なた 売れなくても暗くなるまで頑張らなきゃいかん えっ、全部売っただと?」
叔父さんは嬉しがり、飯の支度をさせ徳さんを団扇で扇いだりして大サービス
どうやって売ったか話をしてくれと言う
徳さん、朝からのことを話しだした
「ほう、そうか 助けてもらって売ってもらったか 顔は覚えているか 後でちゃんとお礼に行かなきゃな こういう人がご贔屓になってもらえるんだ 最初の商いでご贔屓ができるなんで良いことだ では売り溜を出しておくれ」
「それが・・・ないのです」
「さてはおまえ、遊んだな」
「いえ、違います 気の毒な人がいたのであげちゃいました」
その経緯を話し、それを聞いた叔父さん
「売り溜の一部を渡すんじゃなく全部置いたか 気前のいいことだな おまえらしい じゃぁこれからそこに出かけるぞ」
叔父さんは半信半疑、その話が本当かどうか確かめに、今から誓願寺店の長屋に一緒に行くという
徳三郎を連れて夜道を誓願寺店にやってくると、長屋では一騒動
あれから女が、このようなものは貰えないと徳三郎を追いかけて飛び出したとたん、因業大家に出くわし、店賃を溜めているからと金を強引に取られてしまったという
そして八百屋さんに申し訳ないと、女は首を括ったと
子供の泣き叫ぶ声に驚いて隣人が部屋に飛び込むとぶら下がった女の姿
驚いて降ろし、まだ息はあると医者を呼んで診てもらっている最中らしい
何と因業な大家だと怒る叔父さん、自分も大家としてその所行は許せないと
そして怒りに頭に血がのぼった徳三郎、大家の家に飛び込み、いきなり大家のヤカン頭を側にあったヤカンでポカポカと
それを見ていた長屋連中が大喜び、徳三郎に加勢する
大家の傷口に唐辛子を塗りこむ奴もいる始末
そして大家をのしてしまった
発見が早かったのと医者の手当てがよく幸いなことに女は息を吹き返した
こんな大家の元じゃ可哀想だと叔父さんは母子3人を自分の長屋に引き取った
収まらないのが因業大家、奉行所に訴え出た
取り調べの結果、大家が悪いとなり、徳三郎には人助けで、奉行から青ざし五貫文の褒美
そしてめでたく勘当が許された
寄席が終わったら懇親会
2Fの寄席会場を居酒屋に戻すので一旦外で待機
準備ができたら乾杯〜♪
( ・∀・)っ凵凵c(・∀・ ) カンパーイ
飲み放題です
まずはビールをお代わり
値段はいつも一緒ですが、出てくる品数はその回によって結構違いがあります
前回は食べきれないぐらい出てきましたが(実際に自分は食べきれていません)
今回はちょっと少なめ
でも足りない事はなく、丁度よかったかな
量が減ったのは某国で食べ残し禁止令が出たから?w
今回、一番気に入ったアテはこれ
鳥レバーの炊いたの
大きいまま入っていて豪快さがステキ
味は薄味ですが臭みはなく美味しい
芋焼酎のお湯割に切り替えました
薄味ですが美味しいレバー
ここのモツ煮もそんな感じ
実はここのモツ煮は好物
味噌味、しょうゆ味、塩味等、その日によって味が違いますが、自分が一番のお気に入りはカレー塩味のモツ煮
残った汁にラーメンを入れたくなる味
夏はモツ串焼き盛り合わせとモツ煮、冬はおでん盛り合わせとモツ煮を頼んで飲んでます
ほっけ、塩が強めで焼酎のお湯割が進みます
サラダ
マヨ味はいいね^^
そして〆は吸い物でした
これ位の量が丁度いい
次回、第18回はな家寄席は雷門音助独演会
11月7日14時から
居酒屋寄席で一杯 第16回 はな家寄席 [日常のなかで(Diary)]
ラーメンで腹拵えした後は横浜駅西口へ
JR横浜タワーと言うそうですが、そのタワーの前には昭和チックな路地
周りが再開発されても狸小路は健在です
この路地にある居酒屋さんで寄席があるのです
第16回はな家寄席
木戸銭が2000円で懇親会費が2500円
この日は瀧川鯉丸さんの独演会
居酒屋の2F席を使っての寄席なのです
武漢肺炎こと新型コロナの感染予防のため通常よりも席数は少なめ
席は三列だったのが二列になっていました
SSブロガーのkinkinさんとよーちゃんさんも合流
<<瀧川鯉丸さん>>
さて開演、枕はどんな話かなと思ったら、まぁ出るわ出るわ、コロナ愚痴^^;
本人も愚痴しかでないって言っていましたね
他の話をしようとしても愚痴になっちゃうそう
コロナで仕事は激減、真っ白なスケジュール帳に溜息しか出ないと
今日の演目は”饅頭こわい”、”阿武松”、そして中入りを挟んで”ねずみ”でした
あれ?怪談噺はやらないんだ
夏だから期待したのに・・・・
~~~(m-_-)mウラメシヤァ
(怖いの嫌いだけれど落語の怪談噺は大丈夫なのです)
<饅頭こわい>
今日も長屋の若い者たちが集まって馬鹿話に花を咲かせていると一人血相を変えて飛び込んでくるものがいる
「留公じゃないか、どうした?」
「誰か追いかけてこないか 松ノ湯脇の近道を来ると、後ろから『留!』と呼ぶ声がしたんだ 振り向くと大きな口を開いた大蛇がいて呑み込もうとしてたので慌てて逃げてきた 」
「なに大蛇がいるって? どれくらい大きいんだ?」
「これくらい・・・」
留公は両手で20cmぐらいを示した
「そんなに太いのか?」
「胴回りじゃないよ 長さが・・・」
「なんだ、情けない 普通の蛇じゃないか どこが大蛇だ」
「長いものは恐いよ 鰻もドジョウもミミズも恐い」
「コイツの言うことも分かる 人は胞衣(えな)を方角を決めて埋めた土の上を、初めて通った虫を嫌いになるという言い伝えがある
虫が好かないというよな そうだ!ここで、皆で何が恐いか言い合ってみよう」
そんな訳で皆嫌いなもの苦手なものを言うことになった
「俺はヘビ」
「留と同じだな そっちは?」
「カエル 口をパクッと開けたのは恐い、考えたら家のカカアが『夕んべはどこ行ってたの』と、口をパクッと開けるのを見てから恐くなった」「俺は、ナメクジ ヌルヌルしていて恐い」
聞いていくと、ヒル、蜘蛛、ゴキブリ、毛虫、蟻、馬、ミミズ・・・嫌いなものは恐い
向うを向いてたばこ吸っているのは松公
「松公、何一人離れてタバコ吸ってんだ 皆で怖いものを言い合ってるんじゃないか お前も言えよ 何か恐いものは無いか」
「へっ、情けねぇ 大の男が怖いものだって?無いッ ねーよ」
「じゃ~蛇なんかはどうだ」
「蛇なんか見るとゾクゾクする 旨そうだから食べちゃう ものを考えるときは鉢巻代わりに頭に締める
カエル?カエルはは皮をむいて焼いて食べちまう ナメクジは三杯酢にすりゃあいい ミミズはケチャップ掛けたらスパゲッティー・ナポリタンだ 恐いものはなんにもねェ~よ」
「お前は偉いよ 皆、子供に返って恐いものの話をして遊んでんだ それじゃ、場がしらけちまうよ」
「怖いものなんて無いから仕方ない 蜘蛛なんて納豆の糸の引き具合が悪いなって思ったら混ぜてかき回すと糸が増えて具合いい 蟻なんか赤飯もらったときに、ゴマ塩代わりにかけて食べる ただゴマがちょこちょこ動くのが食べ辛い 毛虫が恐い?あんなものは柄を付けて歯ブラシ代わりにする 馬だって残らず食う 恐いものなんて無い無い・・・チョット待った 有る、一つだけ 忘れようと粋がっていたが、有るんだ」
「それは何だ」
小さな声でポツリと
「饅頭」
「?」
それを聞いた男たちは大笑い
いろいろな饅頭の話をしていると、みるみる松公の顔色が変わってきてガタガタ震え出した
さらに饅頭の話をすると聞泣き出して手に負えないので隣の三畳間に布団を引いて寝かしつけた
普段からひねくれ者で、左と言えば右と言うし、右と言えば左、黒いと言えば白だと言い張る生意気な野郎で、嫌われ者だった松公
一同この時とばかりに仕返しをしようと目論む
饅頭を皆で買ってきて枕元に置いたら面白いと衆議一決した
でも饅頭の話だけで寝込んだぐらいだから枕元に饅頭があったらショック死してしまう 殺人罪になりゃしないかと心配する輩もいたが饅頭だけに”あん殺”だから大丈夫と
そんな訳で皆で饅頭を買ってきた
腰高饅頭、栗饅頭、蕎麦饅頭、木の葉饅頭、揚げ饅頭、肉まん、葛饅頭、薯蕷饅頭、今川焼きはチョト違うがそれも混ぜて、お盆に山積みにて布団をかぶってガタガタ震えている松公の枕元にそーっと置いて障子を閉めた
「松っちゃん、具合はどうだい? ちょっと枕元を見てごらん」
その途端「饅頭ッ」と絶叫があがった
でもその後の様子がおかしい
叫び声は出ているが、ムシャムシャ音がするし、絶叫もだんだんと口ごもっている
不思議に思って障子を開ける一同
そこには饅頭恐いぃと叫びながら饅頭を美味そうに食べる松公がいた
暗殺は失敗に終わった
障子の陰でワクワクしながら様子を伺っていた連中、騙されたと知ってカンカン
しまったこれは一杯食わされたか
「一体お前は何が怖いんだ」
「今度は濃いお茶が一杯怖い」
<阿武松(おうのまつ)>
能登の国凰至群七海村から、長吉という若者が江戸は京橋観世新道の武隈文右衛門という幕内関取の所に入門、小車という四股名をもらった
酒も博打も女もやらない堅物なのはいいが、実は人並みはずれた大食漢
そもそもその大食いが元で親に相撲取りになれと言われたぐらい
ある時、部屋の米がやけに早くなくなることを不審に思ったおかみさんが、台所の米を見張ると、小車が朝ご飯にまず赤ん坊の頭ほどのおむすびを18個ぺろりとたいらげて、さらにどんぶり飯をかき込み始めた
38杯まで勘定していたが、こんな男がいたらかなわないと親方に「あんなやつがいた日には、部屋が食いつぶされてしまうから追い出しておくれ」と注進
親方は、一分の金を付けて破門にしてしまった
小車は仕方なく京橋の部屋を出て、ぼんやりと中山道を板橋から志村、戸田の渡しまで来た
大食いのせいで関取になれずでは故郷へ面目無くて帰れるはずもなく、いっそ此処で身投げしようと思ったが、ふと懐の一分の金を思い出す
死ぬ身に金は不要、どうせ死ぬならこの一分で好きな飯を腹一杯食ってから死のうと思い直す
そこで板橋の平尾宿の橘屋善兵衛の旅籠に投宿した
一分の金を出し、何もいらないから飯だけは好きなだけ食わせてくれと頼む
お風呂を先にと勧められたが、「いや、明日川に入るから」と断った
ただでさえ大食いの小車、この世の飯の食い納めということでもう食べる食べる
2升入りのおひつを3度お代わりし、6升の米を食べても終わる気配がない
なにしろ今生最後のご飯だからその食いっぷりの凄いこと
飯炊きが追い付かないほどの食欲に、宿屋もびっくり
あまりに見事な食いっぷりに主人の善兵衛が興味をもって対応し事情を聞くと、小車は明日死ぬつもりだと打ち明けた
同情した善兵衛、別の関取を紹介するという
また大食いのせいで破門にならないか心配する小車に善兵衛は宿屋の傍ら農作をしているので米は十分にある、毎月5斗俵を2俵ずつの米をその関取の所に仕送りしてくれると言う
翌朝、善兵衛は根津七軒町の錣山喜平治という関取の所に小車を連れて行った
小車を一目見た錣山、素質をその体に見て取り、唸る
「武隈は考え違いをしている 相撲取りが飯を食わないでどうする ここでは、1日1俵ずつ食わせよう 善兵衛さんの好意はありがたいが、米の仕送りはお断りする こちらで責任をもって、好きなだけ食べさせます」
と言ってくれた
そして自分の前相撲時代の出世名・小緑という四股名を与えた
2人の親切に感謝し、奮起した小緑は、100日と経たないうちに番付を60枚以上飛び越すスピード出世
文政5年、蔵前八幡の大相撲で入幕を果たし、小緑改め、小柳長吉と改名
初日から3連勝し、4日目はなんとおまんまの敵、元師匠の武隈との一戦
この取り組みに勝利し、それが長州公の目に止まり召し抱えとなり、阿武松緑之助の名をもらう
のちに第六代横綱になったという出世力士の一席
ここで中入り
<ねずみ>
大工さんと言えば職人さんの中の司(つかさ)だと言います
その中で日本一と言われるのは飛騨高山出身の甚五郎利勝
名人と言われた甚五郎は京都の御所で竹の水仙を彫り、”左”姓を受けた
そして江戸に下り日本橋の橘町、大工政五郎の家に10年間居候をし、その間に日光東照宮の眠り猫や三井の大黒、寛永寺鐘楼の龍などを彫ったそう
政五郎は早死にして息子に名を譲ったが、甚五郎はその後見をしている
ある年、まだ見ていない奥州松島を見物しようと、伊達六十二万石のご城下、仙台までやってきた
男の子が寄ってきて、ぜひ家に泊まってほしい、と頼むので承知すると、
「うちの旅籠は鼠屋といって小さいけど、おじさん、布団がいるなら損料を払って借りてくるから二十文前金でほしい」と言う
なにかわけがありそうだと、子供に教えられた道を行ってみると、宿屋はなるほどみすぼらしくて、掘っ建て小屋同然
