マネに始まりマネに終わる 国立新美術館 オルセー美術館展に行く [日常のなかで(Diary)]
行きたいと思いながら予定がずるずる後ろ倒し
気が付けば10月、もう後がありません
下の娘と一緒にガッツリステーキの気合を入れて「オルセー美術館展 印象派の誕生-描くことの自由-」展を観に行ってきました
ガッツリステーキで満足しきった腹をさすりさすりゆっくり歩いて国立新美術館に到着
大人は1600円、中学生は無料
この美術館は建物も好き、曲線が凄く素敵です
”印象派の殿堂”と呼ばれるオルセー美術館は、画家個人の主観と感性に意識が向かった近代美術のための美術館だそう。
ルーブル美術館は19世紀以前の作品を所蔵する美術館
ポンピドゥー・センターは現代美術作品を扱う美術館
そしてオルセー美術館は、これらの美術館が扱わない近代美術作品の美術館
この展覧会のタイトルは”印象派の誕生-描くことの自由-”なかなかワクワクする
展示品リストを見るとマネに始まりマネに終わるスタイル
印象派運動の始発点となったマネが中心となっているのです
1章-マネ、新しい絵画 より
(エドゥアール・マネ <読書> )
マネは、印象派の先駆け的な存在
”印象派”の一員として語られることもよくありますが印象派展には結局一度も参加せず、サロン入選にこだわり続けたそう
当時の価値感とは真っ向から対立する作品をサロンに出品しては批判されたマネ。
でもマネのおかげで、印象派という新しい流れが生まれたのも確か
(エドゥアール・マネ <笛を吹く少年> )
有名な少年画、美術界では世界一有名な少年なのかな^^
確かに色遣いは平面的だし、赤いズボンの輪郭として黒く線を入れる手法は当時のフランス絵画ではあり得ない形。
太い輪郭線と平面的な色使いがジャポニズムの影響を感じさせます。
2章 「レアリスムの諸相」 より
(カミーユ・コロー <パリ近郊の農家の中庭> )
落ち着く色彩で観ていて安らぎを感じたのは、コローのパリ近郊の農家の中庭
しばらく絵の前から暫く動けなくなりました。
優しいタッチに癒されます
(ジャン=フランソワ・ミレー <晩鐘> )
美術の教科書に載っていた絵
懐かしいなと絵の前に立ちましたが
そのままその静寂さに息をのみました
この絵の前だけ空気が厳か
何か神聖なものが漂っているかのよう
1日の労働を終えた夫婦が祈る姿に心を動かされます
夕刻、逆光の夕日は神々しく大地を照らし、教会の鐘の音とともに田畑は聖なる空間となって祈りの場となる
その日の収穫を生活を感謝し祈りをささげる
そんな素朴さと厳かさに、自分も一緒に祈りを捧げるような気分
(ギュスターヴ・カイユボット <床に鉋をかける人々> )
1848年、二月革命によって第二共和政が成立したフランスでは、芸術においても社会の現実を直視するレアリスムの動きが現れます
”床に鉋をかける人々”の力強い腕や背中のライン
窓から差し込む淡い光と床の反射
どれもリアル
3人の息づかいや、木が削れる音までも聞こえてきそう
見ていて自然に腕に力が入ります
そして喉が渇いてワインを飲みたくなって・・・
飲みながら仕事するんだね^^;
3章 「歴史画」 より
(ジャン=レオン・ジェローム <エルサレム> )
展示は第1章から第9章に分けられていました
第1章 マネ、新しい絵画
第2章 レアリスムの諸相
第3章 歴史画
第4章 裸体
第5章 印象派の風景
其々の章が見応えたっぷり
1600円でこの内容はお値打ちと心底感じました
この第3章あたりでお腹に異変が^^;
どうやらガッツリステーキの脂身が体に堪えたようです
下の娘に待っていてと伝えて一目散に早歩き(走れませんからね^^;)
戻ったあとも観終わるまでの間に三回程早歩きをする羽目になりました
そういえば健康診断ごとに言われていました
胆嚢のポリープのせいで脂の代謝が悪いから脂を多く食べると大変だよと
いやぁ~、これの事だったのですねぇ
4章 「裸体」 より
(ジュール・ルフェーヴル <真理> )
この第4章 「裸体」のセクション、これが実に素敵な作品ばかり
カバネルの「ヴィーナスの誕生」、クールベの「裸婦と犬」、そしてモローの大作「イアソン」
美しき裸体表現、そして画家によって異なる裸体表現のアプローチ
ルフェーブルは女神を描き、クールベは市井の女性のヌードを表した
その対比も面白い
ネットでクールベの「裸婦と犬」の画像を探しましたが見つけられませんでした
残念、凄く気に入った絵でしたのでアップしたかったのですが・・・・
(ウィリアム・ブグロー <ダンテとウェルギリウス> )
裸婦画が多いですが男性の肉体美物もありました
これはこれで美しい
何て言ったって腹の周りがブヨブヨしていないから^^;
(ポール・セザンヌ <牧歌> )