前には、虎屋という大きな旅籠があって、繁盛している
案内を乞うと、出てきた主人、「うちは使用人もいないし自分は腰が抜けている、申し訳ないが側の広瀬川の川原で足をすすいでほしい」と言うから、ますますたまげた
その上、子供が帰ってきて、「料理ができないから、自分たち親子の分まで入れて、寿司を注文してほしい」と言い出したので、甚五郎は苦笑して二分渡す
いたいけな子供が客引きをしているのが気になって、それとなく事情を聞く
すると主人は愚痴を聞いていただけますかと話し始めた
「私は元来、前の虎屋の主でした 5年前女房を亡くし、宿の事が良く分かる女中頭の”お紺”を後添えに迎えたのです
仙台の七夕祭りの時、二階のお客さんの喧嘩騒ぎに巻き込まれ、階段の上から落下して腰をしたたかに打ってしまい、それが元で腰が立たなくなってしまった
離れに布団を敷いてあらゆる手を打ったがだめでした
ある日、幼友達で隣の宿の”生駒屋”が見舞いに来て『卯兵衛、子供の身体を見た事があるか?腰だけではなく心まで腑抜けになったのか』と帰っていきましてね
子供が帰ってきて、裸になれと言っても、モジモジして脱がないので、叱りつけて肌を見ると生傷だらけ、私の首っ玉に抱きついて『どうしておっ母さんは死んだんだ』と言うのを聞いて、初めお紺がせがれの卯之吉をいじめてた事を知りました
自分の事だけで子供の事を考えてあげなかったのだろうと後悔しまして、すぐ番頭を呼んで、物置に使っていたここに二人で住み始めたのです
三度の食事は前から運ばせたが、その内二度になって、一度になってしまった
前に取りにやらせると番頭が『忙しい時になんだ』と頭を殴ったとか、主人の息子になんて事をと思ったが、腰が立たないので悔しがっていると、生駒屋がやってきて『番頭も忙しくて気が立っていたのだろう 三度の食事は私の所から運ぼう』と言ってくれました
ある時、生駒屋が血相変えて飛び込んできまして『卯兵衛、虎屋をいつ番頭に譲ったのだ? あまりにも横暴なので文句言ったら、印形も押された譲り渡し状を見せられ、元のご主人とは何の関係もないと言われ、帰ってきたが、印形はどうして押したんだ?』と
印形はお紺に渡していたのでそれを使ったのでしょう
お紺は番頭の丑蔵と密通していたのでしょうな
それ以来、子供が言うには『三度の食事をもらっているのは乞食と同じ、自分たちで旅籠をやって生活しよう』と言い、客引きから何まで子供が駆けずり回っています」
宿の名の”ねずみ屋”のいわれを聞くと
「虎屋は番頭に乗っ取られてしまいましたが、この宿は物置小屋でして鼠が住んでいました それを二人で乗っ取ったので”ねずみ屋”としました」
端な木れは無いかと聞いて、二階に持ち込み、頼まれても気が進まないと仕事をしない甚五郎だが、お客が来るようにと鼠を彫る事にした
精魂込めて、朝までに鼠一匹彫り上げた
タライを店先に出して鼠を入れて、「左甚五郎作 福鼠」と書いて、看板代わりに入り口に揚げさせ、出発した
この看板を見た近在の百姓が鼠を手にとると、不思議や不思議、木の鼠がチョロチョロ動く
看板代わりの立て札の続きに《この福ねずみを見た人は、土地の人、旅の人を問わず、ねずみ屋にお泊まり下さい》と書いてあった
「おらの家まで11町しかないのに泊まれないよ、その上、女房は焼き餅焼きだから大変だ」、「おらが一緒に行って弁解してやるよ」、と言う事で泊まる事になった
福鼠の評判が広がり満員が続き、裏に宿を建て奉公人も置いた
その反動で虎屋の悪評は広がり客は激減
怒った虎屋は仙台一の彫刻名人、飯田丹下に虎を彫らせ、ねずみ屋を睨み付けるように二階の手摺りに飾った
その途端、ねずみ屋の鼠がピタリと動かなくなってしまった
驚いたのが卯兵衛、その反動で腰が立った
本当はもっと前に治っていたが、立たないと思って立たなかったから立てなかっただけ
甚五郎に手紙を出した「私の腰が立ちました 鼠の腰が抜けました」
それを見た甚五郎は、若い政五郎を連れて仙台に入った
卯兵衛に経緯を聞き、ねずみ屋から虎屋のその虎を見あげる
「飯田さんが彫った・・・、ん~、政坊あの虎をどう見る」
「私の力量から見ても、あの虎はそんなに良いものとは思えません 目に恨みを含んでいる 立派な虎になると額の所に”王”が浮かびますが・・・あの虎にはそんな風格がないね、伯父さん」
「私も、そんなに良い虎だとは思えんがな~・・・鼠、世の中の事はみんな忘れて一心に彫り上げたのだが、それなのに、あの虎が恐いのか?」と甚五郎が鼠を叱ると
「え? あれは虎ですか? アッシは猫かと思いました」
寄席会場だった居酒屋2Fが元の居酒屋に戻ります
元に戻す間は外で待機
( ・∀・)っ凵凵c(・∀・ ) カンパーイ
飲み放題です
料理も結構多いのでもう大変
コロナ太りでダイエットしなきゃと食べる量を減らそうとしているのに・・・・
仕方ない、残す前提でいきましょう
ダイエットならば一番残すべきポテサラですが・・・・まずはこれを選んで
マヨの味が好きだから^^;
あら?今日は箸袋がなんだかオシャレ
いつもは普通な割り箸のなのに
ん?これ爪楊枝?
あっ、ろくろっ首^^;
怪談噺が無かったから此処で怪談ネタなんだ(←違うと思う)
流石にこれ全部は食べられないなぁ
最近メガ盛りを止めているのもあって胃が小さくなったような
以前のようには食べられません
二杯目の芋のロックの後は
ひたすら日本酒
日本酒を飲むと乗り過ごすんじゃ無いのかって?
でも大丈夫、新宿や池袋で飲んだ時は電車の中でつい寝ちゃうから乗り過ごす訳で
横浜なら近いから寝る前に着くからね^^
次のはな家寄席は9月だったかな
このところ感染者がまた増えだしているからちょっと心配
無事開催されるのかなぁ
コロナ太り対策で散歩 4時間歩いてヘロヘロ [日常のなかで(Diary)]
これじゃあコロナ太り一直線
17日の日曜日
この日は朝から気持ちのいい空が広がって気温もぐんぐん上昇
あまりのいい天気に誘われて散歩に行きたくなりました
外出自粛ですが健康維持のための散歩ならば良いとか
ならばコロナ太りを予防するためにも散歩に行ったほうがいい
一度オフィスまで徒歩で行ってみようと思っていたこともあって東横線に沿って南下
一旦オフィスに寄って、そのあとは山下公園まで散歩です へ(・_・)/
ウチから綱島街道の旧道を歩き、六角橋を抜けたのが40分後で東神奈川のJRガードを過ぎたのが60分後
暑さもあってペースはそれほど速くはしていませんからウチから東神奈川まで4kmってところでしょうか
そしてオフィスが入るビルに到着したのはその30分後
ウチからオフィスまで徒歩90分、6kmってところかな
オフィスからウチまで歩いた場合どれだけ時間がかかるか確認しておきたかったのです
東北の震災の時、保土ヶ谷にあった当時のオフィスからウチまで歩いた時は3時間かかりましたからね
それに比べれば大分近くなったなぁ
暑さとマスクのせいかちょっとペースが落ちてきました
まぁ、ウチからオフィスまでの徒歩で要する時間の確認も終えたから構わないか^^;
歩いていると腕がヒリヒリ
日差しに腕がしっかり焼けています
さすが5月、紫外線が強いですね
ハンマーヘッドから赤レンガを抜けて山下公園へ
この日の散歩の最終目的地は山手の港の見える丘公園のローズガーデン
今は春薔薇の季節ですからね、丁度満開の頃かな
えっ?撮影目的の外出はいけないって?
いやぁ、撮影目的の外出じゃないです
健康維持のための散歩ですから
ちゃんとウチから歩いて来たでしょ^^
散歩です散歩、単なる散歩
んっ?あれぇ〜、おっかしいなぁ
バックの中に何故かカメラが入っているし^^;
まぁ、入っていたものは仕方ない
使わないとね
山下公園に到着
オフィスを出てから30分ですからウチから歩くと120分、8kmの距離ですね
往復で16km、散歩というには距離はあり過ぎですが運動不足解消の目的もありますから、まぁいいか^^
山下公園、結構人が多いですね
芝生の上は気持ちよさそう
ベンチは全部座れなくなっていました
ローズガーデンに近付いてゆくと咽せそうになるほどの甘く濃厚な香り
香りが漂うというよりも香りの塊がそこにあって、その中に突っ込んでゆくような気分
香りに重さを感じます
さぁ、ローズガーデンへ
え~! ∑(゜д゜υ)
閉鎖されているし・・・・//orz
入り口という入り口には全てバリケード
中には入れません
見事に満開
折角咲いたのに可愛そうだぁ
でもバリケード越しではありますが人が入りこまない薔薇を楽しむことはできます
ローズガーデンの入り口ごとに立ち止まり、バリケード越しに撮りながら外周を一周
甘い香りと日差しが気持ちいい
誰もいないローズガーデン、こんな図を撮れるのは貴重かもしれません
この後、どうしましょう
予定通り山手まで行くのか悩みます
山下公園のローズガーデンが閉鎖しているのであれば山手だって一緒
閉鎖しているのは確実です
山下公園はこんな感じに入り口のバリケード越しに撮れたからまだいいです
外周路よりガーデンの方が沈んでいるから撮りやすい
でも山手は・・・
イギリス館のところは入り口のゲートをクローズされてしまったら撮れません
そこから見渡せる範囲は少ないですから
山手111番館の裏のところは何処まで入れるかが不明
噴水の広場のゲートからクローズだったら何も見えません
とりあえず行ってみる・・・・というのもアリですが、もしいい感じに見られなかったら
(いや、いい感じに見られる可能性の方が少ないし)
谷戸の急坂を登った挙句に見られなかったら立ち直れないなぁーー;)
そんな訳で山手まで行くのは諦めて、そのままUターン
帰ることにしました
時刻は15時、2時間の距離ですから17時にウチに着くかなな
ウチに向かって歩き始めましたが・・・・流石に疲れが
足が重く感じてしまいペースがあがりません
そのうち足の付け根が痛くなってきてしまい、歩幅も少なくなって
六角橋まで来た時は既に予定の30分以上の遅れ
痛みはだんだん強くなってくるし、後ろから抜かれる抜かれる
商店街の緩やかな上り坂がかなりハードに思えます
片道2時間、往復で4時間
これしきの距離で足が痛くなるとは・・・・・
以前はこれしきの距離、なんともなかったのに
紅葉の京都を歩き回った時も、シンガポールの街中を歩きまわった時も、今日よりもずっと長い距離
6時間は平気で歩き回っていられたのにね
シンガポールなんて蒸し暑さも半端ないのに平気だった
知らないうちに衰えたのかなぁ(寂
こんな状態ですが、今更電車に乗るのも悔しい
ゆっくりでも歩いてゴールまで頑張らねば
ちょっと意地になりながら歩きます
ウチに着いたらヘロヘロ
なんとか給食当番をこなし、食事の後はダウン
横になると疲れが上からのしかかってくる感じでもう動けません
筋肉痛だし・・・ーー;)
足の筋肉だけならまだしも腰まで
ギックリになりそうな腰の雰囲気にヒヤヒヤしながらの在宅勤務
歩き過ぎでギックリやったら情けなさ過ぎ
ここまで運動不足だったんだなぁ
閉鎖されたローズガーデン、誰も侵入することなく皆バリケード越しに薔薇を楽しんでいるのは流石だな
って思っていたら・・・・何処ぞの爺さんが閉鎖されているローズガーデンに侵入
その爺さん、かなりヨボヨボな足取りなのです
しかもバリケードを跨いだり飛び越えるのならまだしも、木立の隙間から花壇を踏み荒らしながらの侵入
一体何を考えているのやら(呆
その爺さんはガーデン内のベンチに暫く座っていましたが、薔薇に囲まれたその感じはまるで・・・・
花に囲まれた爺さんに棺桶を連想してしまいました
ほら、最後に花を入れるでしょ
顔が花に埋もれた姿がまるでそれ^^;
散歩っていいね
オフィスまで徒歩90分なら出勤の時だけ歩くのも手かな
で、帰りは電車で
だって夕刻は空腹だから^^;
桜とキティ・・・ちゃん? 戸倉キティパーク [日常のなかで(Diary)]
4月も後半、おしぼり蕎麦を楽しんだ日のこと
その日は早めに切り上げて宿へ向かいます
上山田温泉に宿を取りましたのでR18を走ってゆくと戸倉駅の向こう側の山の一部分がピンク色に染まっています
山の中腹まで続くピンクの塊
何だろう?商業施設かなぁ
何れにしてもスルーはできません
近くに行ってみましょう
でも特に商業施設の看板は見かけなかったし・・・・普通の公園なのでしょうか
R18を更に走ってゆくとらしき看板を発見
”戸倉キティパーク”との文字と、この交差点を曲がる旨の指示
キティパークだってぇ?あの仕事を選ばないと有名な白猫の施設なのか?
へぇ、ここにそんなのがあるんだ
でも・・・それにしては変だ
もしそうなら大きな看板が国道沿いにいっぱいあるはずだけれど全くなかったし・・・
それにこの交差点の看板は小さ過ぎるし、そもそも素人っぽい
だいたい白猫のイラストもないし・・・ーー;)う〜ん
イラストがあるにはあるのですが天狗さま
兎に角行ってみましょう
戸倉駅の裏側に出て”戸倉キティパーク”の看板に従って細い道をゆくとどんどんピンクの塊が近くになってきます
おおおおおぉっ
どうやら商業施設じゃない模様でそのまま桜並木の坂道へ
後ろに車が続いていない事を確認してゆっくり登ってゆきます
どんどん登ってゆくと広い芝生の公園に出ました
奥はピンク一色
あまりの見事さにiPhone取り出して車の中からパシャ
と、後ろからクラクション
あらら、後ろにいたのねー
ゆっくり走り過ぎていたようです^^;
近くにあった駐車場に車を駐めたら桜の森へ
平日の夕刻とはいえ人がいません
貸切って言ってもいいぐらい
何処をどう撮っても人が入り込むのは滅多にないし、入り込んだとしても遠くに小さく
見頃は過ぎてしまったとはいえ、遠目にはまだまだ楽しめます
それなのにこんなにも人が少ないとは
新コロナこと武漢肺炎のせいで外出自粛、それでこうも空いているのでしょう
ここまで空いていれば三密になりようがありません
暫く楽しむことにしました
遠目は良くてもアップにしちゃうとこんな感じ^^;
でもここまでピークを過ぎていると散りざまが実に見事
少し風が吹くと一斉に花弁が枝から離れ風に流れてゆくのです
吹雪も吹雪猛吹雪、桜のブリザード
ホワイトアウトならぬピンクアウト・・・って言うのは大袈裟ですが、桜吹雪の中に身を置くとそんな気分
ここまで花弁が散っていても見事なもの
満開の時は凄かったでしょうね
見てみたいなぁ
ソメイヨシノや山桜は大分散ってしまっていましたが、枝垂れはまだまだ見頃
枝垂れをメインに楽しみます
芝生にごろり横になって桜を見上げていると西行法師の気持ちが良く解ります
自分も死ぬる時は桜の下がいいな
満開の枝垂れ桜の下に横たわって・・・・・ふぅ
このまま死んだら幸せなのかもね
あっ、どうせなら満月の夜がいいな^^
春の夕刻の肌寒さを含んだ風が体を撫でてゆき現実に引き戻されると目の前は桜吹雪
溜息しか出ません
この桜の見事なこと、夜桜も見てみたくなります
夜桜・・・緊急事態宣言が出ている状況ですから多分夜桜は見られないのでしょうが、これだけの桜
夜桜はさぞかし妖しく幻想的でしょうねぇ
この戸倉キティパークは約500本の桜が植えられているそう
で、このキティパークですが千曲市の公園だそうで当然ながら白猫とは無関係
キティの名は小動物という意味だそうで、この公園内に動物がいてそう名づけたそう・・・・
知らなかった、キティってそういう意味なんだ
てっきり猫のことかと^^;
更に上に登ってゆきます
かなり広いのと急坂なので一旦車に戻り車で上の駐車場に移動
すると・・・・
あっ、看板に描いてあった天狗様
この天狗様が戸倉のキティちゃんってことなのか^^;
キティパークの天狗なのだから”キティ天狗” でいいかな
見下ろすと千曲川
川の向こう側は戸倉上山田温泉
今日の宿です
仕事なのに温泉?って言われそうですが
泊まるのはビジネスホテル
でもビジネスホテルでありながらちゃんと温泉も付いているのです
しかも源泉掛け流し
勿論宿泊費はビジネスホテル価格で名前もビジネスホテルとして知れ渡っている名前ですから経理から文句を言われることはありません
この夜から二泊そのホテルに泊まったのですが、やはり出張する人も少なくなっているようでガラガラ
何度か温泉に浸かりに行きましたが、いつも貸切状態
でもガラガラでもお客さんが居るのはいい方で・・・
HOTELの部屋の窓から見える観光HOTELはお客さんゼロな気配
その隣の旅館も同じ感じ
いくら平日とはいえゼロなのは・・・・・
この状態が続くと温泉街はかなり辛いでしょうね
斜め奥側の見える山際の廃墟ホテル
バブル崩壊時に廃業し廃墟となったようですが、この状態が続けばそんな廃墟が増えてしまうでしょうね
かと言って中途半端な状態で解除してしまったら・・・・それこそとんでもないことになってしまうかも
全く新コロナこと武漢肺炎にも困ったものです
C国に高額な損害賠償を請求しようとする動きが欧米で見られますが、この状況では当然のこと
情報隠匿やらなんやらで世界を混乱に陥れた罪は重いですからね
経済はガタガタになるだろうし、大不況も覚悟しないといけないかも
だだ気になるのが・・・
大不況、高額な賠償請求、世界的混乱
何だかヤバイ事のフラグのような気も・・・WW3 (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
大不況から経済を引っ張り上げるのに手っ取り早いのが・・・
さて、そろそろ宿に戻りましょう
桜のトンネルを楽しみながら坂を下ってゆきます
キティちゃん、さよーならぁ〜
出張のタイミングが合ったらまた桜の時に来るねー ^^
と、あまり可愛くはないキティちゃんにお別れを
そして坂の途中で可愛いキティちゃん♪
歩いて登るの?強者だねぇ
宿に着いたらまずは温泉〜♪
硫黄泉のいい香り
癒されます
(あくまで出張、仕事ですから)
源泉が45度未満で丁度いい湯加減
加水、加温、循環無しの掛け流し
横浜公園チューリップ散歩とバトルケーキの顛末 [日常のなかで(Diary)]
バトルケーキを作っていた日のこと
日曜日の朝、後は仕上げをするだけなのですがそれは後回し
ちょっと散歩に出かけます
緊急事態宣言で外出自粛なのですが、近所への散歩ならばいいでしょう
朝早くなら人も少ないしソーシャルディスタンスは確保できますから
ひとり朝ごはんを用意しているとリビングで寝落ちの奥さんがむっくり起きて朝風呂タイム
もう完全に朝風呂がデフォ
毎日毎日TV付けっぱで寝落ちしてだらしないっていったらありゃしない
かと言って、起こすと「うっせーな!寝ていない!」って切れるし ・・・
オマイ鼾かいてたろうがぁ〜(ノ`□´)ノ⌒┻━┻
まぁ大人しく起きて風呂に行ったら行ったで、今度は風呂で爆睡
溺れないかと気になって、こっちはオチオチ寝ていられません
結局何度も起こしに行って、そして風呂から出てくるまで寝られない
だってねぇ、風呂で事故起きたら警察に痛くもない腹を探られて面倒なことになるそうだから
嘘か本当か知らないけれど、一泊はお泊まりしなければいけなくなるとかいう話を聞いたことも
本当かなぁ・・・・本当ならば実に面倒そうだ
あいつら無実の人間を違反者(犯罪者)に仕立て上げようとすっからなぁーー;)
(年末だったかな、横断歩道の歩行者保護云々で切符きろうとしてきたけれど、横断歩道上に歩行者いなかったし・・・頑として違反を認めず、そのまま夜までだって議論しまくるぞって勢いで逆に言い負かせて無罪放免だったけれど(2時間以上言い合っていたから多分彼らの時間切れ)、どう考えても奴ら無実の善良な市民を違反者に仕立て上げようとしていたとしか思えない (╬◣д◢)!!
(新横浜プリンスホテルとグレイスホテルの間の横断歩道は要注意)
そんな訳で寝落ちしていても起こさず朝風呂を認めるようになってしまいましたが、まぁ呆れますわ
朝ごはんを済ませたら出かける準備
風呂から出てきた奥さんとは会話もなく出かけます
バトルしていると会話しなくていいから楽だなぁ^^
ベスちゃんに乗って向かった先は横浜公園
えっ?近所の公園じゃないのかって?
そこはまぁ気合い入れりゃママチャリでも来られる距離だから近所ってことで^^; (それにママチャリ持っていないし)
ベスちゃんを公園入り口に駐輪してチューリップの花壇へ向かいます
朝っていいですね
人の少ないこと、花壇はほぼ貸切状態
でも陽が高くなるにつれて散歩の人も増えてきますからサクッと散歩して帰りましょう
前日の雨で空気のクリアなこと
心地いい春の日差しにモヤモヤな気分もスッキリ
やはり偶には散歩もしないとストレスが溜まりますからね^^
バトル、結局どうなったかって?
バトルケーキ見ても結局コメント無かったし・・・・(って、散歩から帰ってからもずっと会話無かったけれどね)
怒りの手抜きデコで、丸口金使ってツノいっぱいを表現していたんだけれどなぁーー;)
食べていても奥さんとは会話無しで視線も合わさずだったけれど
で、そのまま一週間泊まりで出張
ええ、奥さんからのLINEは無視(怒りは深いのだ)
そしてウチに戻ったら・・・白旗あげていました
仕方ない、今回はこの辺で許してやろう( ̄^ ̄)えっへん
でもその数時間後には態度が豹変しているし・・・・ーー;)
また騙された・・・
まぁ、何時ものことか・・・はぁ─(´・д・`)─
奥さん、在宅勤務の意味が解っていないんだよね
休みだと思っているし
ウチに居たって拘束されているんだと言っても理解できない
八百屋行けだの、たまご屋に行けだの、しまいには横浜西口の魚屋に行けと言いだすしまつ
だぁかぁらぁ、仕事だって言っているだろ!
さるくんウチにいるんだから買って来てくれてもいいじゃん!何もしてくれないし!キーキー
在宅勤務って何気に忙しい
やはりオフィスで仕事をするより効率が悪い
資料を探すのに手間取るし、連絡つけるにも手間数が多い
あっと言う間に時間が過ぎます
しかもオフィスでの仕事の時よりも業務レポートを細かくあげないといけないし
面倒くさすぎ〜(怒
買い物に行くのは構わないけれど、行けるにしてもランチタイムの1時間
彼方此方に買い物には行かれません
それが解っていない
掃除しておいて、床にワックスね、ビンカンをまとめて・・・
だぁかぁらぁ・・・・(-"-;)
それに床に放ってあるものってみんなオマイのものだろうが(-'д-)y-~ イライラ
イライラは増幅しだすと止まりません
コロナ離婚、多いそうですが理解できます
離婚に至らなくてもコロナバトルは数え切れないぐらい勃発しているでしょうね
自分は出張がちな仕事ですから在宅勤務以外の時は出張で外泊
顔を合わせずに済みます
もし出張の無い仕事だったら・・・・・ーー;)う〜ん
そんな訳で、騙されたような感じですがバトルは休戦(終戦じゃ無いのはどうせまた勃発するから^^;)
この週末は一応平和
ジムは休み、在宅勤務と外出自粛で運動不足
自宅で自重トレを・・・とやっているのですが、やはりイマイチ気分が出ません
自重だとどうにもモチベーションがぁ・・・
そんな訳で下の娘乗っけて腕立てとスクワット
下の娘は40kgなのでちょっと軽い
ならばと奥さんを肩に乗っけて腕立てしようとしたら・・・・あがらないーー;)
奥さんの通っているジムもついに休み(自分の通っているジムは横浜市のだから安いけれど、奥さんは民間のお高いヤツ)
なので自宅で自主トレを始めたようで、なにやらGasaGoso
何時もは開けっ放しのリビング横の部屋の扉を閉めてKosoKosoと
何をやっているんだ?
そーっと扉をガバッと開けて見てみたら・・・
オンラインヨガの真っ最中
ちゃんとトレーニングウエアに着替えているし^^;
(自分は在宅トレの時はパンツとTシャツ姿なのです)
ヨガだけでなく別の時間にオンライン筋トレ(当然自重)もやっているそうで
そりゃ重い訳だ
でも、そんなにもやっているのなら何故にウエストが逆クビレのままなのだろう(本人は肉が少なくなったと言い張りますが)
さて、夢の正クビレを得ることができるのかな ^^
チューリップを楽しんだ後は真っ直ぐ帰るはずなのですが
帰る気にもなれなかったので珈琲でも飲んで行こうかと
当然朝も早いので開いているお店は限られて
でも此処なら換気もいいし、いいかなとw
よく晴れて気持ちいい♪
横浜西口 昭和が香る狸小路の居酒屋で落語 第14回はな家寄席 [日常のなかで(Diary)]
この日は横浜駅西口へ出かけました
向かった先はハマのDEEPな酒場通り狸小路
昭和が匂い立つレトロな雰囲気に道行く人も思わず覗き込みます
この狸小路の1番の老舗のおでん屋さんで寄席があるのです
名付けて”はな家寄席”、14回目だそう
実はこの2日前は東白楽駅の近くの銭湯、徳の湯で銭湯寄席が予定されていたのですが、コロナのあおりで中止
(行ったら真っ暗で中止の案内もなかったーー; 落語興行の案内ページをググったら中止だと書いてあったけれど^^;)
狭い空間での寄席ですから超濃厚接触
中止も仕方ないのかな
となると・・・この”はな家寄席”も中止?
心配しながら行きましたが
おぉ、照明が灯いている^^
この日の一番乗りで入りました
前売りは買ってあるのでチケットを渡して半券を受け取ります
”マスクは持ってます?”と訊かれ
”いえ、持ってないです 売っていないので^^;”
”じゃぁ、これを”
と、マスクが支給されました
おぉ、マスクだぁ〜
こんな貴重品を・・・ありがたやありがたや( ̄人 ̄)
そしてSS風呂のまこさん、よーちゃんさん、kinkinさんも到着
コロナで大騒ぎの世の中、ガラガラかと思いましたが何と満席@@;)
この居酒屋さんの2Fが会場
この狭さですから超濃厚接触
最前列なんざ噺家さんの唾がモロ被りかも
全員マスク装着での落語会ですから噺家さんもマスク姿かなと思いましたが
そこは違ったようです^^;
まずは前座でこの”はな家”のチーフ(確か ”はな家 おでん” って名前だったような)が一席
その後は金原亭小駒さんの独演会
まずは”おでん”さん
<猫の皿>
「果師」というのは、「端師」とも書き、はした金で古道具を買いたたくところからついた名称であるようです
田舎を巡り、持ち主はそうと知らぬが値打ちのあるものを口八丁で二束三文で買いたたき、江戸に持って帰って高値で売る
こんな美味しい商売はありません
ある端師(はたし)が中仙道は熊谷在の石原あたりの茶店で一休み
茶を飲みながら何の気なしに土間を見ると猫が飯を食っていた
猫自体はどうこうないが、その皿を見て端師、内心驚いた
それは絵高麗の梅鉢の茶碗といって、下値に見積っても三百両、いや五百両にもなるかもしれないという代物
とても猫に飯をあてがうような皿ではない
さてはここの主は皿の価値を知らないなと見て取った端師
何とか格安で皿をだまし取ってやろうと考え、主を呼びます
「おやじさん、いい猫だねえ
こっちへおいで、ははは、膝の上に乗って・・懐に入って居眠りをしだしたよ
おまえのところの猫かい」
「へえ、猫好きですから、五、六匹おります」
そこで端師、自分も猫好きでずいぶん飼ったが、今はいない
女房も猫好きで猫を飼いたいと言っている
ぜひこの猫を譲ってほしい
と、持ちかける
おやじが妙な顔をしたので
「ただとは言わない、この三両でどうだい」
と、ここが勝負どころと思って三両渡すとしぶしぶ承知した
さすが商売人で、興奮を表に出さずさりげなく
「もう一つお願いがあるんだが、宿屋へ泊まって猫に食わせる茶碗を借りると宿屋の女が嫌な顔をするから、いっそその皿もいっしょにくれないか」
ところがおやじ、しらっとして
それは差し上げられない、皿ならこっちのを、と、木の皿を出した
あわててそれでいいと言うと
「これはダメです、これはあたしの秘蔵の品で絵高麗の梅鉢の茶碗といって裸でも三百両はくだらない品
三両じゃァ譲れません」
「なぜそんな結構なもので猫に飯を食わせるんだい」
「それがだんな、この茶碗で猫に飯を食わせると、猫が三両で売れますんで」
そして小駒さん
コロナのあおりで仕事はキャンセルだらけ
なので久しぶりの落語だとか
終わった後、舞台から降りようとしてコケました
足が痺れたそう
そんなにも仕事が無かったんだ@@;)
<無筆 手紙>
昔は字が読めないかけない無筆が多くいました
特にお職人は腕さえあればどんどん出世が出来ました
そういう時代のお話です
ある男が叔父さんから手紙を受け取ったがこの男は字が読めない
いつもは隣に住む書生さんに読んでもらっているのだが、今日は書生さんは留守で読んでもらえない
急ぎの用だったら困るし・・・と悩み、兄貴分のところに相談にゆく
兄貴ィ、兄貴に相談事が・・・実はとんでもないことが持ち上がっちゃって
俺も退屈していたんだよ 相談事を聞いてやるよ、どんなことだ?