この作品だけが美しくない裸体
不吉な印象すら感じさせる青々とした色彩
濃密な官能性
美しくなくてもこの章のなかで一番印象に残った絵
5章 「印象派の風景」 田園にて/水辺にて より
(アルフレッド・シスレー <雪、マルリー=ル=ロワの農家の庭> )
第5章は風景の章、印象派の画で好きなのは全て風景画なのでこの章が楽しみ
(クロード・モネ <かささぎ> )
何だろうこの光、雪の質感
冬の朝の凛とした空気感が満ちて朝日に輝く雪の結晶
キラキラ眩しく輝く隅にかささぎの影
それが凄くほっとするのです
この画、凄く気に入りました
で帰りに複製画のコーナーで睨めっこ
お小遣いはたこうかと真面目に悩みました
下の娘に買うの?と言われてハッと我に返り
そういえばこの画に似合う家じゃないしなと^^;
それにべすの一件もありますから無駄遣いはできません
危ない危ない・・・・--;)
(オーギュスト・ルノワール <シャンロゼーのセーヌ川> )
自分の中ではルノワールは風景画のイメージではないのです
丸っこい女性を描いているイメージでした
柔らかな女性たち
風景も柔らかなのですね
(オーギュスト・ルノワール <イギリス種のナシの木> )
まるで夢の中
夢幻的で、風を感じます
そして木の葉の奏でる音、柔らかな旋律
(カミーユ・ピサロ <赤い屋根 村はずれの冬の印象> )
豊かな色彩を持つピサロの画も素敵
この風景の中を散歩したくなります
(ポール・セザンヌ <マンシーの橋> )
以降は
6章 「静物」
7章 「肖像」
8章 「近代生活」
9章 「円熟期のマネ」
と続きます
8章 「近代生活」 より
(ベルト・モリゾ <ゆりかご> )
カーテンなどに見られる透明感を含んだ空間描写
そして柔らかな質感
観終えてほっこり柔らかな印象が残る一枚
ちょっと疲れ気味な表情はりアリスム^^
(クロード・モネ <アパルトマンの一隅> )
この画も凄く惹かれました
自然と視線をグッと持って行かれます
まるで部屋の中の少年の視線に捕らわれたかのように
9章 「円熟期のマネ」
(エドゥアール・マネ <アスパラガス> )
マネの「アスパラガスの束」を購入した美術史家のシャルル・エフリュッシは、
マネの希望額よりも200フラン高い金額を送ったそう
でマネは、「あなたのアスパラガスの束から一本抜け落ちていました」という一文を添えてこの絵を贈ったそうです
なかなか粋な事をしますね
このストーリーを読んだらこの画が凄く気に入ってしまいました^^
(エドゥアール・マネ <ロシュフォールの逃亡> )
今回の美術展の大トリはこの作品
”笛を吹く少年”から約25年、マネの変化を感じることができます
25年前とは違って、筆遣いの荒々しさ
そして青い海が画面を覆い尽くす大胆な構図
マネ最晩年の一つの到達点なのですね
見終わるまでに約2時間半
ちょっと疲れました
なのでお茶を飲もうと2Fのサロンに行きますが・・・ウェイティング
1Fのテラスも満席、まぁ三連休ですしね、そんなものでしょう
待つのも面倒です
なので下の娘の提案でバックスに行く事にしました
六本木の交差点方向に歩きながら途中にあるバックスにPIN
彼女の目的はキャラメル & プディング フラペチーノ
春の限定だったストロベリーのドリンクがメチャ美味しかったので、この限定も美味しいに違いないと彼女の意見
甘いものなら試してみたい自分の性格もあって二つ返事で決定
自分はグランデ、下の娘はトールでオーダー
カスタードプディングが入った、食感まで楽しいフラペチーノ
ほろ苦いキャラメルソースとカスタードプディングが入ったデザート感溢れるコーヒーフラペチーノ。なめらかなカスタードプディングとキャラメルソースを専用のワイドストローで混ぜ合わせながらお楽しみください。
の説明書きを読みながら受け取りを待ちます
さて、飲んでみましょう
ストローですぅ~っと・・・・
何じゃやこりゃぁ~ @@;)
不味くは無い、確かに不味くはないのだけれども・・・・
何故このようにしてプリンを食べる必要があるのか理解できません
プリンが特別美味しくなるわけでもなく
単に食べ辛い
飲み物として考えてもスムーズさが無い
このスタイルにする必然性が無いーー;)
プリンは普通に食べた方がうまい --;)
この商品は企画倒れ・・・それが二人の一致した意見
まだステーキが残っている腹の中に追加されたプリンドリンク
少しでも消費させようと広尾の駅まで歩きました^^
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(追記)
掲載されている絵画はネットから探したものです
おもに複製画販売会社のサイトからの流用です
展覧会は撮影禁止です
念の為