実はね、叔父さんから手紙が来ちゃって
いつもは隣の書生さんで読んでもらうんだけど今日は居ないんですよ
だからどうしようと思っていたら兄貴のことを思い出して
兄貴は普段から言ってるでしょ
「俺は職人だけどお前たちと違って学問ってもんがある」って
兄貴のところに行ったら何とかなると思って・・・手紙を読んでほしいんです
あっ、、、あぁぁ手紙かぁ、、、そうか、よしよしよし
まぁそうだな、俺は学問が在るんだお前たちとは訳が違う
そこに置いといてくれ 一週間したら取りに来い
それまでに読んどいてやるから
急ぎの用かもしれないんで一週間っていうのは・・・今読んでほしいんだ
今は忙しいから駄目だよ
忙しいって? 退屈してるって言ってましたよね
今までは退屈だったんだ お前が来た途端に忙しくなった
そんな馬鹿な事を言わないで読んで下さいよ
本当のことを言うと俺は鳥目なんだよ
鳥目って夜目が見えなくなるんですよね、今は昼ですよ
だからさ俺はミミズクの鳥目なんだよ
馬鹿なこと言ってないで読んでくださいよ
あぁそうか、兄貴は実は字が読めないんだ
だからそんなこと言って誤魔化してるんだ
俺はみんなにこの事を話しちゃうから
兄貴はあんなこと言っても無筆だ字が読めないって
おいおい待て、誰が無筆だってんだ?
読んでやるからこっちに貸せ・・・・あぁ手紙はいいもんだな
これはどっから来たんだ?
どっから来たってそこに書いてありますよ
まぁ書いてあるけどお前に聞いた方が早いから
早いとか遅いとかの問題じゃ・・・赤坂のおじさんから届きました
おぉ、書いてある、書いてある
赤坂のおじさんよりハチ公へってしてある
ハチ公?
ずいぶん乱暴な言い方ですね
いつも書生さんに読んで貰う時は八五郎様や八五郎殿って
書いてあるのですけど、今日はハチ公ですか?
別にいいだろうが
大体ハチ公が気に入らないっていうけどそれは素人だ
昔から偉い人は公の字がついてる
家康公、秀吉公、信長公、中堅ハチ公なんて
犬と一緒にしないでください まぁ良いので中を読んでください
しかしお前のところのおじさんは長いことないね
そうですか・・・年も年ですからね
何か患ってると書いてますか?
昔から墨色判断って言って薄墨で書く人は短命とされている
お前のところの叔父さんもこう薄墨で書く所を見るとそう長くないね
そうですか、そんなことが分かるんですね
・・・・兄貴、それ裏返しじゃないですか?
えっ?裏返し?
あぁ裏だった、表から見ると長命だ
じゃ読んでやるけど、俺が読むと早いよ
立て板に水だよ、もう一回読んでくれって言っても駄目だよ
二度読むと文句が変わってくるから
じゃ読むぞ、えぇぇっと・・・
拝啓謹啓前略前文御免下されたく候然らば一筆啓上火の用心お先泣かすな馬肥せっと
この中からどれが良い?
どれが良いって書いてあるやつをやって下さい
お前手紙の書きだしなんて誰が書いたって読んだって同じなんだよ
どうせならお前の贔屓なやつでやってやろうと思って
贔屓も何もそこに書いてあるやつでいいですよ
そうか、じゃ前文でどうだ
それでいいですよ
前文御免下され候然らば
どうだ読めない奴がこうスラッといくか?
なるほどね、さすが兄貴は学問がある
今更そんなこと言ってもも間に合わねぇよ
えぇ前文御免下され候然らば、前文御免下され候然らば、前文御免下され候然らば、前文御免下され候然らばって息もつかずに百回言えるか?
そんなこと言えませんよ
ちゃんと読んでくださいよ
使いの人が返事をもらいたくって家で待ってるんですよ
使いが来ているの?
それを先に言わないといけないよ
その使いの奴はどういう恰好してた?
どういうって半纏着てたから職人ですよ
それで手に大きな風呂敷を持ってました
手に大きな風呂敷・・・それが手がかりだな
お前はおじさんに借りている物が在るんだろ?
それを代わりに取りに来たんだ
いや、借りている物なんてありません
じゃあ、叔父さんに最近会わなかったか?
あっそうだいつの日だったか、近所の子供を連れてね
上野動物園に行った帰りに広小路のところでばったり会いました
そのとき何か言ってなかったか?
そう言えばね
今度家でお客するからお店から本膳を借りて欲しい言ってました
馬鹿野郎なんでそれを先に言わないだ
それがここにきちんと書いてある
待ってろ読んでやるから
前文御免下され候然らば、さてハチ公やいつの日だったか、近所の子供を連れて
上野動物園に行った帰りに広小路のところでばったり会ったけな
なんかあっしが言った事と同じ事が書いてあるんですね。
第一その「会ったけな」って、いつも読んで貰うと御座候って決まるんですけど
今日はあったけなですか?
うるさいよ
御座候が欲しければすぐ付くよ
広小路のところにばったり会ったけな御座候
その時にお前に頼んであった本膳を借りておくれよっとしてあるな
またおかしい・・・
御座候の後に借りておくれよって
良いだろ別に
いちいち文句が多いんだよ
おくれよって気に食わないようだけど、以前は里言葉って花魁が使ったんだ
こういう粋な言葉を知ってるところを見るとお前のおじさんは昔花魁か?
そんなわけないでしょ
そもそもおじさんは男ですよ
それよりも本膳は何人前ですか?
そこだよ
多くても、少なくっても困るって奴だな
ん人前って書いてあるからそれだけ持っていけばいいんだよ
えっ?
何人前ですって?
だから、ん人前って書いてあるって
あぁ五人前ですか?
そうだよ
さっきから五人前って言ってるだろ
おかしいな十人前って聞いてたんだけど
だから、なんでそれを先に言わねぇんだよ・・・
そうそう五人前と五人前で締めて十人前だ
おかしな所で締めるんですね。
そう言えば本膳と言えば細々としたものが付き物ですが
それは書いてありますか?
あぁ書いてあるよ
箸なんかの細々したものは隣の荒物屋で買うからいいよと
隣の荒物屋?どっち隣です
右隣だ
叔父さんちの右側は交番だけれど?
左隣だった
左はモスクがある
モスク、あぁ、アラビア文字で書いてあったから読めなかった
<素人義太夫(寝床)>
ある大家の旦那さんは、「義太夫」を披露するのが何よりの楽しみ
この旦那は、近所の人や自分とこの長屋の住人を集めては「義太夫」を定期的に披露していました
自分の「義太夫」と豪華な料理に酒、さぞかし皆も喜んでいると思っている旦那さんですが、皆はというと、その時間が苦痛でたまらない
何故なら旦那さんの「義太夫」はお世辞にも上手いと言えるようなものではなく、はっきり言って下手
聴きたくはないですが近所の人は商売のこともあるし旦那さんには逆らえない、そして住人や奉公人はもっと逆らえない
つまりはパワーハラスメント、まるでジャイアンリサイタル
近所の人や店の使用人も、旦那さんが「義太夫」を披露する日になると、ありとあらゆる理由をつけては、逃げようとするのです
もちろん住人も理由を付けて逃げる者、嘘を付いて逃げる者が出てきます
この日は義太夫を披露する日
定吉に命じて、旦那は舞台の設定から、客席の設定など細かいところまで気配りをした
番頭の繁蔵に命じてご近所や長屋に声をかけさせた
繁蔵が近所長屋を全部回って帰ってきた
旦那さんが誰が来られるかを訊くと
提灯屋に最初に行ったら、開店祝いのほうずき提灯を明日までに三束五十注文を請け、手を真っ赤に染めて、てんてこ舞いで、来られないそうです
「仕事で有ればしょうがない・・・金物屋さんは?」
金物屋は今夜無尽の親もらいの初回だから出席しない訳にはいかず、残念ですがと
「用事があるのなら仕方がない・・・裏の吉田さんはどうだ?」
裏の吉田さんの息子さんは横須賀まで急用が出来て外出中で不在
おっかさんは高齢の上体調崩して寝ています
「今年は病人が多いな。気を付けなければいけないな、では小間物屋さんは?」
小間物屋のおかみさんは臨月で虫がかぶって行けないそうで
「病人なら仕方がないと言ってるだろ、豆腐屋さんは来るのか?」
豆腐屋は法事に出す生揚げやがんもどきを八束五十注文されて大忙しだそうで
がんもどきって作るのが大変だそうで、こうヒジキなんかを戻しましてね・・・と延々と製法を話し出す
「誰ががんもどきの製造法を聞いているんだ これないなら『こられません』でいい 長屋の連中はどうなんだ 」
頭(かしら)は成田山でゴタゴタがあって、深川の出張所ではだめなので成田まで行く約束があるのでこられません
「じゃぁ誰が来られるんだ」
長屋は全員来られません
「それなら店の使用人たちだけに聴かせましょう 皆、大丈夫だな」
一番番頭は二日酔いで頭が痛いと床に伏せっていて、籐どんは脚気で足がガクガクいうそうで寝ています
峰吉は胃ケイレンで、文吉は神経痛で、幸太郎は・・・ん~、眼病で、婆やさんはすばこで、坊ちゃんと一緒にお休みになっています
「で、繁蔵お前は?」
えエ!!私は・・・、お長屋を回ってきましたが・・・、聞けばいいんですよね、私一人で
「泣くな」
旦那さん、やっとみんなが理由を作って、来ない理由が分かった
「見台踏みつぶせ 師匠には返ってもらえ、湯など空けてしまえ、菓子は捨ててしまえ、料理番を追い返せ!」
頭に来た旦那は、長屋は全員明日の正午に店(たな)を空けてもらう、店(みせ)の者は全員明日に暇(クビ)を出すと大騒ぎ
カンカンに怒って不貞寝してしまう
仕方なく繁蔵は長屋に店を空けるように伝えにゆくと、頭が戻ってきていて義太夫を皆が断ったと聞き、これはヤバイことになりそうだと皆を集めて相談していた
旦那は篤志家でいい人なのに、この義太夫だけがなぁ・・・と、お頭
そうそう前の番頭さんどうしているかなぁ
繁蔵さんの前の番頭さん、あの人いい人だったのにな
ほら年末に旦那が義太夫を語るから店を早仕舞いしろってって言い出した時に「お店は大忙しで休めません
私が1人で聴かせていただきます」と言って旦那の義太夫を1人で受けたんだ
でも殺人的な義太夫にたまらなくなった番頭さんは蔵に逃げ込んだのだが旦那は見台抱えて追っかけてきて引窓から番頭さんめがけて語ったんだ
蔵の中で義太夫が渦まいて番頭さんは半狂乱、ついには失踪してしまったよなぁ
長屋の一同、観念して義太夫を聴こうと決意、店に行く
一同になだめられ、ご機嫌を直して再び語ることにした旦那は準備にかかった
が、衣装をネズミに齧られてしまっていて着られない
代わりの衣装は間に合わず、仕方なく御簾を下ろして演じることに
やがて始まった旦那の義太夫をよそに、酔えば分からなくなるだろうと酒盛りを始めた
御簾が下りているから旦那からはよく見えないだろうと大胆に飲み食い
料理は旨いし酒もイイ、菓子もイイし義太夫がなければなお良いのに
この義太夫だけはねぇ~、酷い喉だねぇ、きっとあれは先祖が義太夫語りを絞め殺した祟りじゃないかな
でも、誉めてあげなくては「日本一!(酒が)」、「美味いゾ(羊羹が)」「待ってました~(お菓子を)」
「オイオイ、頭あげるな!危ない!頭を下げてな、まともにあの声にぶつかったらエライ目にあうよ
去年死んだ裏の爺さん、耳が遠いからって義太夫聴くときも頭を上げてたろ
でも義太夫を聴いた後で病に臥せってそのままあの世に逝っちまった
医者が胸を見たら大きな痣があって、あれは旦那の義太夫がまともに胸に当たった痕なんだと
旦那の義太夫を聞いて熱出す奴もいるし・・・義太熱って言うそうで学名はギタローゼって言うらしい
気を付けなけないといけないよ」
「なんだいその義太熱って、どんな症状が出るんだ?」
「節々が痛む」
ここらで終わると素人義太夫(または素人浄瑠璃)
最後までやると寝床(または寝床浄瑠璃)
で、続きも書くと
お客一同、酔った勢いで全員居眠りを始めてゴロゴロ
静かになったので感にたえたのだろうと旦那さんが御簾を上げてみると、みんな寝ていた
旦那は激怒するが、何故か丁稚の定吉だけが泣いているのを見て機嫌を直す
おい、番頭、お前さん、恥ずかしくないかい? こんな小さな定吉が義太夫を聞いて、身につまされて悲しいと泣いてるんじゃないか・・・
定吉や、こっちィ来な おそれいった お前だけでも私の話を聞いてくれたのは、あたしゃ嬉しいよ で、どこが悲しかった?
お前は子供だから、きっと子供の出るところか?『馬方三吉子別れ』か?
「えーん、そんなとこじゃない、そんなとこじゃない」
『宗五郎の子別れ』か? そうじゃない? あぁ『先代萩』だな?
「えーん、そんなとこじゃない、そんなとこじゃない」
どこだい?
「あそこでございます、あそこなんでございます」と指をさす定吉
あそこだ~? あそこはあたしが義太夫を語った床(とこ)じゃないか
「あそこはあたしの寝床でございます」
<佃祭>
戸隠神社は歯の神様だそう
歯痛に悩む江戸の人々は戸隠の神様に平癒祈願をしたくても遠いのでそうは行かれません
そこで梨の実に自分の氏名や歯の痛む場所などを書いてから神社のある戸隠山の方を向いて祈り、その後実を川へ流す風習を行っていたそうです
これはその頃のお話
夏が巡ってきて、今年も佃の祭りの当日
祭り見物が大好きな神田お玉ヶ池の小間物屋次郎兵衛さん、朝からソワソワ
焼き餅焼きの女房から「祭りが白粉つけて待ってるでしょ」などと嫌みを言われてもいっこうに平気で、白薩摩に茶献上の帯という涼しいなりで、いそいそと出かけていく
一日見物して、気がつくと、もう暮れ六ツ
渡し舟の最終便は超満員
これに乗り遅れると帰れない次郎兵衛さん、焼き餅焼きの奥さんが何を勘違いするかわからないので必死で船頭になんとか乗せてくれと頼んでいると・・・
「あの、もし……」
と袖を引っ張る女がいる
「あたしゃ急ぐんだ」
「そうでもございましょうが」
とやりとりしている間に、舟は出てしまう
「どうしてくれる、あれは仕舞い舟、帰れなくなってしまった」
と怒ると、女はわびて、「実は三年前、奉公先の金の三両を紛失してしまい、申し訳に本所一ツ目の橋から身を投げるところをあなたさまに助けられ、三両恵まれました」と言う
名前を聞かなかったので、それ以来、なんとかお礼をと捜し回っていたが、今日この渡し場で偶然姿を見かけ、夢中で引き止めた、と
そう言われれば覚えがある
女は、今では船頭の辰五郎と所帯を持っているので、いつでも帰りの舟は出せるから、ぜひ家に来てほしいと、願う
喜んで言葉に甘えることにして、女の家で一杯やっていると、外が騒がしい
若い者をつかまえて訊くと、仕舞い舟が人を詰め込みすぎ、転覆してしまったと
浜辺に土左衛門が続々とうち上がり、辰五郎も救難作業に追われている、とのこと
次郎兵衛は仰天
もし三年前に女を助けなければ、自分は金槌、今ごろ間違いなく仏さまだと、胸をなで下ろす
帰っきた辰五郎、女房の恩人と聞くと熱く礼を述べ、今すぐは救護もあって舟を出せないから、夜明けまでゆっくりしていってくれと言う
一方、こちらは次郎兵衛の長屋
沈んだ渡し舟に次郎兵衛が乗っていたらしい、というので大騒ぎ
女房は半狂乱
ともかく、白薩摩を着ているからすぐに身元は知れようから、死骸は後で引き取ることにし、月番の与太郎の尻をたたいて、一同悔やみの後、坊さんを呼んで、仮通夜
やがて夜が白々明けて、辰五郎に送られた次郎兵衛はそんな騒ぎとも知らずに長屋に帰ってくる
読経の声を聞いて、”はて、おかしい?”と家をのぞくと、驚いたのは長屋の面々
「幽霊だぁ!!!」
と勘違いして大騒ぎ
事情がわかると坊さんは感心し、人を助けると仏法でいう因果応報、めぐりめぐって自分の身を助けることになると、一同に説教
これを聞いた与太郎、「それならオレも誰か助けてやろう」と、身投げを探して永代橋へ
おあつらえ向きに、一人の女が袂に石を入れ、目に涙をためて端の上から手を合わせている
「待ってくれッ 三両やるから助かれッ」と、女にしがみ付く
「何すんだい!冗談言っちゃいけないよ あたしは歯が痛いから、戸隠さまへ願をかけてるんだ」
「だって、袂に石を入れたろ」
「納める梨だよ」
寄席の後は懇親会
一旦外に出て会場を居酒屋に戻したら再び入店
適当に陣取ります
^^)/▽ ( ^^)/▽ 乾杯!
まず最初はビールで
ここに来たらおでんは外せません
おでん屋ですから^^;
お店の壁にも”当店は焼き鳥屋では御座いません 昭和22年からのおでん屋です”と張り紙があるくらい
おでんは卵に大根があれば自分は満足
でも、おでんとなるとビールよりは・・・
”素人義太夫”と”寝床”と何処で線を引くかとか、サゲの違いとか
プロにいろいろと質問
興味深い話を聞きながら飲むのもいいものです
なので当然おかわり
でも健康診断で言われた一言に自粛して三杯だけに留めます^^;
うっ、こっ、これは・・・・
コーンはちょっと^^;
いえ、嫌いじゃにんですよ
でもね
ちまちまちまちまちまちまちまちま・・・・
メンドくさい
面倒なんだけれどコーンは嫌いじゃないのです
なので黙々と
ちまちまちまちまちまちま^^;
コーンが入っていると最初にコーンだけをよって食べてしまうのは昔からの癖なのです^^;ガーリックトーストでフィニッシュ
最近品数が減ったかな
以前は食べきれないぐらい出ていましたが、前回ぐらいからは丁度いい感じ
飲んだ後は甘いもの〜♪
向かった先はカフェ・ラ・ミル 横浜ジョイナス クラシック店
コロナの影響ですかね
土曜日なのにガラガラ^^;
まずはケーキを選びます
よーちゃんさんは芸名に合わせて”塩きゃらめるロール”
kinkinさんはNYスタイルチーズケーキ
まこさんは抹茶シフォン小倉あん添え
をチョイス
自分は和栗と洋栗のモンブラン〜♪
ケーキセットにします
ハーフ&ハーフも魅力的ですが、ケーキが自立できなかったり、食べてる途中で倒壊してしまうのは悲しいのでやめておきます
フルザイズWで割引があるといいのにな
ドリンクは紅茶、アールグレイにしました
まずはケーキが到着
続いて紅茶も
では、いっただっきま〜す♪
クリームたっぷりで美味しいね
飲んだ後はやっぱり甘いものだなぁ¥^^
まこさんからお裾分けも
抹茶が濃くて美味しかったです
4月から社会人の上の娘
コロナ騒動で出社は15日からだそう
それまでは自宅待機
下の娘も春休みの延長が確定
学校は27日からだそう
こりゃ夏休みがしっかり削られるな
・・・・
自分の通うジムは休館が12日まで延長
///orz
市の施設だから仕方ないかな
奥さんの通うジムは休館にならずずっとOPEN
さすが民間、ちょっと羨ましい
でも・・・13日から本当にOPENしてくれるのか?
今まで二回も追加延長になっているし
そもそもコロナが12日までに安定化している確証もない
(今の状態だと無理じゃね?)
4月いっぱいまで更に延長、そのままGW明けまでCLOSE
その可能性の方が高いような気がーー;)う〜ん
ハマスホイ展とカスドース [日常のなかで(Diary)]
マスクというものは滅多に使いません
風邪で喉をかなりやられた時ぐらい
花粉の時期だってマスクなしで頑張ります(マスクするより薬^^;)
病気でもないのにマスクを使うことは今迄絶対なかったのですが・・・・
流石にコロナはヤバそう
USで流行ってるインフルも凄いけれど・・・あの致死率の高さ、あれひょっとしたらコロナも混じっているんじゃね?
こういう時は臆病なぐらいが丁度いいのに某国人ウエルカムなんてやっちゃうのはあまりにも楽観的過ぎでしょ
もう手遅れな感じですが・・・・この先、どうなってしまうのかなぁ
そんな訳で風邪でもないのにマスクで武装してやってきたのは上野は都立美術館
ハマスホイとデンマーク絵画展です
すごく楽しみにしていた展覧会
ポスターを見た瞬間、その静寂感に一目惚れ
モノトーンと言ってもいいような落ち着いた色調に淡く浮かぶ後ろ姿
微かな気配だけを感じさせる静寂な画面
ヴィルヘルム・ハマスホイ「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」
本展覧会は4章構成
第1章 日常礼賛‐デンマーク絵画の黄金期
第2章 スケーイン派と北欧の光
第3章 19世紀末のデンマーク絵画‐国際化と室内画の隆盛
第4章 ヴィルヘルム・ハマスホイ‐首都の静寂のなかで
と、なっていました
ピーザ・スィヴェリーン・ クロイア<漁網を繕うクリストファ>
この展覧会の絵の中で一枚だけ好きなのを持って帰れるとしたら・・・・
選ぶのはこの絵
光の入り方が凄く魅力的
背中で語る雰囲気もいいですね
やはり男はこうでなくっちゃね
ヴィゴ・ピータスン<居間に射す陽光、画家の妻と子>
なんとも暖かな雰囲気
娘の幼い頃とオーバーラップしてしまいます
何故オーバーラップしてしまうかと言うと
それは最後に・・・
こんな時期もあったよなぁ==)
ティーオド・フィリプスン<晩秋のデューアヘーヴェン森林公園>
室内画だけでなく風景画もあります
風景画の中で一番気に入ったのはこれ
ヴィルヘルム・ハマスホイ<室内>
ハマスホイの魅力、それは「静けさ」
ハマスホイの室内画において、後ろ姿の人物としてしばしば登場するのは妻のイーダですが彼女は抑えられた色調で描かれており、どこか修道女のような静寂さを醸しています
ハマスホイが描いたアパート内部は、彼と家族が住んでいるはずであるにも関わらず生活感がなく、そこにあるのは人が去った後のような静けさ
ヴィルヘルム・ハマスホイ<背を向けた若い女性のいる室内>
そしてその静けさを強調するのはミニマムな色彩と構成
ハマスホイの絵画は同系色の色で描かれていて色彩はミニマム
色彩を抑制することで絵には禁欲的な空気が漂います
色彩はミニマムですが色調は複雑で繊細
絵画鑑賞の後は甘いもの〜♪
ランチの時間ですが先に甘いものをいただきます
上野だと和な甘味がいいな
本店は混むので上野駅のお店で
おじさん一人でマダム達の行列に加わる勇気がないからね^^;
毎回品書きをチェックしますが
迷った挙句に選ぶのは何時もクリームあんみつ^^;
まるで羊羹のように四角く盛られた漉し餡は円やかな舌触り
ソフトクリームと一緒に食べるとコクのある甘さ
寒天の角はシャープなエッジ
適度な硬さと滑らかさがあります
そして量もたっぷりなのが嬉しい
甘味を楽しんだ後は日本橋へ
とあるミッションがあるのです
でもその前に昼ごはん
日本橋に来たらカッコいい獅子と麒麟は外せません
彫刻は青銅製でWW2中に金属が不足した折に供出の危機に見舞われたが終戦で難を逃れたそう
無事で良かったね
行列には日本語以外の言語もいっぱい聞こえます
寒さに負けて毛布を買ってきて被ってる人も
台湾から来たのかな
それならかなり寒く感じるでしょうね
天丼にありつくまでに1時間の行列
でも美味しかったです
詳細は次記事で
ランチを済ませたらミッションを遂行
カスドースなるお菓子を買うのがミッションだったのです
kokoroさんの記事に出てきたカスドース
めっちゃ甘いとの感想に何だか好みな予感
これは試してみなければ・・・・
でも流石に長崎までは行かれません
近くで売っている場所がないかとググってみると日本橋の長崎のアンテナショップで売っているとの情報
それで日本橋へ^^
デフォでも十分に甘いカステラ
それを卵黄に潜らせたあと熱い糖蜜の鍋に入れ表面の卵黄を固めるそう
こりゃかなり甘そうだ^^
かなり甘そうなのでウチだと自分以外食べないかも(家庭内では自分が一番の甘党で)
安全を見て二個入りを二箱に留めておきます
本当は五個入りのが欲しかったけれど、十個入りと二個入りのしか無かったので
ポルトガルから伝わった菓子を魔改造した感じかな^w^
うわぁ〜、こりゃ見るからに甘そうだぁ
砂糖と卵黄、絶対美味しいに決まってる!
べったりと甘い外側
卵黄のコクと砂糖の甘さにうっとり
紅茶によく合います
内側だってカステラ、十分に甘い
こりゃめっちゃ好みだぁ
十個入りのを買えばよかった
また日本橋まで行かなきゃね
ねぇねぇ、お父さん、2月の週末は何時が空いている?
いきなり切り出す上の娘
ん?それならX日と◯日だなぁ
じゃぁ◯日に彼氏をウチに呼ぶから
( ´;゚Д゚) ナ、ナンダッテー!! w(゜o゜*)wマジ!?
今年最初の蒔田演芸会 [日常のなかで(Diary)]
18日の土曜日、朝から降っていた冷たい雨は霙交じりになって白いものも一つ二つ
久しぶりに冬っぽい寒さ
新横浜の病院に行った後は地下鉄に乗って蒔田へ
蒔田でSS風呂ガーの”よーちゃん”さん出演の演芸会があるのです
”可笑家きゃらめる” がよーちゃんさんです
後半はバンドでも出演
会場に着いたのは開演の10分前
でもガラガラ状態
そりゃこんな霙交じりの雨の降る寒い日にわざわざ来ようって言う人はあまりいないよね^^;
先に到着していたkinkinさんは既に席をキープ
自分も席について開演を待ちます
そして、きまじめさんも到着
今回は演目の中から落語のみをご紹介
可笑家きゃらめる さん(SSブロガーのよーちゃんさん)<初天神>
新しく羽織をこしらえたので、それをひけらかしたくてたまらない男
「あれ出してくれ、あれ、羽織、羽織出してくれ」とおかみさんに言う
「この人、たった一枚の羽織がでけたと思たら、ちょっとよそ行くのんにも羽織、得意回りするのんにも羽織 こないだもあんた便所行くのに羽織出せって言うたやないか・・・・今日はまた羽織着てどこ行きなはんねん?」
「今日は初天神やろ、さっそくお参りに行くんや」と、男が言う
「『神信心、止めたもんに罰(ばち)が当たる』ちゅうさかいなぁ もぉじき金坊が帰ってくるさかい、金坊も一緒に連れて行きなはれ」
「あいつは口八丁手八丁の悪がきで、あれを買えこれを買えとうるさいので、いやだ」と、男
おかみさんと言い争っている
そこへ帰ってきた小倅、金坊
「お父ったん、ただいまぁ……、あ~ッ、また喧嘩してんな
よぉもめる夫婦やなぁ、この夫婦は
わいが帰ってきたらいつも喧嘩してんな、もぉ
喧嘩やめときちゅうたらやめときぃな
ほなこないしょ~か、わいもっぺん表行って遊んでくるよってな、仲直りにいっぺん寝ぇ」
「やらしぃやっちゃなぁこいつは」
「あッ、お父ったん、また羽織着てんな、今日はまたどこ行くねん? また便所か?」
「嬶いっぺん怒っとけ、親を親とも思てけつからんホンマにもぉ……、お父っつぁん、これから天神さんへお参りすんのんじゃ」
「わ、わいも連れてって」
「あかん、お前らみたいなん連れてってみぃ、もぉ道で「あれ買え、これ買え」ちゅうさかい、おらもぉ連れて行かんねん」
何度頼んでも連れて行くと言ってくれない
金坊は「えぇわい ほな、夕んべのことみな、向かいでしゃべってくんぞ」と脅す
男は「言ぅてこんかい お父っつぁん、言われて困るような悪いことは何もしてへん 何でも言ぅてこんかい」と言い返す
「向かいのおったぁ~ん」
「あッ、金坊かいな、まぁこっち上がり、どないしたんや?」
「おったん、オモロイ話したろか」
「したって、おっさんちょ~ど退屈しとったとこや」
「あのな、わい、いつもお父ったんと一緒に寝てんねんな、けどな、ゆんべに限ってお母んと一緒に寝てたん ほたらな、お父ったんえらい酒呑んで酔ぉて帰ってきよってん「かなんなぁ、またグズグズ言ぃよんのちゃうかいなぁ」と思てたらな、その晩に限っておとなしぃな、寝よんねん それもな、お母んの寝間へゴソゴソッとこぉ入って行きよってんで
しばらくしたら、うちのお母んがな「これ、何をしなはんねん、そんなとこ引っ張ったらお腰が破れるがな、あとにしなはれっちゅうてんのに、金坊がまだ起きてまんがな」
お父ったんは「大丈夫や、もぉ寝とぉる」言ぃながらな、やっぱり気になるもんとみえてな、起き上がってきてわいの顔の上へ手ぇ持ってきてな、上げたり下げたり、上げたり下げたりしとんねん で、「やっぱりよぉ寝とぉる、よぉ寝とぉる、大丈夫や」言ぅてな、またお母んの寝間へゴソゴソッと入ってきよってんで、おったん……
それを見ていた男、これ以上話されたらカッコ悪いと慌てて金坊に連れて行くからすぐ帰ってこいと言う
「あッおったん、お父ったん連れてったる言てるからこれで帰るわ」
「ちょっと待ち金坊、そぉいぅ話はそぉいぅとこでやめたらいかんねん、これからが面白いとこや 十銭やるよって、続き言ぃ」
「おい金坊、十銭だけもろぉて話せんと帰ってこい」
結局金坊を連れて行く事になって出かけた
あれ買ってこれ買ってと強請らないという約束をしたのですが、屋台を見たらそんな約束など忘れてしまうのが子供
「飴買って」
「始まったよ・・・飴はここにはない」と言うと
「おとっつぁんの後ろ」と金坊
飴売りがニタニタしている
「こんちくしょう 今日は休め」
「冗談いっちゃいけません 今日はかき入れです どうぞ坊ちゃん、買ってもらいなさい」
二対一ではかなわない
「おとっつぁんが取ってやる」
と、男が「これか? こっちか?」と、いちいち飴を指に持つ
そして違うと金坊が言うと指を舐めて別の飴を・・・と全部なめてしまうので、飴売りは怒り出す
飴を一個買って金坊が飴をなめながらぬかるみを歩き、着物を汚したので叱って引っぱたくと
「え〜ん…… なにか買って」
泣きながら強請ってくる
「飴はどうした」
「おとっつぁんがぶったから落とした」
洗えばまだ食えると探すがどこにも無い
「どこにも落ちてねえじゃねえか」
「腹ん中へ落とした」
「みたらし団子買って」
「だんご屋があったらな」
「そこにあるで」
ちゃんと周りを確認してから強請る金坊の作戦勝ち
団子を団子屋から受け取って金坊に渡そうとするも蜜がたっぷり付いていて着物を汚してしまいそう
着物を汚すと怒られるぞ、と言いながら蜜が垂れないように蜜を舐めたが全部舐めてしまった
密の無い団子を渡された金坊は怒る
仕方ないと、男は団子屋の店先にあった蜜の壺に団子を入れてしまう
慌てる団子屋
蜜が付いた団子を同じように舐めた金坊
蜜が無くなった団子を同じように蜜の壺へ
∵・ ゞ(>ε<*) ブッッ!!
この猫柄羽織がいいのです^^
今川あずきさん<鯉泥>
料理屋さんに泥棒が入った
子分のものを表に張り番をさせ、親分が一人で押し込んだ
光る長いやつを抜いて、寝ている主のほっぺたへピタリ、金を出せ
これは、あまり気持ちのいい心持ちがしない
「おい、これ、起きろい!」
「ひ、ひー」
「金出せ 有り金全部出してもらおうか」
「えー、手前どもには、えー、手元に一厘もございません」
「嘘をつけぇ 昼間、無尽で百両とったろう、眼がついてる 怪我しねぇうちに出しちまえ」
百両を差し出す主
「あるものを、ねえとは、不貞野郎だ てめえんとこは、料理屋だな」
「へい、料理屋でございます」
「腹が減った 飯を食わせろ」
盗みに入った先で飯を食うとはなかなかな泥棒です
「お泥棒さんに申し上げます」と主人
「あなたは人のものを盗るのが商売、手前どもは料理を商うのが家業でございます 料理の代は頂戴しとうございます」
「ん、お互い商売だからな、払ってやら 食わせろ」
「時化で何にもございませんが鯉料理ならご用意できます」
「なんでもいいから、出せ」
鯉の洗い、鯉こく、鯉の飴煮に鯉の塩焼き
泥棒の親分、鯉づくしで舌鼓
たんまり食べ、しっかり飲んだ
「いくらだ? 払ってやるから」
「ありがとうございます 百両頂戴いたします」
「ひゃっ、畜生、人を食った奴だなぁ とった銭が、行って来いでやんの・・・よし、約束だ 商売もんだ 百両、払った 持ってけぇ」
「ありがとうございます これを縁に、ご贔屓に」
「ふざけるな、馬鹿にしやがって」
ぶつぶつ言いながら、表の戸をガラリと開けると、子分のものが大勢で、
「かしらぁ、中の首尾はぁ?」
「しぃーー、声(こい)が高い」
。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ
當今亭 㐂ん肉 さん<妾馬>
16日の徳の湯の銭湯寄席でも同じ噺が出てましたのでこの妾馬のあらすじは銭湯寄席の記事で→ここ
月の家小圓鏡さん<代書屋>
小圓鏡さんはプロの噺家さん
噺が始まった頃、まこさんも到着です
『儲かった日も代書屋の同じ顔』『割り印で代書罫紙に箔を付け』
上手い川柳です
代書屋に履歴書の代筆を無筆男が頼みに来た
仕事先で持って来いと言われたが、家中探したが無いので、向かいの家に借りに行ったら、そこにも無いので、ここにやって来たと
「就職なさるんですね」
「いえ、勤めに出るのです」
「それを就職というのです」
「いやぁ、英語で言うものだから解らなかった」
「日本語です」
ではそこに座ってください・・・「籍は?・・・本籍です 親代々住んでいた所」
「日本橋三丁目です」
「ええっと『大阪市浪速区日本橋三丁目二十六番地』と」
「風呂屋の向かいです」
「そんな事はどうでもいいです で、現住所は?住んでいる所は?・・・ああ、同じですか、現住所、右に同じ・・・・あんた戸主でしょ」
「おだてなさんな」
「いえ、家の大将でしょ?では戸主です」
「名前は?」
「湯川秀樹」
「ゆかわぁ?あなたが?まぁ、同姓同名ってありますからね」
「生年月日は・・・」
「生年月日は無かったと思います」
「貴方の生まれた年です」
「歳が判ってしまう」
「歳が判るように書くのです」
「内国博覧会の夜に提灯行列が出たでしょ その時『お前も若い者の仲間に入れてやる』と言われ嬉しかった」
「年月を言いなさい」
「明治36年4月1日」
「・・・それにしてはあなた、若いですな」
「いえ、これは提灯行列のあった日 この時提灯の火を点けさせてもらったのが縁で今のカカと・・・」
「ノロケは良いんです 干支は?」
話が進まないので仕方なく干支から年齢を逆算する代書屋さん
「じゃぁ次は学歴です」
「学校はもう行っていません」
「そやろうな、四十過ぎて・・・何という小学校?」
「尋常小学校」
「いえ学校の名前を・・・まぁ、適当に書いておきます、本籍地内小学校・・・と」
「そ・卒業したんだろうね」
「ええ、卒業しました 2年で」
「それを言うなら、中途退学」
「そー言うと体裁が良いな」
「別に良くはない・・・次は職歴ですが、今迄どんな商売をしてました?」
「提灯行列の明けの年」
「また提灯行列ですか、だったら明治37年・・・何をやっりました?」
「友達が『巴焼きの道具空いてるさかい、使えへんか』言うて貸してくれたんだ 借りに行たら、錆びで緑青が吹いていたので、それをペーパーで・・・」
「場所は?」
「玉造(たまつくり)の駅前で、家賃が12円50銭」
「家賃はイイので、『同市内玉造駅前において』・・・、巴焼では判らないだろうから、『まんじゅう商を営む』としましょうか、いつまでやりました?」
「いや、やろう思ったけど、家賃高いから、やめた」
「やったことだけ言いなさい 消すと紙が汚くなる 一行抹消 判子貸しなさい 訂正印だ 本当にやったのは?」
「同じ年の12月に、夜店を出したんだ」
「『明治37年露店営業人として』・・・、品物は何?」
「ヘリドメ」
「服のえり止め?」
「いや、減り止め 下駄の歯ァの裏に打つゴム」
「そんな物書いたことが無い 『履物付属品を販売す』と、書いときましょう いつまで?」
「これはホンマに道に品物並べましたんや ところが12月で、冷たい北風がピューピュー吹いてくる 誰も買わない アホらしなって、2時間でやめた」
「・・・一行抹消 判を貸しなさい あんたが、ご飯を食べてた本職は一体何だんねん」
「わたい大体は、ガタロだんねん」
「ガタロて何です?」
「胸のとこまであるゴム靴履いてな、金網で川底をさらって、鉄骨の折れたんやら釘の曲がったのやら取ってる奴がいるでしょ」
「初めて聞いた。いよいよ書きようがない」
「どうでっしゃろ、『ガタロ商を営む』では・・・」
「黙ってッ・・・『河川に埋没したる廃品を収集して生計を立つ』と」
「うまいもんやなあ。ガタロが引き立つ」
「それから、昭和5年の5月5日や 忘れもせん、松島だ」
「『西区松島町において』・・・、これは何をやったん?」
「わいと松っちゃんが初めて女郎買い行たんや」
「アホか! どこぞの世界に、履歴書に女郎買いに行ったのを載せる人がいます」
「これぐらいのこと書いとかなんだら、読む者がおもろない」
「書いてしまった。一行抹消 判を貸しなさい。もう、こっちでええ加減に書きます 賞罰はないですよね?」
「正月は年にいっぺん」
「正月やないです賞罰です 警察へ引っぱられたとか、誉められたことないでしょ」
「ありまっせ」
「ちょっと人に誉められたぐらいではだめで、大きく表彰されたとか・・・」
「こんな大きな賞状もろて、新聞に写真入りで載ったんだっせ」
「それだったら載せておかなければいけない、何で貰いました?」
「3年前、新聞社主催の大食会でぼた餅56個食べて、こんな大きな賞状もらって・・・」
「そんなの書けますかいな」
。゜゜ヾ(*>∇<)ノシ キャハハハッ
再度よーちゃんさんが登場
(*∩v∩*) ニッコリ♪
竹次郎という男が零落れたなりをして江戸にいる兄を訪ね、「親から貰った遺産を全部茶屋遊びに使い果たしたので兄の所で雇ってくれ」と頼んだ
兄は大きな身代を作っていて奉公人の一人位はどうにでもなったが「肉親は使い難いので元手を貸すからこれで何か商売をしろ」と言って金を包んで渡して帰らせた
商売の元手というからには五十両ぐらいは入っているだろう、五十両あれば半分を飲んでも商売はできるな、やはり持つべきものは兄弟だ
村の者は兄貴の事を訪ねても茶の一つも出さない、薄情だ鬼だと言うけれど、肉親にたいしては違うんだよな
と感激なしながら歩いていた
さて、何処かで一杯やろうと竹次郎が包を開けるとたったの三文しか入っていない
「馬鹿にするな!兄貴は鬼だ!」と憤慨するがどうすることもできない
三文を捨てようとするが身から出た錆と諦め、見返してやろうと三文で桟俵法師
(さんだらぼっち 米俵の両端に当てる藁の蓋)を仕入れる
これをほどいて銭刺し用の藁縄(穴開き銭を通して保管するもの)にして売ることを始めた
細い商いであったが繰り返すうちに草鞋や米俵の仕入れ販売が出来るようになった
兄への復讐心がエネルギーとなって、朝は豆腐や納豆を売り、夜はうどんや稲荷寿司を売って資金を拡大して行った
“夢は五臓の疲れ”と言うがその夢を見る暇もない程寝食を忘れて働き続けた
10年後、竹次郎はそこそこの蓄えも出来、女房を貰い、女の子も産まれた
表通りに一軒の店を構え、使用人を置くほどの成功者になった
「番頭さん、ちょっと兄貴の所へ行って来る
三文を包んでくれないかい それに別に十両包んでおくれ 今晩は風が強いから火事に気を付けて下さいよ もし火事が起きたら土蔵の鼠穴(鼠の通り道)を塞ぐことを忘れないようにして下さい」と言い置いて店を出た
兄貴宅で三文を返し、「利息代わりに受け取って下さい」と10両を差し出した
兄は「有難く頂戴するよ・・・あの時、おまえは幾ら包まれていると思った? 五十両はあるだろうと思っただろう そして五十両あれば半分は飲めると考えた 違うか? ところが中身は三文だ あの折は俺を恨んだだろうね でもお前の放蕩癖がまだ治っていないようだったから金を貸すのは逆効果になると思って冷たい仕打ちをしてお前の根性を改めさせようとしたのだ」と兄は当時の苦しかった心情を語り、竹次郎は一切の誤解を解き、兄に感謝した
久し振りだから今夜は大いに飲もう」と兄に言われ、酒盛りになった
酩酊した竹次郎に「今夜は泊っていけ」と兄が言う
「今晩は風が強いので火事が心配ですから帰ります」
「そんなことはまずないが、もし火事に遭ったら俺の身代を全部やるよ」と言われ、そこまで言われたら「それでは」と好意に甘えることにし、床に就いた
夜中に半鐘が鳴り「竹次郎、起きろ!お前の家の近くで火事だ!早く帰って様子を見て来い!」と兄貴が叫ぶ
竹次郎が家の近くまで来ると、辺りは火の海であったが家の3つの土蔵には火が回ってないようであった
帰りを待っていた番頭が「金目のものはあらかた蔵に運び込みましたので大丈夫です」と言う
「鼠穴は塞いだだろうな?」と訊くと
「アッ!忘れていました」と答える
よく見ると、一番蔵から煙が出ている
小僧に瓦を剥がさせると火が噴き出した
他の二つの蔵にも火が回っていてほぼ全財産を焼失した
鼠穴から火が入ったのだ
家族と使用人は全員無事であったのが不幸中の幸いであった
女房の財布に入っていた小銭を元手にして掘立小屋で商売を再開するが、若い時と違って気力に欠けて上手く行かず、おまけに女房には病の床に就かれる
もう一度、兄貴に頼もうと7歳になる娘を連れて兄貴宅へ行く
「えらい災難だったな」と慰める兄に、「女房、子供を養わないといけませんので50両ばかりの融資をお願いします」と頼む
「女房、子供はお前が勝手に作ったもので、ぜいたくな事だ 俺など未だに独り者だ 焼け出されて担保物件も持たないお前に貸せるのはせいぜい1~2両だ」
「でも、万一火事に遭ったら全身代をやると言ってくれたじゃあありませんか?」
「あれは酒が言わせた戯言だ 帰れ!」と一蹴された
悄然と帰途に就くその途次、「あのおじさんの顔をよく覚えておけよ あいつは人間の顔をした鬼だ」と娘に言うと、「私が吉原へ身を売って当座のお金を作りますから、それを元手にしてお金を稼いで迎えに来て下さい」と娘は健気に言う
「そんな幼い子を吉原に売れるか」と言うと娘は幼いからいいのだと言う
「幼いから最初は付き人で働きます、本当の女郎さんになる前に借金を返して迎えに来てくれればいいのだから」
言葉に甘え、娘を売って20両を手にし、吉原の見返り柳の所で遠く娘との別れを惜しんでいるとぶつかってきた男がいた
巾着切りであった
命の綱である20両を盗られて竹次郎は絶望し、首を吊ろうと岩に乗り帯で輪を作り木の枝にかけた
そして首を入れ足を蹴った
首が締まる、苦しさに竹次郎が唸る
「おい、竹次郎!起きろ 随分うなされてどうした?」
「ここは地獄ですか天国ですか?」
「わしの家だよ」
「えッ?火事はどうなりました?」
「火事などありゃしないよ 夢でも見たんだろう?」
「夢?じゃぁ火事は?・・・夢だったのか」と竹次郎は一部始終を話す
「火事の夢は燃え盛る、盛るだけに縁起が良いというからこれからもお前の家は繁栄するよ」と兄が言うと、「有難うございます 蔵のことばかり心配していたので夢を見たんですね “夢は土蔵(五臓)の疲れ”と言いますから」と竹次郎は胸を撫で下ろす
(*∩v∩*) ニッコリ♪
出演者&関係者ではないのですが参加させていただきました
居酒屋さん佳仙
何時も此処です^^(偶に野毛のお好み焼き屋さん)
( ・∀・)っ凵凵c(・∀・ ) カンパーイ
ビールにしたけれど寒かった^^;
紫色のカリフラワーなんてあるんだね
知らなかった
二杯目以降は芋のお湯割に切り替えて
体が温まるからね
冬らしくていいね
山芋だったっけ?
はんぺんの納豆ピザ
これ、なかなか美味しかった
ウチでもやってみようかな
サクサクな食感の皮と中のチーズのトロリの対比がいいね
これ止まらない^^;
無事寝過ごす事なく電車を降りました
ウチに戻る前に重要なミッションがあります
飲んで帰るときはアイスを買わないといけません
これが我が家のお約束
今回はこの組み合わせで
奥さんはチョコ好きなのでチョコモノを一個入れておくと便利です
そうすると自分の狙っているモノを持っていかれることが無いから^^
東白楽で銭湯寄席 徳の湯 今回はお正月特別興行 [日常のなかで(Diary)]
16日、この日は午後は有給でお休み
病院へ行ったり、いろいろな用事を済ませたら
東白楽に行きました
だって銭湯寄席の日だから^^;
会場は東白楽駅からすぐの銭湯、徳の湯
今回の木戸銭は2000円
お正月特別興行でいつもの倍のお値段
真打の立川志の八さんと二ツ目の瀧川鯉丸さんが出演です
湯上りの休憩場所を寄席会場にして開演
蟹ふん<立川志の八さん>
交通機関も発達せず、自由な旅も認められなかった昔は山に育つと海を見ないまま人生を終えたりする人も多かったのではないかと、そんな時代のお話です
山奥の村に育った男が海辺の村の娘のウチに婿養子に行くことになった
まずは娘のウチに挨拶に行くということで、母親は海辺の村ではいろいろ知らないことが多いだろうとアドバイスをする
ご馳走が振る舞われ蟹とかが出てくるだろうが、あれは美味いぞ
おまいは蟹の食べ方を知っているか?
一度にいろいろ説明をしても覚えられないだろうからと紙に書いてくれた
まずお茶を勧められるが、熱いお茶が出てくるだろう
そんな湯が熱い時は茶碗も持って息をフーフーと吹きかけるのは無作法だ
添えられるタクアンを湯につけ二、三度湯がけば湯が冷める
それを飲んだ後はタクアンもちゃんと食べれば良い
海辺の村だから海の幸もいろいろだしてくれるだろう
魚だけじゃなく蟹とかもでてくるかもしれない
蟹など食べたことなかろうが食べ出すと無口になってしまうぐらい美味い
味噌が特に美味い
蟹を食べる時は甲羅を外して味噌を食べるが、甲羅を外すにはまずフンドシを外し、出来た穴に指を入れて甲羅を外す
等々
それを持って海辺の村に向かった男
途中、野原に腰を下ろして休んだ
そのついでに予習とばかりに書いてもらったものを読んだが、そのとき雨が降ってきた
慌てて仕舞ったが濡れてしまった
娘の家に着いた男
お疲れでしょうとお風呂を勧められた
さて、お風呂の作法ってなんだったっけと書いてもらったものを読み出す
が、雨で濡れしまったので滲んで読めない
仕方なく読める文字だけを拾って読む
・・・・湯が熱い時は・・・・タクアンを湯につけ・・・ちゃんと食べる
「すいません、台所は何処でしょう」
台所にあったタクアンを全部持って湯に入った
湯からあがった男、娘の母親に何だか酸っぱい匂いがすると言われる
そしてご馳走が振る舞われた
珍しい魚がいっぱいで感激する男
娘さんと二人っきりになって食事をする
そして蟹が出てきた
「これは何です?」
「これは蟹というものです」と娘さん
これが蟹かとしげしげ眺める男
食べ方をご存知ですか?と心配そうに言う娘さんに大丈夫と見栄をはる
そして紙を広げてカンニング
蟹を食べる時は・・・・ふんどしを外す
”えっ?・・・”戸惑う男
「あの・・・どうされました?お手伝いしましょうか?」と娘さん
「えっ?あの、そんな、手伝うなんて・・・」
ますます戸惑う男
しかしココはカッコよく蟹の食べ方を知っているところを見せなきゃと立ってふんどしを外した
「きゃー」
どうしたの?と部屋に飛び込んだ娘の母親
一緒になって
「きゃー」
一体何事だと娘の父親が入ってきた
ふんどしを外した男を見て、一体何をしているのかと訊くと男は教えてもらったように蟹を食べようとしただけだと言う
娘の父親はカンペを見せてもらい読み、吹き出す
「肝心のところが雨に濡れて滲んで読めなくなっていますな、読めるところだけ繋げるとそうなりますかw
しかし・・まぁそれを仕舞ってくださいなw
目のやり場に困りますから」
並んでいるご馳走を見て娘の父親は
「しかし、海自慢だろうが、こうも海の幸ばかり並べても婿殿もお困りじゃろう
もっと気軽なもの、そうさな、タクアンでも持ってきなさい」
ところが家中のタクアンが無くなっている
「あの・・・タクアンならさっきお風呂で全部いただきました」
ねずみ<瀧川鯉丸さん>
大工さんと言えば職人さんの中の司(つかさ)だと言います
その中で日本一と言われるのは飛騨高山出身の甚五郎利勝
名人と言われた甚五郎は京都の御所で竹の水仙を彫り、”左”姓を受けた
そして江戸に下り日本橋の橘町、大工政五郎の家に10年間居候をし、その間に日光東照宮の眠り猫や三井の大黒、寛永寺鐘楼の龍などを彫ったそう
政五郎は早死にして息子に名を譲ったが、甚五郎はその後見をしている
ある年、まだ見ていない奥州松島を見物しようと、伊達六十二万石のご城下、仙台までやってきた
男の子が寄ってきて、ぜひ家に泊まってほしい、と頼むので承知すると、
「うちの旅籠は鼠屋といって小さいけど、おじさん、布団がいるなら損料を払って借りてくるから二十文前金でほしい」と言う
なにかわけがありそうだと、子供に教えられた道を行ってみると、宿屋はなるほどみすぼらしくて、掘っ建て小屋同然
前には、虎屋という大きな旅籠があって、繁盛している
案内を乞うと、出てきた主人、「うちは使用人もいないし自分は腰が抜けている、申し訳ないが側の広瀬川の川原で足をすすいでほしい」と言うから、ますますたまげた
その上、子供が帰ってきて、「料理ができないから、自分たち親子の分まで入れて、寿司を注文してほしい」と言い出したので、甚五郎は苦笑して二分渡す
いたいけな子供が客引きをしているのが気になって、それとなく事情を聞く
すると主人は愚痴を聞いていただけますかと話し始めた
「私は元来、前の虎屋の主でした 5年前女房を亡くし、宿の事が良く分かる女中頭の”お紺”を後添えに迎えたのです
仙台の七夕祭りの時、二階のお客さんの喧嘩騒ぎに巻き込まれ、階段の上から落下して腰をしたたかに打ってしまい、それが元で腰が立たなくなってしまった
離れに布団を敷いてあらゆる手を打ったがだめでした
ある日、幼友達で隣の宿の”生駒屋”が見舞いに来て『卯兵衛、子供の身体を見た事があるか?腰だけではなく心まで腑抜けになったのか』と帰っていきましてね
子供が帰ってきて、裸になれと言っても、モジモジして脱がないので、叱りつけて肌を見ると生傷だらけ、私の首っ玉に抱きついて『どうしておっ母さんは死んだんだ』と言うのを聞いて、初めお紺がせがれの卯之吉をいじめてた事を知りました
自分の事だけで子供の事を考えてあげなかったのだろうと後悔しまして、すぐ番頭を呼んで、物置に使っていたここに二人で住み始めたのです
三度の食事は前から運ばせたが、その内二度になって、一度になってしまった
前に取りにやらせると番頭が『忙しい時になんだ』と頭を殴ったとか、主人の息子になんて事をと思ったが、腰が立たないので悔しがっていると、生駒屋がやってきて『番頭も忙しくて気が立っていたのだろう 三度の食事は私の所から運ぼう』と言ってくれました
ある時、生駒屋が血相変えて飛び込んできまして『卯兵衛、虎屋をいつ番頭に譲ったのだ? あまりにも横暴なので文句言ったら、印形も押された譲り渡し状を見せられ、元のご主人とは何の関係もないと言われ、帰ってきたが、印形はどうして押したんだ?』と
印形はお紺に渡していたのでそれを使ったのでしょう
お紺は番頭の丑蔵と密通していたのでしょうな
それ以来、子供が言うには『三度の食事をもらっているのは乞食と同じ、自分たちで旅籠をやって生活しよう』と言い、客引きから何まで子供が駆けずり回っています」
宿の名の”ねずみ屋”のいわれを聞くと
「虎屋は番頭に乗っ取られてしまいましたが、この宿は物置小屋でして鼠が住んでいました それを二人で乗っ取ったので”ねずみ屋”としました」
端な木れは無いかと聞いて、二階に持ち込み、頼まれても気が進まないと仕事をしない甚五郎だが、お客が来るようにと鼠を彫る事にした
精魂込めて、朝までに鼠一匹彫り上げた
タライを店先に出して鼠を入れて、「左甚五郎作 福鼠」と書いて、看板代わりに入り口に揚げさせ、出発した
この看板を見た近在の百姓が鼠を手にとると、不思議や不思議、木の鼠がチョロチョロ動く
看板代わりの立て札の続きに《この福ねずみを見た人は、土地の人、旅の人を問わず、ねずみ屋にお泊まり下さい》と書いてあった
「おらの家まで11町しかないのに泊まれないよ、その上、女房は焼き餅焼きだから大変だ」、「おらが一緒に行って弁解してやるよ」、と言う事で泊まる事になった
福鼠の評判が広がり満員が続き、裏に宿を建て奉公人も置いた
その反動で虎屋の悪評は広がり客は激減
怒った虎屋は仙台一の彫刻名人、飯田丹下に虎を彫らせ、ねずみ屋を睨み付けるように二階の手摺りに飾った
その途端、ねずみ屋の鼠がピタリと動かなくなってしまった
驚いたのが卯兵衛、その反動で腰が立った
本当はもっと前に治っていたが、立たないと思って立たなかったから立てなかっただけ
甚五郎に手紙を出した「私の腰が立ちました 鼠の腰が抜けました」
それを見た甚五郎は、若い政五郎を連れて仙台に入った
卯兵衛に経緯を聞き、ねずみ屋から虎屋のその虎を見あげる
「飯田さんが彫った・・・、ん~、政坊あの虎をどう見る」
「私の力量から見ても、あの虎はそんなに良いものとは思えません 目に恨みを含んでいる 立派な虎になると額の所に”王”が浮かびますが・・・あの虎にはそんな風格がないね、伯父さん」
「私も、そんなに良い虎だとは思えんがな~・・・鼠、世の中の事はみんな忘れて一心に彫り上げたのだが、それなのに、あの虎が恐いのか?」と甚五郎が鼠を叱ると
「え? あれは虎ですか? アッシは猫かと思いました」
仲入り
野毛にある某居酒屋さんから日本酒が二升差し入れられたそうで皆でいただきます
こりゃその居酒屋さんに行ってあげなきゃって思ったのですが・・・
はい、お店の名前を忘れました^^;
まぁ、そのうち思い出すでしょう
信州須坂の遠藤酒造の”どむろく”
発酵中の酒を粗く網で濾しただけの酒
濁りの甘さが発泡のしゅわしゅわな舌触りでスッキリ
旨味もたっぷりあって好みの味
思わずお代わり^^;
仲入りで飲んでから後半の落語を楽しみましたが、いやぁ、飲んで聴く落語っていいですねぇ
居酒屋<瀧川鯉丸さん>
縄のれんに-油樽、切り回しているのは番頭と十二、三の小僧だけという、うらぶれた居酒屋に、湯の帰りなのか濡れ手拭いを肩に掛け、ドテラに三尺帯という姿の男がふらふらと入ってくる
「小僧さん、お酒を持ってきてくれ」
「お酒は清(す)んだんですか、濁ったんですか」
「お前は俺のナリを見るな。酒は清んだんだよ」
「上一升ぉ~」
「チョット待ちなよ。一合でイイんだよ」
「へへへ、これは景気付けです」
「驚いたよ、酒の一升には驚かないが、懐の一升には驚くよ」
「おまちどうさま~」と徳利を男の前に置く
「おいおい直ぐ行くなよ 1回ぐらいお酌をして行けよ」
「誠に申し訳ありません 混み合いますので、お手酌でお願いします」
「混み合いますと言うけれど、客は俺一人だよ」
無理矢理小僧さんにお酌をさせて指を見ると、「汚い手だな、ベースボールのグローブみたいだ お前の指は親指だけだな、まるでバナナの房みたいだ でも、ぎっちりと実が詰まっているんだろう 月夜に捕れたんじゃないな」
「カニじゃないですよ」
「こんなに注いじゃって。口からお迎えだ この酒は酸っぱいな 甘口辛口は知っているが、スッパ口は知らないな 他に酒は無いのか 仕方が無い、もう一杯」
「ご酒代わり~上一升ぉ~」
「・・・・お肴は如何ですか」小僧は酒しか頼まない男に肴を勧めてみる
「誰がいると言った」
「要らないんですか」
「要らないんではないよ もう少しユックリさせろよ 肴は何が出来るんだ」
と聞かれて、小僧が早口で、
「へえい、できますものは、けんちん、おしたし、鱈昆布、あんこうのようなもの、鰤にお芋に酢蛸でございます、へえーい」
「今言ったのはなんでもできるか?」
「そうです」
「それじゃ『ようなもの』ってのを一人前持ってこい」
その次は、壁に張ってある品書きを見て
「口上てえのを一人前熱くしてこい」
と言ったりして、小僧をいたぶる
そうかと思えば、
「とせうけてえのはなんだ」
と聞くから、小僧が
「あれは『どぜう汁』と読むので、濁点が打ってあります イロハは、濁点を打つとみな音が違います」
と言うと、
「それじゃあ、イに濁点が付けばなんと読む、ロはどうだ、マは?」
と、点が打てない字ばかりを選んでからかう
今度は「向こうの方に真っ赤になってぶら下がっているのはなんだ」と聞くので、「あれはゆで蛸です」
「ゆでたものはなんでも赤くなるのか、じゃ猿のお尻やお稲荷さんの鳥居はゆでたか・・・それじゃ、その隣に鉢巻きをして算盤を持っているのは?」
「あれは番頭さん」
「あれを一人前持ってこい」
「そんなものできません」
「番公(=あんこう)鍋てえのができるだろう」
妾馬(めかうま)<立川志の八さん>
丸の内に上屋敷を持つ大名赤井御門守(あかいごもんのかみ)
正室にも側室にも子供が生まれず、このままでは家が絶えるというので、この際身分は問わず、よさそうな女を見つけて妾にしようと、町屋まで物色
たまたま、好みの町娘が味噌漉を下げて、路地裏に入っていくのを駕籠の中から認め、早速家来をやって、その娘を調べた
すぐに、娘はその裏長屋住まいで名はお鶴、今年十七で、母親と兄の職人・八五郎の三人暮らしと知れた
その娘の住む長屋の大家に話をつけると大家は名誉なことだと喜び
お鶴は美人の上利口者だから、何とか話をまとめて出世させてやろうと、すぐに八五郎の長屋へ行った
出てきた母親にお鶴の一件を話して聞かせると大喜び
兄貴の八五郎には、大家が直接話をする
その八五郎、大家に、お屋敷奉公が決まれば、百両の支度金が頂けると聞き、びっくり仰天大喜び
こうなると欲の皮を突っぱらかして二百両にしてもらい、めでたくお鶴はお屋敷へ
兄貴の方は、持ちつけない大金を持ったので、あちこちで遊び散らし、結局スッカラカン面目ないと長屋にも帰れない
一方、お鶴、殿さまのお手がついて間もなく懐妊、月満ちてお世継ぎを出産
にわかに「お鶴の方さま」が「お側室様」と大出世
(今回の噺はここから始まりました)
兄思いで利口者のお鶴、殿様に頼み兄・八五郎をお屋敷に招待する事をねだり許された
それを聞いた大家は八五郎を呼び着物を貸し与え、さらに殿様に口を聞く時は、口の利き方に気を付けろと助言
とにかく言葉の最初に“お”、最後に“たてまつる”をつければそれらしく聞こえるからとアドバイスをして送り出した
屋敷に着くと御用人の三太夫が殿様の所まで案内
やがて殿様がお鶴を伴い姿を見せると八五郎に「鶴の兄、八五郎とはその方であるか」と話しかけた
しかし何を言っているか分からない八五郎は無言
隣に座っていた三太夫が苛立ち「即答をぶて」と耳打ちすると、八五郎の側頭をバチン!
そうじゃない、返事をしろと言われ「おこんちは おわたくしは、お八五郎様にたてまつりまして、お妹のお鶴様がお餓鬼をおひねり出してたてまつりまして…」と変な丁寧語で話し始めた
理解できない殿様が「本日は無礼講じゃ 朋友に申すのごとく遠慮なく申せ」との仰せ
首をひねる八五郎に三太夫が友達と話をするように話せと通訳(?)する
と八五郎、とたんにあぐらをかき、いつもの職人言葉で話し始め、三太夫は怒り、殿様は面白がる
八五郎、さらに調子に乗って言いたい放題
三太夫を「なあ、三ちゃん」はてはお女中を「婆さん」などと始めたから、三太夫カリカリ
「いや、さっきから三ちゃんが横でごちゃごちゃうるさくってさ、かたっくるしいったらありゃしねーよ 大体今日はお鶴が餓鬼をひねり出したって聞いたら来たんでね…」とすっかりため口の八五郎におろおろする三太夫
しかし殿様は、このざっくばらんな八五郎を気に入り酒と御馳走を勧めた
元来が酒好きの八五郎、勧められるままに飲んで、酩酊状態
そんな時、殿さまの横にいるお鶴に気付いた八五郎
「お鶴じゃねえか なんでえ、すっかりきれいになっちまって・・・まるで竜宮城のお姫様だな
おふくろもよ、お前がお世継ぎを生んだって聞いてえらい喜んでるぜ
でも行っていろいろ面倒を見てやりたいが、それもできねえ
初孫を抱くこともできない
身分が違うというのはこういう事かと泣くんだよ
殿様に可愛がられるように尽くすんだぞ
そして殿様、お鶴をどうか末永く可愛がって下さい…」と涙
しかしすぐに「なーに、湿っぽくっていけねえ」と都都逸を披露すると「殿公、どっか繰り出さねえか!」
三太夫慌てて「これ、控えろ」
「いや、面白い その方を召し抱えて使わせ」と殿様のツルの一声
八五郎は侍に出世というめでたい一席
”妾馬”という題なのに馬が何処にも出てこないって?
実はこの噺には続きがあって・・・
侍に取り立てられた八五郎は名を改めて「石垣杢蔵左衛門蟹成」(いしがき もくぞうざえもんかになり)となる
使者の役を申しつかり、乗り慣れぬ馬に乗って暴走
必死にしがみついているところへ通りかかった家中の者が「そのように急いで何処へ参られる?」
八五郎あらため石垣杢蔵左衛門蟹成は「行く先は、前に回って馬に聞いてくれ」
で、やっと馬が出てきて、愛妾のお鶴とで、「妾馬」となります
偶には銭湯にも行こうかな
湯上りにコーヒー牛乳をぐいっと飲むのがいいんだよね
腰に手を当てて^^
ただそれには瓶のコーヒー牛乳じゃないと格好がつきません
紙パックのをストローでチューチュー吸っていたって気持ちよくないから
うん、合格
ここはちゃんと瓶だ
フルーツ牛乳(フルーツオレ)もあるんだ
これはコーヒー牛乳かフルーツ牛乳(フルーツオレ)かで迷いそう
落語の後は打ち上げ、懇親会
駅の近くの中華屋さんで
( ・∀・)っ凵凵c(・∀・ ) カンパーイ
えっ?既に半分無いって?
(*^b^) シーーッ!!
化学調味料を使っていない・・・ではなく、出来るだけ使わないってのが正直でいいな
出来るだけ、つまり出来なきゃ使う^^
常連さんが適当に頼んでくれます
鶏が続いてきて・・・鶏好きなのか?
餃子〜♪
並べ方が雑なのが本場っぽいかも
これがなかなか美味しい
皮はパリッとして
薄皮じゃない中華料理屋さんの餃子
皮が厚いのに食感がいい
餃子に枝豆だからビールをお代わりしたらちょっと寒くなって
芋のお湯割へ
煮卵に
シナチクなんか来たらラーメンが食べたくなりますね^^;
お湯割を二杯飲んだら今度は暑くなってしまって、芋のロックへ
温めたり冷やしたり忙しいことで・・・
豆腐やらナッツやらを揚げたものに
豆苗と
麻婆豆腐
辛いけれど、まぁ大丈夫な範囲
でも白飯が欲しくなります
これで会費は(割り勘で)2200円でした
帰りの電車は上り方向ですからガラガラ
当然座れました
でも寝過ごさなかったですよ
寝る前に着いたから^^;
駅前のスーパーで飲み会アイスを買ってウチに戻ります
シーアンで新年会オフ会 [日常のなかで(Diary)]
11日は英ちゃんさん企画の新年会
今年も会場はシーアン新宿西口店
東横線が副都心線に乗り入れ、新宿まで乗り換えなしで来られるようになってからは新宿は来やすい場所
なのでウチを出るのは何時もギリギリ
ギリギリで余裕がありません
だから座れた時などはとても危険
ぽかぽか暖房がよく効いたシートは眠気を誘って、一駅乗り過ごしただけで遅刻確定^^;
各駅停車だと座れてしまいますから急行に乗車
立っていれば寝られませんからね
これならば乗り過ごさない
新宿三丁目の駅を降りたら西口に向かいます
歩道の人の多さにうんざり
真っ直ぐ歩けない、何故こうも人が多いのでしょうねぇ
シーアンには予約時刻の2分前に到着
今年は遅れなかったぜぃ¥^^
乾杯〜(*^o^)っ凵☆凵c(^-^*)
今回のメンバーは
英ちゃんさん(幹事)
kinkinさん
katakiyoさん
ぼんぼちさん
Rchoose19さん
ponnta1351さん
kick_driveさん
きよたんさん
sakamonoさん
さる1号
の10名
前菜三種盛り
自分が唯一食べられるゴーヤです^^¥
苦く無いからね
シーアンでの宴会は結構お腹が膨れます
なので皆最初はセーブ気味で飛ばしません
そうすると前菜三種盛りは何時迄も皿に残っていることになります
折角の苦く無いゴーヤですからね、残った分はいただきましょう
はい、一年分のゴーヤをいただきました^^
小籠包
食べるときは気をつけないとね
二段になっているから一人二個?って思ったら
下の段は焼売
下味がしっかりついて、そのままで食べても美味しい
お店のお姉さんは何もつけないで食べてくださいと言うのですが・・・
でもやっぱり焼売にはカラシが欲しいな
そんな訳で今年もチューブ和がらしを英ちゃんさんが持ち込みました
カラシをたっぷり付けていただきます♪
棒餃子〜♪
しかし料理が出てくるペースがめっちゃ早い
忙しくて飲んでいられません
茄子の山椒揚げ、これこれ、これですよ
ここに来たらこれは絶対外せません
でも赤いのが付いていない部分を狙っていただきます
山椒の痺れる辛さは大好きなのですが、唐辛子の熱い辛さは苦手だから
茄子の山椒揚げまでは一気に出てきた感じでしたが、これ以降はペースダウン
厨房が忙しくなったのかな
ビールから紹興酒にスイッチ、熱燗で
以降、ひたすら紹興酒
温まるから
昨年と入れ物が変わったね
以前使っていた陶磁器製の方が味があったのにな
海老と油菜心の塩味炒め
白飯が欲しくなります^^
牛肉のオイスターソース炒め
すでにお腹が・・・^^;
前菜の食べ過ぎだね
白身魚と酢漬け高菜の酸っぱ辛いスープ
昨年の新年会の痺れ鍋を思い出しました
でも違うそう
お店のお兄さんが言うには”痺れ鍋ほど辛くは無い”と
そうなんだ
一口飲んでみたら・・・・